30代・40代のたるみクマに糸リフトが向くケース・向かないケース
目の下のたるみクマが気になり始めた30代・40代の方にとって、糸リフトは魅力的な選択肢に映るかもしれません。メスを使わず、短いダウンタイムでたるみを持ち上げられるという触れ込みは心強いものでしょう。
ただし、糸リフトがすべてのたるみクマに効果を発揮するわけではありません。脂肪の突出量や皮膚の厚み、骨格の形状によって、糸リフトが適している方とそうでない方がはっきり分かれます。
この記事では、糸リフトが目の下のたるみクマに向くケースと向かないケースを、医学的な根拠をもとにわかりやすく整理しました。ご自身に合った治療法を見つけるための判断材料にしていただければ幸いです。
そもそも「たるみクマ」とは何か|30代・40代で急に目立ち始める理由
たるみクマとは、目の下の皮膚や脂肪組織がゆるみ、影のように見える暗い色合いを指します。30代後半から40代にかけて、眼窩(がんか:目の周囲を囲む骨のくぼみ)内の脂肪を支える膜が弱くなり、脂肪が前方に押し出されてふくらみを生じさせます。そのふくらみの下に影ができることで、黒っぽいクマが目立つようになるのです。
加齢による眼窩脂肪の変化が引き金になる
20代までは、眼窩隔膜(がんかかくまく:目の脂肪を包む薄い膜)が十分な張りを保っています。ところが30代を過ぎるとコラーゲンやエラスチンの産生量が減り、膜の弾力が低下します。
その結果、眼球の重みに押された脂肪が前方へ飛び出し、目の下にふくらみが出現します。このふくらみ自体が影を作り、それがたるみクマとして認識されるわけです。
30代と40代ではたるみクマの深刻度が異なる
30代前半であれば、脂肪の突出は軽度であり、皮膚にもまだハリが残っている場合が多いでしょう。一方、40代に入ると脂肪の突出量が増えるだけでなく、皮膚そのものが薄くなり、たるみが加速します。
30代・40代のたるみクマの特徴比較
| 項目 | 30代 | 40代 |
|---|---|---|
| 脂肪突出の程度 | 軽度〜中等度 | 中等度〜重度 |
| 皮膚の弾力 | 比較的保たれている | 低下が顕著 |
| 涙袋との境界 | やや不明瞭になる | 境界が消失しやすい |
| 影の濃さ | 薄い〜中程度 | 中程度〜濃い |
色素沈着型・血管うっ滞型との見分け方
クマには「たるみ型」以外に、メラニンが沈着して茶色く見える「色素沈着型」や、血行不良で青紫色に見える「血管うっ滞型」が存在します。たるみクマは上を向いたときに影が薄くなるのが特徴であり、色素沈着型は角度を変えても色味がほとんど変わりません。
糸リフトが対応できるのは、主にたるみが原因となっているクマです。色素沈着型や血管うっ滞型には、別のアプローチが必要になることを覚えておいてください。
糸リフトで目の下のたるみクマを改善する仕組みと持続期間
糸リフトは、生体内で吸収される医療用の糸を皮下に挿入し、たるんだ組織を物理的に引き上げる施術です。同時に、糸の周囲でコラーゲンの新生が促され、肌にハリが戻る効果も期待できます。
PDO・PLLA・PCLなど糸の素材ごとの違い
糸リフトに用いる糸にはいくつかの素材があります。PDO(ポリジオキサノン)は6〜8か月で体内に吸収され、コラーゲン生成を促す作用を持ちます。PLLA(ポリ乳酸)は吸収までに12〜18か月かかり、PDOよりも長期間にわたってコラーゲンの産生を刺激するとされています。
PCL(ポリカプロラクトン)はさらに吸収が遅く、24か月程度の持続が見込まれる素材です。どの素材を選ぶかによって効果の持続期間や引き上げ力が変わるため、医師との相談が大切になります。
糸リフト施術の流れとダウンタイムの目安
施術当日は、まず局所麻酔を行い、細い針やカニューレ(管状の器具)を使って皮下に糸を挿入します。施術時間は目の下であれば30〜60分程度が一般的です。
ダウンタイムは1〜2週間程度で、腫れや内出血が生じることがあります。施術直後から軽い引き上がりを実感できますが、コラーゲン新生による効果が出そろうまでには1〜3か月程度かかるのが通常でしょう。
糸リフトの効果はどのくらい持続するのか
