糸リフトの持続期間と効果の限界|何回やれば定着する?
糸リフトの持続期間は、使用する糸の素材によって6か月から1年半程度が一般的な目安です。「何回やれば定着するのか」という疑問をお持ちの方は多いでしょう。
結論から申し上げると、糸リフトは繰り返し施術を受けても永続的に定着する治療ではありません。ただし、複数回の施術を重ねることでコラーゲンの生成が促され、たるみの進行を穏やかにする効果は期待できます。
この記事では、糸リフトの持続期間や回数ごとの効果、費用感、副作用まで、20年以上の診療経験をもとに率直にお伝えします。
糸リフトの持続期間は素材ごとに6か月〜1年半が目安
糸リフトの効果がどれくらい続くかは、使用する糸の素材によって大きく異なります。一般的には6か月から1年半程度が持続期間の目安であり、永続的な効果を保証する施術ではありません。
PDO糸は半年で体内に吸収されるが、コラーゲン効果は残る
PDO(ポリジオキサノン)は、外科手術でも長年使われてきた吸収性の糸です。体内に挿入された後、約6か月で加水分解によって吸収されます。
ただし、糸が溶けたからといってすぐに効果がゼロになるわけではありません。糸の周囲にコラーゲンが生成されるため、皮膚のハリや引き締め感はしばらく持続するでしょう。
とはいえ、その持続も限定的です。多くの場合、施術から1年を過ぎた頃にはリフトアップ効果はほとんど失われてしまいます。
PLLA・PCL素材を選べば持続期間はもう少し長くなる
PDO以外にも、PLLA(ポリ乳酸)やPCL(ポリカプロラクトン)を素材とした糸が使われることがあります。これらは体内での吸収速度がPDOより遅く、12か月から18か月程度の持続が見込まれます。
素材ごとに引き上げ力や組織への刺激の強さが異なるため、たるみの程度や施術部位によって適した糸は変わります。どの素材が合うかは、担当医と相談して決めるのが賢明です。
糸リフトの素材別持続期間
| 糸の素材 | 吸収期間 | 持続期間の目安 |
|---|---|---|
| PDO | 約6か月 | 6か月〜1年 |
| PLLA | 約12〜18か月 | 1年〜1年半 |
| PCL | 約18〜24か月 | 1年〜2年 |
「効果が永久に続く」という説明には注意してほしい
カウンセリングの場で「半永久的に持ちます」と説明するクリニックがあるかもしれません。しかし、吸収性の糸を使う限り、物理的なリフト効果は必ず減衰します。
「永久に持つ」という表現は医学的に正確とはいえず、そのような説明をされた場合は慎重に検討したほうがよいでしょう。信頼できる医師は、効果の限界についても正直に伝えてくれるものです。
糸リフトを何回繰り返せば効果は定着するのか?
「何回施術を受ければ効果が定着しますか」というご質問は非常に多いのですが、医学的には糸リフトの効果が永続的に定着することはありません。ただし、回数を重ねるメリットは確かに存在します。
1回目の施術だけでは物足りなさを感じる人も多い
初回の施術では、引き上げの幅が控えめになる場合があります。医師も初回は様子を見ながら慎重に糸の本数や角度を調整するため、劇的な変化を感じにくいことがあるかもしれません。
臨床研究においても、PDO糸の本数を増やしたからといって比例的にリフト効果が高まるわけではないことが報告されています。多く入れればよいというものではなく、適切な配置が求められます。
2〜3回の施術を重ねると満足度は上がりやすい
2回目以降の施術では、前回の施術で生成されたコラーゲンの土台があるため、持続感を実感しやすくなります。半年から1年おきに施術を繰り返すことで、たるみの進行をゆるやかに抑えられるでしょう。
患者さんの満足度は、複数回の施術を経験された方のほうが高い傾向にあります。1回で判断するのではなく、2〜3回のサイクルで考えていただくと計画が立てやすいかもしれません。
医学的には「完全な定着」は期待できない
コラーゲンが蓄積されることで肌の質感は改善しますが、リフトアップの効果そのものは糸の張力に依存しています。糸が吸収された後もリフト効果がずっと続くとは考えにくいのが実情です。
「定着」という言葉を使うなら、それは肌質の改善という文脈に限定されます。重力に逆らい続ける物理的なリフト効果は、どの素材であっても時間とともに薄れてしまいます。
