糸リフトと脱脂・ハムラ法の併用は可能?同時施術のメリット

目の下のクマやたるみを改善したいとお考えの方の中には、脱脂やハムラ法だけでなく糸リフトとの併用に興味を持っている方も多いでしょう。結論から申し上げると、糸リフトと脱脂・ハムラ法の同時施術は医学的に可能であり、単独で行うよりも仕上がりの満足度が高まるケースがあります。

ただし、すべての方に併用が適しているわけではなく、目の下の脂肪の量や皮膚のたるみ具合、骨格の形状などを総合的に診たうえで、担当医が適応を判断します。この記事では、両施術の違いから併用のメリット、ダウンタイム、費用の目安まで丁寧に解説していきます。

目次

糸リフトと脱脂・ハムラ法はどう違う?それぞれの施術内容と特徴

糸リフト、脱脂、ハムラ法はいずれも目の下の若返りに用いられますが、アプローチが大きく異なります。まず施術ごとの仕組みを正しく把握することが、併用を検討する第一歩です。

糸リフトは切らずにたるみを引き上げる低侵襲な施術

糸リフトとは、PDO(ポリジオキサノン)などの体内で吸収される医療用の糸を皮膚の下に挿入し、物理的にたるんだ組織を持ち上げる治療法です。メスを使わないため傷あとが残りにくく、施術時間も30分から1時間程度と短い傾向にあります。

糸にはコグ(突起)が付いており、皮下組織に引っかかることでリフトアップ効果を発揮します。さらに糸が吸収される過程でコラーゲンの生成が促され、肌のハリが内側から回復していくと報告されています。

脱脂は目の下の余分な脂肪を取り除いてクマを改善する

経結膜脱脂(けいけつまくだっし)とは、まぶたの裏側(結膜側)から小さな切開を入れ、目の下に突出した眼窩脂肪(がんかしぼう)を取り除く手術です。皮膚の表面にメスを入れないため、外から傷あとが見えにくい点が大きな利点といえます。

目の下にふくらみがあるタイプのクマに対して高い改善効果が期待でき、脂肪を取り除くことで影が軽減し、目元の印象が明るくなります。ただし、脂肪を除去しすぎるとくぼみが目立つリスクもあるため、取る量の見極めが大切です。

糸リフト・脱脂・ハムラ法の施術比較

項目糸リフト脱脂・ハムラ法
切開の有無切開なし結膜側または皮膚側を切開
主な目的たるみの引き上げ脂肪の除去・再配置
施術時間30分〜1時間1時間〜2時間
ダウンタイム3日〜1週間1〜2週間
効果の持続1〜2年程度長期間持続しやすい

ハムラ法は脂肪を移動させて目の下のくぼみとふくらみを同時に整える

ハムラ法は、眼窩脂肪を除去するのではなく、突出した脂肪を目の下のくぼみ(ティアトラフ)へ移動させて固定する術式です。1995年に米国の形成外科医ハムラ(Hamra)が発表した手技がもとになっており、脂肪を捨てずに活用する点が脱脂と大きく異なります。

ふくらみとくぼみを一度に解消できるため、目の下のラインがなめらかに整いやすく、とくに40代以上で目の下の凹凸が目立つ方に適した術式とされています。皮膚側から切開する表ハムラ法と、結膜側から行う裏ハムラ法の2種類があり、症状に応じて使い分けます。

糸リフトと脱脂やハムラ法は本当に同時に受けられるのか

結論として、糸リフトと脱脂やハムラ法の同時施術は医学的に可能です。ただし、すべてのケースで推奨されるわけではなく、患者さんの状態に合わせて医師が適応を慎重に見極めます。

併用できるケースと併用が難しいケース

併用が適しているのは、目の下の脂肪による膨らみに加えて、頬のたるみやほうれい線の深さも気になる方です。脱脂やハムラ法で脂肪にアプローチしたうえで、糸リフトで中顔面の皮膚や筋膜を持ち上げることで、より立体的な仕上がりが見込めます。

一方、皮膚が極端に薄い方や、血液をサラサラにする薬を服用中の方、過去に目元の手術を繰り返している方は、併用によってリスクが上がるおそれがあります。担当医との相談が何よりも大切です。

同時施術を判断するのは経験豊富な担当医

同時施術の適応は、教科書的な基準だけでは決められません。眼窩脂肪の突出量、皮膚の弾力、骨格のかたち、そして患者さんの希望するゴールイメージを総合的に踏まえたうえで、医師が提案するものです。

