糸リフトの種類と特徴|VOVリフト・ミントリフトの違い

糸リフトは、メスを使わずに顔のたるみを改善できる美容医療として多くの方に選ばれています。

なかでもVOVリフトとミントリフトは代表的な施術ですが、使われる糸の素材や持続期間、リフトアップの仕組みに違いがあります。どちらが自分の肌悩みに合っているのか迷う方は少なくありません。

この記事では、糸リフトの種類ごとの特徴と、VOVリフト・ミントリフトの違いを医学的な根拠にもとづいてわかりやすく解説します。施術を検討中の方が納得して選べるよう、素材の比較からダウンタイム、クリニック選びまで幅広くお伝えしていきます。

目次

糸リフトとは?メスを使わず顔のたるみを引き上げる美容医療

糸リフトは、医療用の特殊な糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や脂肪を物理的に引き上げる施術です。切開を伴うフェイスリフト手術と比べて身体への負担が少なく、施術時間も短い傾向にあります。

糸リフトが選ばれている背景

年齢を重ねると、頬やフェイスラインのたるみが目立ちやすくなります。従来のフェイスリフト手術は効果が大きい反面、ダウンタイムが長く、傷跡が残るリスクもありました。

糸リフトはそうした不安を軽減できる選択肢として注目されています。局所麻酔で行え、施術当日に帰宅できるケースがほとんどでしょう。加齢によるたるみだけでなく、小顔効果やフェイスラインの引き締めを目的に受ける方も増えています。

糸リフトで期待できる効果

糸に付いた「コグ」と呼ばれる突起が皮下組織に引っかかり、たるんだ組織を上方向へ持ち上げます。さらに、糸が体内に存在する期間中にコラーゲンの生成が促され、肌のハリや弾力が高まるとされています。

糸リフトの主な施術部位と対応するたるみ

施術部位改善が期待できるたるみ
頬・中顔面ほうれい線・ゴルゴライン
フェイスラインマリオネットライン・二重あご
こめかみ・額眉下がり・額のしわ

糸リフトが向いている方・向いていない方

軽度から中等度のたるみがある方に適しており、切開手術に抵抗がある方にも受け入れられやすい施術です。一方で、重度のたるみや大幅な皮膚のあまりがある場合は、糸リフト単独では十分な効果を得にくいかもしれません。

担当医と相談のうえ、自分の状態にあった治療法を選ぶことが大切です。

糸リフトに使われる糸の素材と吸収性による分類

糸リフトの仕上がりや持続期間を左右する大きな要因は、使用する糸の素材です。現在主流となっている吸収性の糸には、PDO・PLLA・PCLという3種類の素材があり、それぞれ体内での分解速度やコラーゲン産生への影響が異なります。

PDO(ポリジオキサノン)の特徴

PDOは外科手術の縫合糸としても長年使われてきた素材で、体内でおよそ6〜8か月かけて吸収されます。比較的柔軟で組織になじみやすく、挿入時の痛みが少ない傾向があります。

吸収される過程で周囲の組織にコラーゲンの生成を促す作用が認められており、リフトアップと肌質改善の両方を期待できるでしょう。

PLLA(ポリ乳酸)の特徴

PLLAは生体適合性に優れた素材で、体内での吸収期間はおよそ12〜18か月とPDOより長めです。吸収の過程で強いコラーゲン誘導が起こるため、リフト効果が失われた後も肌のハリが維持されやすいといわれています。

ただし、PDOに比べて糸のしなやかさがやや劣る場合もあり、施術部位によって使い分ける医師が多い傾向です。

PCL(ポリカプロラクトン)の特徴

PCLは3種類のなかで吸収期間がもっとも長く、およそ24〜36か月にわたって体内にとどまります。長期間にわたりリフトアップ効果を維持しやすい素材といえるでしょう。

柔軟性が高く、組織に対する刺激が穏やかな点も特徴のひとつです。VOVリフトに採用されている素材がまさにこのPCLにあたります。

糸リフトに使われる3種類の吸収性素材比較

素材吸収期間の目安主な製品例
PDO約6〜8か月ミントリフト
PLLA約12〜18か月シルエットソフト
PCL約24〜36か月VOVリフト

VOVリフトはPCL素材で長期持続が魅力|効果が続く糸リフトの代表格

VOVリフトは、PCL(ポリカプロラクトン)素材の糸を使った施術で、吸収までの期間が長く、それにともなうリフトアップ効果の持続性が評価されています。効果の持ちを重視する方から支持を集めている施術です。

VOVリフトに採用されているPCL糸の構造

VOVリフトで使用する糸には、双方向にコグ(棘状の突起)が配置されています。このコグが皮下組織にしっかりと固定されるため、挿入直後からリフトアップ効果を実感しやすいのが特徴です。

PCL素材の柔軟性のおかげで、顔の曲面に沿ってなめらかにフィットし、不自然なひきつれが起きにくいとされています。コグの間隔や角度は製品によって異なり、引き上げたい部位や方向に合わせて医師が適切なタイプを選定します。