施術回数ごとの効果と満足度の傾向
| 施術回数 | 効果の実感 | 満足度の傾向 |
|---|---|---|
| 1回目 | 変化を感じにくい場合あり | やや低い |
| 2回目 | コラーゲンの蓄積で持続感が向上 | 中程度 |
| 3回目以降 | たるみの進行抑制を実感 | 高い傾向 |
糸リフトの効果が薄れるタイミングと再施術の判断基準
施術後の効果は永遠ではなく、時間の経過とともに徐々に薄れていきます。効果のピークを知り、再施術のタイミングを把握しておくことは、計画的な治療を続けるうえで大切です。
施術後3か月頃が効果のピークになりやすい
糸リフトは施術直後から引き上げ効果を実感できますが、術後の腫れが引き、コラーゲン生成が進む3か月後あたりに仕上がりのピークを迎える方が多い印象です。
この時期は肌のハリも出て、顔全体の印象がすっきりします。鏡を見て「やってよかった」と感じる方が増えるタイミングでもあります。
半年を過ぎたら再施術を検討するタイミング
PDO糸の場合、施術から6か月を過ぎると糸の分解が進み、引き上げ力は低下し始めます。「少し戻ってきたかな」と感じたら、担当医に相談するのがよいでしょう。
再施術の間隔は個人差がありますが、半年から1年のサイクルで通われる方が多い傾向にあります。たるみが完全に戻る前に手を打つほうが、効率的に効果を維持できるといえます。
- PDO糸の再施術目安は6か月〜1年後
- PLLA・PCL糸は1年〜1年半後が再施術の目安
- 効果が完全に消失してからより、少し残っている段階での施術が効率的
- 加齢によるたるみの進行速度にも個人差がある
ヒアルロン酸やHIFUとの併用で持続力を高める方法もある
糸リフト単独で効果の持続を追い求めるのではなく、ヒアルロン酸注入やHIFU(高密度焦点式超音波)といった他の施術と組み合わせるアプローチも有効です。
ヒアルロン酸で失われたボリュームを補い、HIFUで皮膚の深層を引き締めることで、糸リフトの効果をより長く維持しやすくなります。複合的なアプローチは世界的にも注目されている方法です。
糸リフトに向いている人・効果を実感しにくい人の違い
糸リフトはすべての方に同じ効果をもたらすわけではありません。たるみの程度や年齢、肌の状態によって満足度は変わります。ご自身がどちらに該当するか、事前に知っておくと冷静に判断できるでしょう。
たるみが軽度〜中程度の方は満足度が高い
糸リフトが得意とするのは、軽度から中程度のたるみです。フェイスラインのもたつきや、ほうれい線の浅い溝が気になり始めた段階であれば、自然な仕上がりが期待できます。
40代前半から50代前半にかけて、「本格的なたるみになる前に手を打ちたい」と考える方には適した施術でしょう。ダウンタイムが短く、日常生活への影響も少ない点は大きな利点です。
50代以降は皮膚の状態によって結果が変わる
年齢が上がるにつれて、皮膚のコラーゲン量が減り、弾力が低下します。そのため、50代以降の方は同じ施術でも効果の持続が短くなったり、期待ほどのリフト感を得にくかったりする場合があります。
大規模な調査でも、50歳以上の方は合併症のリスクがやや高まり、長期的な満足度が低くなる傾向が示されています。だからこそ、年齢に応じた現実的な期待値の設定が求められるのです。
糸リフトの限界を踏まえたうえで選択してほしい
糸リフトは外科的なフェイスリフトの代替ではなく、あくまで補助的・予防的な位置にある施術です。重度のたるみに対しては、糸だけで満足のいく結果を出すのは難しいでしょう。
過度な期待を抱いて施術を受けると、「思ったほど効果がなかった」という不満につながりかねません。施術前のカウンセリングで、自分のたるみの程度に糸リフトが合っているか、率直に確認してみてください。
たるみの程度別に見た糸リフトの適性
| たるみの程度 | 糸リフトの適性 | 補足 |
|---|---|---|
| 軽度 | 適している | 自然な仕上がりが得やすい |
| 中程度 | 条件次第で有効 | 併用施術で効果を高められる |
| 重度 | 効果は限定的 | 外科的リフトの検討も必要 |
糸リフトの副作用とダウンタイムはどのくらい続くのか?