臨床研究では、PDO糸による引き上げ効果は施術直後をピークとして、6か月を過ぎたあたりから目に見えて減衰し、1年後にはほとんど元に戻るという報告もあります。
そのため、効果を維持したい場合は定期的な再施術を検討する必要があるかもしれません。素材の選択や併用する治療によっても持続期間は変動しますので、事前にしっかりと医師から説明を受けることが大切です。
糸の素材別にみた吸収期間と特徴
| 素材 | 吸収期間の目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| PDO | 6〜8か月 | 扱いやすく普及率が高い |
| PLLA | 12〜18か月 | 長期のコラーゲン刺激 |
| PCL | 約24か月 | 持続期間がもっとも長い |
糸リフトが30代・40代のたるみクマに向いているのはこんな方
糸リフトの効果を得やすいのは、脂肪突出が軽度から中等度で、皮膚にまだある程度の弾力が残っている方です。条件がそろえば、メスを使わずにたるみクマを目立たなくできる有力な方法となります。
脂肪突出が軽度〜中等度で皮膚にハリがある方
目の下の脂肪がわずかに膨らんでいる程度であれば、糸による引き上げで十分にカバーできるケースが多いでしょう。皮膚に弾力が残っていれば、糸で持ち上げた組織がしっかりと定着しやすくなります。
30代前半の方に多く見られるタイプで、早めに対処することで、たるみの進行を遅らせる効果も期待できます。
メスを使う手術にまだ踏み切れない方
全身麻酔や長期のダウンタイムを伴う外科手術に抵抗がある方にとって、糸リフトは心理的なハードルが低い施術です。局所麻酔で済み、施術後数日で日常生活に復帰できるのは大きなメリットといえます。
- 仕事を長期間休めない方
- 外科手術の傷跡が心配な方
- まずは小さな変化から試したい方
- 将来的に手術を検討する前段階として糸リフトを体験したい方
コラーゲン再生で肌質の改善も同時に期待したい方
糸リフトは単なるリフトアップだけでなく、糸が吸収される過程で周囲のコラーゲン生成が促されます。そのため、肌のキメやハリが改善されるという副次的な効果も見込めるのです。
たるみクマだけでなく、目の下の小じわや肌のくすみが気になる方にとっては、一石二鳥の施術になり得ます。ただし、コラーゲン再生の程度には個人差があるため、過度な期待は禁物でしょう。
糸リフトでは改善が難しいたるみクマの特徴とは
脂肪の突出量が多い方や、皮膚のたるみが進行しすぎている方には、糸リフトだけでは十分な効果を得にくい場合があります。向かないケースを事前に把握しておくことが、治療の満足度を左右します。
眼窩脂肪が大量に突出しているケース
脂肪が大きく前方に飛び出して、明らかなふくらみを形成している状態では、糸で押さえ込むだけでは限界があります。糸には脂肪のボリュームそのものを減らす力がないため、根本的な改善にはつながりにくいのです。
こうしたケースでは、経結膜脱脂術(けいけつまくだっしじゅつ:まぶたの裏側から脂肪を取り除く手術)のような外科的アプローチが候補に上がるでしょう。
皮膚のたるみが重度で余った皮膚がある場合
40代後半以降に多いケースですが、皮膚そのものが余っている状態では、糸で引き上げてもシワが寄ってしまい、かえって不自然な仕上がりになるおそれがあります。
余剰皮膚がある場合には、皮膚の切除を伴う下まぶたの手術が適していることが多いでしょう。糸リフトと組み合わせる複合的な治療計画を立てる選択肢もあります。
色素沈着や血行不良が主な原因であるクマ
前述のとおり、たるみではなくメラニンの蓄積や血流のうっ滞が原因のクマには、糸リフトは根本的な解決策になりません。レーザー治療や外用薬、生活習慣の見直しなど、原因に応じた治療法を選ぶ必要があります。
自分のクマがどのタイプなのかを正確に見極めるには、専門の医師による診察を受けることが確実な方法です。
糸リフトが向く方・向かない方の早見表
| 状態 | 糸リフトの適性 | 推奨される治療 |
|---|---|---|
| 軽度の脂肪突出+皮膚に弾力あり | 適している | 糸リフト単独 |
| 中等度の脂肪突出 | 条件付きで可能 | 糸リフト+併用治療 |
| 重度の脂肪突出 | 適さない | 経結膜脱脂術など |