カウンセリングの段階で「糸リフトも併せて行いたい」と伝えると、医師も治療プランを組みやすくなります。遠慮せず希望を伝えてみてください。

術前カウンセリングで確認しておきたいポイント

併用施術を検討する際は、以下の内容をカウンセリング時に医師へ確認しておくと安心です。自分の状態が併用に向いているか、使用する糸の種類と本数、そして想定されるリスクについて、具体的な回答をもらいましょう。

また、術後にどのような経過をたどるかも聞いておくと、ダウンタイム中の不安を減らせます。納得できないまま施術に進まないことが、トラブルを避ける一番の方法です。

カウンセリングで聞いておきたい内容

質問項目確認する目的
自分に併用が適しているか不要な施術を受けるリスクの回避
使用する糸の種類と本数効果と費用の見積もり
想定されるリスクと合併症術後トラブルへの備え
術後の通院スケジュール生活への影響の把握

脱脂・ハムラ法に糸リフトを組み合わせると仕上がりがここまで変わる

脂肪を除去・移動する施術に糸リフトを加えることで、単独では得られにくいリフトアップ効果が上乗せされます。とくに中顔面の引き締めと目の下のクマ改善を同時に叶えたい方にとって、併用は有力な選択肢です。

脂肪除去だけでは解消しにくい「たるみ戻り」を糸リフトが補う

脱脂で眼窩脂肪を取り除いても、皮膚そのものにたるみがある場合、時間の経過とともに皮膚が下がって再びクマのように見えることがあります。これは「たるみ戻り」とも呼ばれ、とくに50代以降の方に起きやすい現象です。

糸リフトは皮膚や筋膜の層に直接作用して引き上げるため、脱脂後のたるみ戻りを予防する補助的な役割を担います。脂肪の除去と皮膚のリフトという2つの軸で目の下にアプローチすることで、仕上がりの完成度が格段に高まります。

目の下からほうれい線までの中顔面を一度で整えられる

糸リフトの挿入経路は、目の下から頬の横、さらにほうれい線にかけての広い範囲をカバーできます。脱脂やハムラ法では手が届きにくい中顔面のゆるみに対しても、糸のテンションが働くことで全体的にすっきりとした印象に仕上がります。

脱脂単独と脱脂+糸リフト併用の違い

比較項目脱脂のみ脱脂+糸リフト
目の下のふくらみ改善される改善される
頬のたるみ変化しにくい引き上げ効果あり
ほうれい線変化しにくい浅くなりやすい
仕上がりの立体感やや平面的立体的に整いやすい

術後の仕上がりを左右するのは脂肪と皮膚のバランス

併用施術で満足のいく結果を得るためには、取り除く脂肪の量と糸で引き上げるテンションのバランスが重要です。脂肪を取りすぎれば目の下がくぼみ、糸を引きすぎれば不自然な突っ張り感が出てしまいます。

経験豊富な医師は、術中に患者さんの表情や皮膚の動きを見ながら微調整を行います。こうしたきめ細やかな判断が、自然で若々しい仕上がりにつながるのです。

糸リフトと脱脂・ハムラ法の併用施術におけるダウンタイムと術後の過ごし方

併用施術のダウンタイムは、脱脂やハムラ法の単独施術よりもやや長くなる傾向がありますが、極端に大きな差ではありません。術後の過ごし方を正しく守ることで、腫れや内出血を抑えやすくなります。

腫れや内出血のピークは術後3日から1週間程度

手術直後から3日目あたりが腫れのピークで、その後は徐々に引いていきます。内出血が出た場合も、1週間から10日ほどで黄色く薄くなり、2週間程度でほぼ目立たなくなるのが一般的です。

糸リフトを併用した場合は、糸を挿入した部位に軽い引きつれ感が加わることがありますが、通常は数日から1週間で自然に落ち着きます。

術後1か月間は洗顔やメイクの仕方にも注意が必要

術後翌日からシャワーは可能ですが、目の周りをゴシゴシこすらないよう気をつけてください。洗顔は優しく押さえるように行い、タオルで拭くときも軽く当てる程度にとどめましょう。

メイクは術後1週間程度から再開できるケースが多いですが、糸の挿入部位へのファンデーションの厚塗りは避けたほうが無難です。クリニックの指示に従って段階的に再開するのが安全です。