糸リフトは比較的安全性の高い施術ですが、副作用やダウンタイムがまったくないわけではありません。術後に起こりうる症状を事前に把握しておけば、過度な不安を感じずに済みます。
腫れやむくみは1〜2週間程度で落ち着く
施術直後は針の刺入部位を中心に、腫れやむくみ、内出血が生じることがあります。メタアナリシスの報告によると、腫れは全体の約35%に見られるもっとも頻度の高い副作用ですが、大半は1〜2週間で自然に治まります。
内出血は化粧でカバーできる程度であることが多く、施術翌日から通常の生活に戻れるケースがほとんどです。「ダウンタイムが短い」という糸リフトの利点は、こうした実態に裏付けられたものといえます。
引きつれ・凹み・左右差が出た場合の対処法
施術後に、笑ったときの引きつれ感や皮膚の凹み、左右非対称を感じる方がいらっしゃいます。引きつれは糸の張力が強すぎる場合に起こりやすく、時間の経過とともに馴染むことが多いでしょう。
凹みや皮膚のディンプリング(えくぼ状のくぼみ)は、糸の挿入深度や角度に原因があります。通常は数週間で改善しますが、気になる場合は早めに担当医に相談してください。
糸リフトの主な副作用と発生頻度
| 副作用 | 発生頻度 | 回復目安 |
|---|---|---|
| 腫れ・むくみ | 約35% | 1〜2週間 |
| 内出血 | 約10〜20% | 1〜2週間 |
| 皮膚の凹み | 約10% | 2〜4週間 |
| 感染 | 約2% | 抗菌薬で対応 |
感染や糸の露出はまれだが放置は禁物
感染症や糸の露出(糸が皮膚の外に出てしまう現象)は、発生頻度は低いものの報告されています。システマティックレビューでは、感染の発生率は約2%と報告されており、適切な無菌操作で多くは予防できます。
万が一、施術部位に強い赤みや熱感、膿が出た場合は、すぐにクリニックへ連絡してください。早期に対処すれば深刻な問題に至ることはまずありません。
糸リフトの費用相場と繰り返し施術にかかるコスト感覚
糸リフトは自由診療のため、クリニックによって価格に幅があります。繰り返しの施術が前提となる治療だからこそ、1回あたりの費用だけでなく、トータルのコストも見据えて計画を立てたいところです。
1回あたり10万〜30万円前後が一般的な価格帯
糸リフトの費用は、使用する糸の本数や素材、施術範囲によって変わります。一般的には1回あたり10万円から30万円前後が相場です。糸の本数が多いほど費用は上がる傾向にあります。
高額だからといって効果が高いとは限りません。価格の内訳やアフターケアの有無を確認し、総合的に判断することが大切でしょう。
繰り返し施術で割引を設けているクリニックもある
2回目以降の施術に対して、メンテナンス価格を設定しているクリニックもあります。初回は通常料金でも、リピーターには10〜20%程度の割引が適用されるケースがあるようです。
初回のカウンセリング時に、継続施術の費用体系について確認しておくと、長期的な資金計画を立てやすくなります。
費用対効果を踏まえた無理のない計画が大切
1年に1〜2回の施術を3年間続けるとすると、トータルでは30万円から100万円以上の費用がかかる可能性もあります。外科的フェイスリフトとの比較で考えると、一概にどちらが安いとはいえません。
無理のない予算の範囲で、自分が納得できる頻度と施術内容を選ぶことが、後悔しない治療につながります。「とりあえず安いところ」ではなく、信頼できる医師のもとで計画的に受けてほしいと願っています。
- PDO糸は比較的安価で1回あたり10万〜20万円程度
- PLLA・PCL糸は持続が長い分、1回あたり20万〜35万円程度になることが多い
- 2回目以降の割引制度があるクリニックを選ぶと長期的にはお得
- 外科的フェイスリフトとのコスト比較も検討材料に含めるとよい
糸リフトで後悔しないための医師・クリニック選び
糸リフトの満足度は、医師の技術とクリニックの体制によって大きく左右されます。施術そのものの良し悪しは、糸の素材以上に「誰が施術するか」で決まるといっても過言ではないでしょう。
症例実績が豊富な医師を選ぶと安心感が違う
糸リフトは、糸の挿入角度や深度、本数の配分といった細かなテクニックが仕上がりに直結します。経験の浅い医師が施術すると、左右差や不自然な引きつれが生じるリスクが高まります。
症例写真を公開しているクリニックや、学会発表の実績がある医師を選ぶことで、技術面での安心感は格段に増すはずです。
医師・クリニック選びの確認ポイント
