鼻翼基部– category –

鼻翼基部(びよくきぶ)の凹みは、ほうれい線の根元を深く見せ、実年齢以上に老けた印象を生み出す原因のひとつです。小鼻の付け根が沈んでいるだけで、口元に影が落ち、顔全体が平坦に映ってしまいます。

改善の選択肢は、手軽なヒアルロン酸注入から、半永久的な効果を見込める貴族手術(プロテーゼ挿入)まで幅広く用意されています。どの方法が合うかは、凹みの深さ・ダウンタイムの許容度・予算によって異なります。

この記事では、鼻翼基部が凹む原因から各治療法の効果・リスク・費用感までを体系的に解説し、あなたに合った治療選択の手がかりをお届けします。

鼻翼基部が凹む原因は骨格の後退と加齢変化

鼻翼基部の陥没は、上顎骨(じょうがくこつ)の形状と加齢による骨吸収が重なって生じます。東アジア人は欧米人と比べて中顔面の骨格が控えめな傾向があり、20代でも小鼻横の凹みが目立つ方は少なくありません。

上顎骨の骨吸収が鼻の土台を後退させる

鼻翼基部の骨にあたる梨状口(りじょうこう)周囲は、加齢に伴って後方へ吸収されることが研究で示されています。骨が痩せると、その上に乗っている軟部組織ごと沈み込み、小鼻横のくぼみが深くなります。

30代後半から骨吸収が加速しやすく、同時に頬の脂肪パッドも減少するため、鼻翼基部の陥没が一気に目立ちはじめるケースが多いでしょう。遺伝的に上顎骨の前方成長が弱い方は、若年でも凹みが顕著です。

鼻翼基部が凹む背景を骨格・遺伝の両面から詳しくまとめました
鼻翼基部の陥没を招く加齢と遺伝の二大要因

脂肪・靭帯の衰えが陥没をさらに際立たせる

骨だけでなく、鼻翼基部周囲の脂肪組織や靭帯も老化の影響を受けます。中顔面の脂肪は年齢とともに萎縮・下垂し、骨の凹凸がダイレクトに表面へ反映されやすくなるのです。

靭帯やSMAS(表在性筋膜)といった支持組織が緩むと、頬全体が下方へ移動し、鼻翼基部の陥没がいっそう目立つようになります。この複合的な変化を正しく把握することが、治療法を選ぶ出発点になります。

原因特徴好発年齢
骨格(遺伝)上顎骨の前方成長が弱い10代〜
骨吸収(加齢)梨状口周囲の骨が後退30代後半〜
脂肪萎縮中顔面の脂肪パッド減少30代〜

ご自身の凹みがどの程度かを簡単にチェックする方法を解説
鼻翼基部のセルフチェックと治療レベルの目安

鼻翼基部ヒアルロン酸注入で口元の印象が一変する

注射1本、10分から15分の施術で鼻翼基部をふっくらさせ、ほうれい線の起点を浅く見せられるのがヒアルロン酸注入の強みです。メスを使わないため、翌日から日常生活に戻れます。

施術の流れと効果の持続期間

カウンセリングで凹みの深さや左右差を評価したあと、骨膜上の深い層にヒアルロン酸を少量ずつ注入していきます。注入直後から変化を実感でき、1〜2週間で周囲組織に馴染んで仕上がりが完成するでしょう。

効果の持続期間は使用製剤によって異なりますが、おおむね6か月から18か月程度です。ヒアルロン酸は体内で徐々に分解されるため、維持には定期的な追加注入が必要になります。ただし繰り返し注入することで持続期間が延びる傾向もあります。

注入量や施術手順をさらに詳しく知りたい方へ
鼻翼基部ヒアルロン酸注入の基本ガイド

製剤選びで仕上がりに差がつく

鼻翼基部は頬やこめかみと比べて皮下脂肪が薄い部位です。柔らかすぎる製剤では高さが出ず、逆に硬すぎると笑顔で不自然な塊が目立つリスクがあります。

Gプライム(弾性の指標)が高く、かつ組織との親和性に優れた製剤が適しています。ボリューマXCやクレヴィエル・コントアなど、骨上でリフト力を発揮しつつ自然に馴染むタイプを選ぶことで、少量でも十分な変化を得やすくなります。

製剤タイプ硬さ持続目安
ボリューマXC中〜硬め12〜18か月
クレヴィエル硬め12〜24か月
ボラックスXC硬め12〜18か月

費用の目安や追加注入の頻度について解説しています
鼻翼基部ヒアルロン酸の費用と通院ペース

貴族手術(プロテーゼ挿入)で鼻翼基部を半永久的に底上げ

「ヒアルロン酸の定期的な追加注入が負担」「一度で確実に変化を得たい」という方には、シリコンプロテーゼを鼻翼基部に挿入する貴族手術が有力な選択肢となります。体内に吸収されないため、安定した高さを長期間維持できます。