ダウンタイムを短くするための日常生活での工夫

術後は枕を高めにして寝ると、むくみが軽減しやすくなります。飲酒や長時間の入浴、激しい運動は血行が促進されて腫れを悪化させるおそれがあるため、少なくとも1週間は控えましょう。

また、紫外線は術後の色素沈着のリスクを高めるため、外出時は日焼け止めやサングラスで目元を保護してください。地味な心がけの積み重ねが、回復を早めるカギになります。

単独施術と比べてダウンタイムはどう変わるのか

糸リフト単独では3日から1週間程度、脱脂やハムラ法単独では1週間から2週間程度のダウンタイムが目安です。併用施術の場合はこれらが重なるかたちになりますが、同時に行うことで手術回数が1回で済み、トータルのダウンタイム期間はかえって短くなることもあります。

術後のNG行動と再開時期の目安

  • 飲酒:術後1週間は控える
  • 激しい運動:術後2週間は避ける
  • 長時間の入浴:術後1週間はシャワーのみ
  • コンタクトレンズ:術後3日〜1週間は装用を控える

糸リフトと脱脂を併用した効果は1年で消えるわけではない

「併用しても糸リフトの効果が切れたら元に戻るのでは」と心配する方は少なくありません。しかし、脱脂・ハムラ法による脂肪へのアプローチは長期にわたって維持されるため、すべてが短期間で戻ることはないと考えてよいでしょう。

糸リフト単独の持続期間は1年から2年が目安

PDO糸は体内で6か月から8か月かけて吸収されますが、糸が溶けた後もコラーゲンの増生によってリフト効果がしばらく持続します。個人差はあるものの、多くの場合1年から2年程度は引き上げ効果を実感できるとされています。

効果が薄れてきたと感じたタイミングで追加の糸リフトを受けることで、持続期間を延長することも可能です。

脱脂・ハムラ法の効果は半永久的に続きやすい

脱脂で取り除いた眼窩脂肪は再び増えることがほとんどないため、ふくらみの再発リスクは低いといえます。ハムラ法で移動・固定した脂肪も安定しやすく、一度の手術で長く効果が続くのが大きな魅力です。

糸リフトと脱脂・ハムラ法の効果持続比較

施術名効果の持続期間追加施術の必要性
糸リフト1〜2年効果維持のため再施術を検討
経結膜脱脂半永久的通常は再施術不要
ハムラ法半永久的通常は再施術不要

併用施術の効果を長持ちさせるために心がけたい習慣

術後の効果を少しでも長く保つには、紫外線対策と保湿ケアの継続が欠かせません。紫外線はコラーゲンを分解して皮膚のたるみを加速させるため、日常的な日焼け止めの使用は基本中の基本です。

加えて、十分な睡眠やバランスのよい食事で肌のターンオーバーを整えることも、術後の良好な状態を維持するために大切な取り組みとなります。

糸リフトとハムラ法の同時施術で失敗しないクリニックの選び方

併用施術は高い技術力を必要とするため、クリニック選びが結果を大きく左右します。価格の安さだけで選ぶのではなく、医師の経験値やフォロー体制を含めた総合力で判断してください。

目の下の解剖に精通した医師を選ぶ

目の下は眼窩隔膜、眼輪筋、脂肪体、靭帯といった複雑な構造が層をなしています。この解剖構造を熟知した医師でなければ、脂肪をどの程度取り、糸をどの方向に通すかという繊細な判断は下せません。

形成外科の専門医資格を持ち、下眼瞼形成術と糸リフトの両方に十分な症例実績がある医師を探すのが安心です。

症例写真とカウンセリングの質で比較する

クリニックのウェブサイトで公開されている症例写真は、医師の技術レベルを推し量る材料になります。自分の症状に近い症例がどのように変化しているかを見比べると、完成イメージが具体化しやすいでしょう。

カウンセリングでは、患者の希望を丁寧に聞き取ったうえでメリットだけでなくリスクも説明してくれるかどうかを見極めてください。

アフターフォロー体制が充実しているかを確認する

手術がうまくいくかどうかは、術後の経過観察やトラブル対応も含めてのことです。術後に腫れが引かない、左右差が気になるといった悩みが出たときに、迅速に相談できる体制が整っているクリニックを選びましょう。

無料の術後検診が設定されているか、再施術のフォロー制度があるかなど、事前に確認しておくと安心感が増します。

クリニック選びで見るべきポイント

  • 形成外科専門医の資格と下眼瞼手術の症例数
  • 糸リフトと脱脂・ハムラ法の併用実績
  • 症例写真のバリエーションと仕上がりの自然さ
  • 術後検診や再施術時の保証・フォロー制度