| 確認項目 | チェック内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 症例実績 | 糸リフトの症例数・写真の有無 | 加工写真に注意 |
| カウンセリング | リスク説明の丁寧さ | メリットだけ強調する医師は避ける |
| アフターケア | 術後の検診・修正対応 | 追加費用の有無も確認 |
カウンセリングで持続期間と限界をきちんと説明してくれるか
よい医師は、施術のメリットだけでなくデメリットや限界についても正直に話してくれます。「何回やれば定着しますか?」という質問に対して、安易に「3回で定着します」と断言する医師には注意が必要です。
「効果には個人差がある」「永続的な定着は難しい」と誠実に伝えたうえで、それでも受けるメリットがあるかどうかを一緒に考えてくれる医師こそ、信頼に値するといえます。
アフターフォローが充実しているクリニックを選ぼう
施術後に違和感や不安を感じたとき、すぐに相談できる環境があるかどうかは重要な判断材料です。術後の経過観察や修正対応を無料で行っているクリニックもありますので、契約前に確認しておきましょう。
アフターフォローが手厚いクリニックは、施術の質に自信を持っている証拠でもあります。「やって終わり」ではなく、長く付き合える医師を見つけることが、糸リフトで後悔しないための一番の近道です。
よくある質問
- 糸リフトの施術後、効果が完全になくなるまでの一般的な期間はどのくらいですか?
-
糸リフトの効果が完全に消失するまでの期間は、使用する糸の素材や個人の肌の状態によって異なります。PDO糸の場合は6か月から1年程度、PLLA糸やPCL糸であれば1年から2年程度が目安です。
糸が体内で吸収された後も、コラーゲンの生成によって肌のハリが多少残ることはありますが、リフトアップ効果そのものは時間とともに薄れていきます。効果が薄れ始めたと感じた段階で、担当医に再施術について相談されることをおすすめします。
- 糸リフトは一度の施術だけで十分な引き上げ効果を得られますか?
-
1回の施術でも引き上げ効果を実感できる方は多いですが、「十分かどうか」はたるみの程度や期待する仕上がりによって異なります。軽度のたるみであれば1回で満足される方もいらっしゃいます。
一方、中程度以上のたるみがある場合や、より長期的な効果を望む場合には、半年から1年の間隔で2〜3回の施術を繰り返すほうが満足度は高まりやすいでしょう。医師と相談のうえ、ご自身に合った施術計画を立ててみてください。
- 糸リフトで使う糸の素材によって、副作用のリスクは変わりますか?
-
糸の素材によって副作用の出やすさには違いがあります。PCL糸はPDO糸に比べて腫れや内出血がやや多く報告される傾向にあり、バーブ付き(とげ付き)の糸はスムースタイプの糸より合併症率がやや高いとされています。
ただし、いずれの素材でも重篤な合併症の発生率は低く、適切な技術と衛生管理のもとで施術を受ければ過度に心配する必要はありません。素材ごとのメリットとリスクを担当医から説明を受けたうえで、納得できるものを選んでください。
- 糸リフトの施術を受けた後、日常生活で気をつけるべきことはありますか?
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施術後1〜2週間は、激しい運動やサウナ、長時間の入浴など、血行を過度に促進する行為は控えてください。施術部位への強い圧迫やマッサージも、糸がずれる原因になるため避けたほうが安心です。
就寝時はできるだけ仰向けで寝ることをおすすめします。横向きやうつ伏せの姿勢は施術部位に負荷がかかり、仕上がりに影響を及ぼす可能性があるためです。日常的な洗顔やメイクは翌日から可能ですが、強くこすらないよう注意してください。
- 糸リフトは目の下のたるみやクマの改善にも効果がありますか?
-
糸リフトが主に対象とするのは、頬やフェイスライン、ほうれい線周辺のたるみです。目の下の皮膚は非常に薄くデリケートなため、糸リフト単独で目の下のたるみやクマを十分に改善することは難しいでしょう。
目の下のクマ取りには、経結膜脱脂術(まぶたの裏側から脂肪を除去する手術)やヒアルロン酸注入など、目元に特化した施術のほうが適しています。
糸リフトと目元の施術を組み合わせることで、顔全体の若返りを図るアプローチもありますので、医師にご相談ください。
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