VOVリフトの持続期間とコラーゲン産生への影響

PCL糸は体内で24〜36か月かけてゆっくりと吸収されます。その間、糸の周囲ではコラーゲンの生成が持続的に促されるため、糸が吸収されたあとも一定のハリが残りやすいといえます。

VOVリフトの効果を左右する要素

要素影響
糸の本数多いほどリフト力が増す傾向
挿入する層SMAS層付近が推奨される
術後のケア圧迫や刺激を避けることが重要

VOVリフトに適しているたるみの程度

軽度から中等度のたるみに適しており、とくに頬やフェイスラインの引き上げを求める方に向いています。重度のたるみには糸リフト単独では限界がある場合もあるため、ヒアルロン酸注入やHIFU(ハイフ)との組み合わせを検討するケースもあるでしょう。

ミントリフトはPDO素材で自然な仕上がり|初めての糸リフトにも選ばれやすい

ミントリフトは、PDO(ポリジオキサノン)素材の糸を使用した施術です。PDOは医療分野で長い実績を持つ素材であり、安全性に関するデータが豊富に蓄積されています。自然な仕上がりを求める方や、糸リフトが初めての方にも選ばれやすい施術といえるでしょう。

ミントリフトのPDO糸が持つ柔軟性

PDO素材はしなやかで組織になじみやすいため、挿入後に肌表面から糸が透けたり、不自然な凹凸が生じたりするリスクが比較的低めです。表情を動かしたときにもひきつれが目立ちにくく、自然な見た目を保てます。

ミントリフトの効果持続期間

PDO糸は体内でおよそ6〜8か月で吸収されます。糸そのもののリフト効果は吸収とともに薄れていきますが、糸の周囲に新しく生成されたコラーゲンが土台となり、吸収後もしばらくはハリ感が続きます。

VOVリフトと比べると持続期間は短めですが、そのぶん初回の施術として試しやすく、万が一仕上がりに満足できなかった場合も糸が早期に吸収されるという安心感があります。

ミントリフトのダウンタイムと施術後の経過

腫れや内出血は比較的軽く、施術翌日から日常生活に復帰する方が多い傾向です。痛みも局所麻酔で十分にコントロールでき、施術中の不快感を感じにくいでしょう。

施術後1〜2週間程度は口を大きく開けたり、激しい運動をしたりすることは控える必要があります。

  • 施術時間はおよそ30〜60分が一般的
  • 腫れのピークは術後2〜3日程度で落ち着くことが多い
  • 洗顔やメイクは翌日から可能な場合がほとんど

VOVリフトとミントリフトを徹底比較|あなたに合うのはどちら?

VOVリフトとミントリフトは、どちらも吸収性の糸を使って顔のたるみを改善する施術ですが、素材の違いによって持続期間や仕上がりの質感に差が出ます。ここからは両者を具体的な項目で比較していきます。

素材と持続期間の違い

VOVリフトに使われるPCL糸は約24〜36か月、ミントリフトに使われるPDO糸は約6〜8か月で吸収されます。長期間の効果を求める方にはVOVリフト、まずは短い期間で糸リフトを試してみたい方にはミントリフトが合いやすいでしょう。

リフト力と仕上がりの違い

PCL糸はコグの保持力が長く続くため、VOVリフトのほうがリフトアップ効果の持続という点では優位です。一方、PDO糸の柔軟性を活かしたミントリフトは、表情筋の動きに追従しやすく、自然な仕上がりを重視する方に好まれます。

VOVリフトとミントリフトの比較表

比較項目VOVリフトミントリフト
糸の素材PCLPDO
吸収期間約24〜36か月約6〜8か月
リフト持続長い比較的短い
仕上がりしっかりした引き上げ自然でソフト
向いている方持続性を重視する方初めて試す方

費用面での違い

一般的に、VOVリフトはPCL素材のコストが反映されるため、ミントリフトよりも施術費用が高くなる傾向があります。ただし、持続期間の長さを考慮すると、長い目で見たコストパフォーマンスは一概にどちらが良いとは断言できません。

施術を受ける回数や追加施術の有無によってもトータルの費用は変わってきます。カウンセリングの際に、担当医へ具体的な見積もりを確認しておくと安心でしょう。

糸リフトの施術前後で押さえておきたい注意点とダウンタイム

糸リフトは身体への負担が比較的少ない施術ですが、術前の準備と術後のケアを怠ると仕上がりに影響が出る場合があります。施術を検討されている方は、事前に注意点を確認しておきましょう。

施術前に避けるべきこと

血液をサラサラにする薬やサプリメント(アスピリン、ビタミンEなど)を服用している場合は、施術の1〜2週間前から中止を指示されることがあります。飲酒も施術前日から控えるのが望ましいでしょう。