| 皮膚の余りが大きい | 適さない | 皮膚切除を含む手術 |
| 色素沈着型のクマ | 適さない | レーザー・外用薬 |
糸リフトを目の下に受けるときに知っておくべきリスクと副作用
糸リフトは比較的安全性の高い施術ですが、副作用やリスクがゼロというわけではありません。施術を検討する前に、起こりうるトラブルを把握しておくと安心です。
内出血・腫れ・違和感は一時的なもの
施術直後には、針の刺入部位を中心に内出血や腫れが出るのが一般的です。多くの場合、1〜2週間で自然に治まります。つっぱるような違和感を覚えることもありますが、これは糸が組織になじむまでの一時的な反応です。
左右差・ひきつれ・糸の露出が起こることもある
糸の挿入角度や本数が左右で微妙に異なると、仕上がりに左右差が出るケースがあります。また、皮膚が薄い目の下では、糸が浅い層に留まってしまい、ひきつれや糸の露出が生じる可能性もあるでしょう。
糸リフトで報告されている主な副作用
| 副作用 | 発生頻度 | 対応策 |
|---|---|---|
| 内出血 | 比較的多い | 通常1〜2週間で消退 |
| 腫れ | 比較的多い | 冷却で軽減可能 |
| 左右差 | まれ | 再調整を検討 |
| ひきつれ | まれ | 自然に緩和または抜糸 |
| 感染 | 非常にまれ | 抗菌薬で対応 |
経験豊富な医師の選び方で結果は大きく変わる
目の下は皮膚が非常に薄く、血管や神経が密集しているデリケートな部位です。この領域への糸リフトは高い技術力を求められるため、施術経験の豊富な医師を選ぶことが、満足のいく結果を得るための第一歩になります。
カウンセリングの段階で、過去の施術実績やリスクについて丁寧に説明してくれる医師であるかどうかを見極めてください。
糸リフト以外にたるみクマを改善できる治療法との比較
たるみクマの治療には糸リフト以外にもさまざまな選択肢があります。それぞれの特徴を比較した上で、自分に合った方法を選ぶと後悔が少なくなるはずです。
経結膜脱脂術は脂肪の根本的な除去ができる
まぶたの裏側(結膜側)から切開し、突出した眼窩脂肪を直接取り除く手術です。脂肪のボリューム自体を減らせるため、中等度〜重度のたるみクマには高い効果が期待できます。
外側に傷跡が残らないのもメリットですが、糸リフトと比べるとダウンタイムが長めになる傾向があります。回復までに2〜4週間は見ておく必要があるでしょう。
ヒアルロン酸注入は涙袋のくぼみを補える
涙袋の下にくぼみ(ティアトラフ)がある場合、ヒアルロン酸を注入して段差を目立たなくする方法があります。施術時間が短く、即効性がある点が魅力です。
一方、目の下の皮膚は非常に薄いため、注入量を誤るとボコつきやチンダル現象(青白く透けて見える現象)が生じるリスクもあります。繰り返し施術が必要になることも覚えておきましょう。
高周波やレーザー治療で皮膚の引き締めを図る方法もある
高周波(RF)や超音波を使った肌の引き締め治療は、皮膚のコラーゲンを収縮・再生させることで、ゆるんだ組織を内側から引き締めます。メスも針も使わないため、ダウンタイムがほぼないのが利点です。
ただし、効果は穏やかで、重度のたるみクマには単独での改善は難しい場合が多いといえます。軽度のたるみクマへの予防的ケアや、他の治療との組み合わせとして活用されることが多いでしょう。
- 経結膜脱脂術:脂肪を根本から除去したい方向き
- ヒアルロン酸注入:くぼみの改善に即効性を求める方向き
- 高周波・レーザー:ダウンタイムを避けたい方向き
- 糸リフト:軽〜中等度のたるみにメスを使わず対処したい方向き
糸リフトのカウンセリング前に準備しておきたいこと
満足度の高い治療を受けるためには、カウンセリングの段階でしっかりと情報を整理し、医師に伝えるべきことを準備しておくと、話がスムーズに進みます。
自分のたるみクマのタイプを把握しておく
鏡の前で上を向いたときに影が薄くなるか、皮膚を軽く引っ張ったときに色味が変わるかなどを確認してみてください。たるみ型であれば影が薄くなり、色素沈着型であれば色味はほとんど変わらないでしょう。
カウンセリングで医師に伝えたいポイント
| 確認項目 | 伝える内容 |
|---|---|
| クマの悩みの期間 | いつ頃から気になり始めたか |