糸リフトと脱脂の併用にかかる費用の目安と料金体系

併用施術を受ける際、費用はどの程度かかるのか気になるところでしょう。糸リフト、脱脂、ハムラ法はいずれも自由診療(自費)であり、クリニックごとに料金設定が異なります。

糸リフト・脱脂・ハムラ法それぞれの費用相場

一般的な目安として、目の下の脱脂は20万円から40万円前後、ハムラ法は30万円から60万円前後、糸リフトは使用する糸の本数や種類によって10万円から40万円前後と幅があります。

施術別の費用目安

施術名費用の目安
経結膜脱脂20万〜40万円前後
ハムラ法30万〜60万円前後
糸リフト(目の下〜中顔面)10万〜40万円前後

同時施術にするとトータル費用は抑えられるのか

クリニックによっては、脱脂と糸リフトを同日に行う場合にセット料金を設定しているところもあります。別々の日に受けると、その都度麻酔料や施設利用料が発生するため、同時施術のほうがトータルコストを抑えられるケースが少なくありません。

ただし、安さを重視しすぎて技術力の低い医師を選んでしまうと、修正手術にさらに費用がかかるリスクもあります。費用と品質のバランスを冷静に見極めることが大切です。

費用だけで選ばず医師の技術力と総合的に判断する

美容医療は「安かろう悪かろう」になりやすい側面があります。見積もりを複数のクリニックで取り寄せたうえで、カウンセリングの丁寧さ、医師の説明のわかりやすさ、症例写真の質を総合的に比較してください。

費用が多少高くても信頼できる医師に任せたほうが、長い目で見たときの満足度は高くなるでしょう。目の下は顔の印象を大きく左右するパーツだからこそ、慎重に選びたいものです。

よくある質問

糸リフトと経結膜脱脂の併用施術は痛みが強くなりますか?

糸リフトと経結膜脱脂の併用では、それぞれの施術に局所麻酔を使用するため、術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。施術後は鈍い痛みや引きつれ感が数日続く場合がありますが、処方される鎮痛剤で十分にコントロールできるケースが大半です。

痛みの感じ方には個人差があるため、不安な方は事前に担当医へ静脈麻酔の併用についても相談してみてください。

ハムラ法と糸リフトを同時に受けた場合、仕上がりが不自然になる心配はありませんか?

ハムラ法と糸リフトを同時に行う場合、脂肪の移動量と糸のテンションを医師がバランスよく調整するため、正しい適応判断のもとで行えば不自然に仕上がるリスクは低いといえます。

ただし、医師の技術や経験によって結果に差が出る施術でもありますので、実績のあるクリニックを選ぶことが自然な仕上がりを得るための前提条件です。

糸リフトと脱脂の併用施術を受けた後、いつから仕事に復帰できますか?

デスクワーク中心のお仕事であれば、術後3日から5日程度で復帰される方が多い傾向にあります。ただし、腫れや内出血の程度は個人差があるため、人前に出るお仕事の方はマスクやメガネで目元をカバーできる期間を1週間ほど確保しておくと安心です。

激しい肉体労働やスポーツに関しては、術後2週間程度は控えるよう担当医から指示されるのが一般的です。

経結膜脱脂と糸リフトを別々の日に分けて受けることも可能ですか?

経結膜脱脂と糸リフトを別々の日に受けること自体は可能です。まず脱脂で脂肪の問題を解消し、回復を待ってから糸リフトでたるみを改善するという2段階のアプローチを取るクリニックもあります。

ただし、別日にすると手術のたびにダウンタイムが発生し、トータルの回復期間が長引く面もあります。同時施術が可能な状態であれば、1回で済ませるほうが体への負担も費用も軽減しやすいでしょう。

糸リフトで使用するPDO糸はハムラ法の術後経過に影響を与えますか?

PDO糸は体内で徐々に吸収される安全性の高い医療用素材であり、ハムラ法の術後経過に悪影響を及ぼすことは通常ありません。糸が吸収される過程でコラーゲンの産生が促されるため、むしろ皮膚のハリ感が向上し、ハムラ法の効果を補完する働きが期待できます。

ただし、糸の挿入方向や深さが不適切だと脂肪の再配置に干渉するおそれがゼロではないため、両施術に精通した医師のもとで受けることが前提となります。

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この症例の担当医・監修医

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 ポノクリニック東京 院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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