カウンセリングでは、現在の服薬状況やアレルギーの有無を正確に伝えてください。

術後のダウンタイムと回復までの目安

一般的に、腫れや内出血は1〜2週間で落ち着きます。施術直後は引きつれ感やつっぱり感を覚えるときがありますが、多くの場合は数日で和らぎます。

仕上がりが安定するまでには約1か月を見ておくとよいでしょう。施術後2〜3週間は、顔のマッサージやうつ伏せ寝を避けることが推奨されます。

糸リフトで起こりうるリスクと副作用

施術後に痛み、腫れ、内出血が生じる可能性があります。まれに、糸の挿入部位にしこりや凹凸が残ったり、左右差が出たりするケースも報告されています。

感染症のリスクもゼロではないため、施術後に強い痛みや発赤が続く場合はすぐに担当医へ連絡することが重要です。

ダウンタイムの経過目安

術後の時期経過の目安
当日〜3日腫れ・内出血のピーク
1〜2週間腫れが引き始め、メイクで隠せる程度に
1か月後仕上がりが安定してくる

糸リフトで後悔しないクリニック選びと施術前の確認事項

糸リフトの効果や安全性は、施術を行う医師の技術とクリニックの体制によって大きく左右されます。後悔のない選択をするためにも、クリニック選びのポイントを押さえておきましょう。

症例数と医師の実績を確認する

  • 糸リフトの施術実績が豊富な医師かどうか
  • VOVリフトやミントリフトなど複数の糸に対応しているか
  • 公式サイトに医師の経歴や資格が明記されているか

カウンセリングで確認すべきポイント

使用する糸の種類と本数、費用の内訳、想定されるダウンタイム、リスクの説明が十分に行われているかを確認してください。質問に対して丁寧に回答してくれるかどうかも、クリニック選びの判断材料になります。

また、施術後のフォロー体制が整っているかも重要です。万が一トラブルが起きたときに対応してもらえるかどうか、事前に確認しておくと安心でしょう。

費用だけで判断しないことが大切

極端に低価格な施術を提示するクリニックには注意が必要です。使用する糸の品質、医師の技術料、アフターフォローの内容が価格に反映されているかを見極めてください。

複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較検討すると、自分に合った施術プランを見つけやすくなります。焦って契約せず、十分に納得してから施術に臨む姿勢が後悔を防ぐ一番の方法です。

よくある質問

VOVリフトの効果はどのくらいの期間持続しますか?

VOVリフトに使用されるPCL素材の糸は、体内でおよそ24〜36か月かけて吸収されます。糸が存在する期間中はリフトアップ効果が持続し、吸収される過程でコラーゲンの生成も促されます。

そのため、糸が完全に吸収されたあとも、新しく作られたコラーゲンによって一定のハリ感が維持されるケースが多いです。ただし、効果の感じ方には個人差がありますので、担当医と相談しながら経過を見ていくことをおすすめします。

ミントリフトは痛みが少ないというのは本当ですか?

ミントリフトに使われるPDO素材の糸は柔軟性が高く、組織への刺激が穏やかです。施術中は局所麻酔を使用するため、挿入時の痛みはほとんど感じないという方が多くいらっしゃいます。

術後に軽いつっぱり感や鈍い痛みを感じることはありますが、一般的に数日で落ち着きます。痛みへの不安が強い方は、カウンセリング時に医師へ伝えておくと、麻酔の量や範囲を調整してもらえるでしょう。

糸リフトの施術を受けた後、いつからメイクができますか?

多くのクリニックでは、糸リフトの施術翌日からメイクを許可しています。ただし、針の挿入部位は小さな傷になっているため、その部分を強くこすったり、濃いファンデーションで覆ったりすることは避けてください。

洗顔も翌日から可能ですが、ゴシゴシと擦るのではなく、やさしく泡で包み込むように洗うのがよいでしょう。施術部位への刺激を減らすと、回復がスムーズに進みます。

VOVリフトとミントリフトは同時に組み合わせて施術できますか?

はい、VOVリフトとミントリフトを組み合わせて施術するケースはあります。たとえば、強いリフトアップが必要な部位にはVOVリフトのPCL糸を使い、繊細な仕上がりを求める部位にはミントリフトのPDO糸を使うという方法です。

ただし、組み合わせが適切かどうかは、たるみの程度や肌の状態によって異なります。カウンセリングで担当医に希望を伝え、個別のプランを提案してもらうのが安心です。

糸リフトで挿入した糸が顔の中で切れることはありますか?

糸リフトに使われる医療用の糸は高い引張強度を持っており、通常の日常生活で糸が切れることはほとんどありません。施術後に適切なケアを行い、過度な力が顔にかからないよう気をつけていれば、大きな心配はないでしょう。

万が一、挿入した部位に違和感やしこりを感じた場合は、自己判断せず施術を受けたクリニックへ早めに相談してください。糸は吸収性素材でできているため、時間の経過とともに体内で自然に分解されていきます。

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この症例の担当医・監修医

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 ポノクリニック東京 院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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