| 過去の美容施術歴 | フィラーやレーザーの経験 |
| アレルギー・持病 | 服用中の薬を含めて |
| 希望するダウンタイム | 仕事や予定を考慮した期間 |
| 予算の目安 | 無理のない範囲を正直に |
複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較する
1つのクリニックだけで判断するのではなく、2〜3か所のクリニックでカウンセリングを受けて比較することをおすすめします。医師によって治療方針や使用する糸の種類が異なるため、複数の意見を聞くことでより納得のいく選択ができるはずです。
費用だけでなく、医師の説明の丁寧さやリスクへの向き合い方も判断材料にしてください。「必ず良くなります」と断言する医師よりも、限界やリスクについても正直に話してくれる医師のほうが信頼できる場合が多いでしょう。
施術後のケアとフォローアップ体制も確認する
糸リフトの効果を長持ちさせるためには、施術後のケアも重要です。洗顔やメイクの再開時期、就寝時の注意点、術後の経過観察のスケジュールなどを事前に確認しておくと、施術後の不安を減らせます。
万が一のトラブル時にすぐ対応してもらえる体制が整っているかどうかも、クリニック選びの大切な基準となります。
よくある質問
- 目の下のたるみクマに対する糸リフトの施術は何歳から受けられますか?
-
糸リフトに法律上の年齢制限はありませんが、目の下のたるみクマへの施術は、一般的に皮膚の老化が始まる20代後半以降に検討されることが多いです。30代・40代はたるみクマが目立ち始める年代であり、皮膚にハリが残っている分、糸リフトの効果を得やすいといわれています。
ただし、年齢だけでなく、たるみの程度や脂肪の突出量、皮膚の状態などを総合的に評価した上で判断する必要があります。まずは専門の医師に相談して、ご自身の状態に合った治療かどうかを確認してみてください。
- 糸リフトで目の下のたるみクマを治療した場合、効果はどのくらい続きますか?
-
使用する糸の素材や個人の体質によって差がありますが、PDO糸の場合は6か月〜1年程度が目安です。PLLA糸やPCL糸であれば、1年〜2年程度の持続が期待できるとされています。
効果が薄れてきたと感じた場合は、再施術を検討することも可能です。ただし、糸リフトの効果を維持するために頻繁に繰り返すことが妥当かどうかは、担当の医師とよく相談してください。
- 目の下への糸リフトと経結膜脱脂術を同時に受けることは可能ですか?
-
医師の判断によっては、経結膜脱脂術で余分な脂肪を除去したあとに、糸リフトでたるんだ組織を引き上げるという組み合わせ治療を行う場合があります。脂肪の突出がある程度ある方で、なおかつ皮膚のたるみも気になる方には、複合的なアプローチが有効なこともあるでしょう。
同時施術の可否や順序については、術前の診察で目の下の解剖学的な状態を詳しく評価してもらった上で決めることが大切です。
- 糸リフトを目の下に施術した後、日常生活で特に気をつけることはありますか?
-
施術後1〜2週間は、施術部位を強くこすったり、うつぶせで寝たりすることを避けてください。激しい運動やサウナなど、血行を大幅に促進する行為も内出血や腫れを悪化させる原因になりかねません。
洗顔やメイクは翌日から可能な場合が多いですが、目の周りは優しく触れる程度に留めるのが無難です。施術後に気になる症状が出た場合は、自己判断せず、速やかに施術を受けたクリニックに連絡するようにしてください。
- 男性でも目の下のたるみクマに糸リフトを受ける方はいますか?
-
もちろんいらっしゃいます。近年は男性の美容意識が高まっており、目の下のたるみクマを気にして糸リフトを希望される男性も増えています。性別による施術内容の大きな違いはありませんが、男性は女性に比べて皮膚がやや厚い傾向があるため、糸の種類や本数を調整する場合があります。
ビジネスシーンで疲れた印象を与えたくないという動機で来院される方も多いです。性別を問わず、たるみクマにお悩みの方は気軽にカウンセリングを受けてみてください。
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