口腔内からのアプローチで傷跡が残らない

上唇の裏側(口腔粘膜)を1〜1.5cmほど切開し、骨膜下を慎重に剥離してプロテーゼを挿入します。顔の表面には一切メスを入れないため、外からは傷跡がわかりません。

プロテーゼは患者一人ひとりの凹みに合わせてミリ単位で削り出すため、顔の輪郭になめらかにフィットします。手術時間は片側15〜20分程度で、溶ける糸で縫合するため抜糸の通院も原則不要です。

プロテーゼとヒアルロン酸、それぞれの長所・短所を比較
貴族手術のプロテーゼとヒアルロン酸を徹底比較

ダウンタイムと術後のケア

術後は3日から1週間ほど口元に腫れや違和感が生じますが、マスク着用で隠せる範囲にとどまることがほとんどです。口腔内の創部は約2週間で安定し、1か月後には通常の食事も問題なくとれるようになるでしょう。

術後1か月間は口元に強い衝撃を与えないよう注意してください。笑ったときの違和感は組織の腫れが引くにつれて解消し、3か月程度で自然な表情が戻ります。

時期経過の目安
術後3日腫れのピーク、マスクで隠せる
1〜2週間腫れが引き始め、普段の食事へ
1か月創部安定、激しい運動も可
3か月プロテーゼが完全に馴染む

鼻翼基部とほうれい線、どちらを先に治療すべきか

ヒアルロン酸と貴族手術はどちらを選ぶべきか

結論から言えば、「まず試してみたい方」にはヒアルロン酸、「一度で長期間の効果を求める方」には貴族手術が向いています。凹みの深さや生活スタイルに応じて使い分けることで、満足度の高い結果を得やすくなるでしょう。

ライフスタイルで選ぶ術式の判断基準

忙しい方や手術に抵抗がある方は、まずヒアルロン酸注入で「鼻翼基部を高くした自分の顔」を体験し、理想のイメージを掴んでから半永久的な手術を検討する、という進め方が堅実です。ヒアルロン酸は万が一イメージと異なっても、ヒアルロニダーゼ(分解酵素)で溶かして元に戻すことが可能です。

一方、年に1回の追加注入を煩わしく感じる方や、深い骨格性の凹みを抱える方には、プロテーゼ挿入の貴族手術が確実な解決策となります。自家組織(肋軟骨や真皮脂肪)を使う術式もあり、人工物に抵抗がある場合の代替手段になるでしょう。

  • 凹みが軽度〜中等度 → ヒアルロン酸注入で十分な改善が見込める
  • 凹みが深い・骨格性 → 貴族手術(プロテーゼまたは自家組織)が有効
  • まず仕上がりを確認したい → ヒアルロン酸でシミュレーション後に判断

ほうれい線と鼻翼基部の両方を治す場合の注入デザインを解説
鼻翼基部とほうれい線を同時に整えるフィラーデザイン

鼻翼基部の治療で失敗を防ぐために知っておきたいこと

鼻翼基部は皮膚が薄く血管が密集している繊細な部位です。注入量のわずかな誤差が見た目に大きく影響するため、解剖学への深い理解と繊細な技術を持つ医師を選ぶことが、何よりの失敗予防策になります。

入れすぎによる不自然さを防ぐコツ

鼻翼基部のヒアルロン酸注入で特に多い失敗が「入れすぎによる不自然な膨らみ」です。ヒアルロン酸は水分を引き寄せる性質があるため、注入直後よりも数日後のほうがボリュームが増して見えます。

初回は「やや物足りない」と感じる程度で仕上げ、1〜2週間後に馴染みを確認してから追加するのが理想的な進め方です。一度に理想を追い求めると過剰注入になりやすく、笑顔のたびに小鼻横が不自然にふくらむ原因となります。

血管塞栓リスクと安全な注入技術

鼻翼基部の近くには角動脈(かくどうみゃく)が走行しており、この血管は眼動脈ともネットワークを形成しています。万が一ヒアルロン酸が動脈内に入ると、血流障害による皮膚壊死や、極めて稀ですが視力障害につながるリスクがあります。

安全性を高めるためには、先端が丸いカニューレ(鈍針)を使用し、低圧でゆっくり注入する手技が推奨されています。もしもの事態に備えてヒアルロニダーゼ(分解酵素)を常備し、緊急時に即座に対応できる体制を整えたクリニックを選ぶと安心です。

不自然な仕上がりを避けるための具体的な回避策をチェック
鼻翼基部ヒアルロン酸の失敗パターンと予防法

リスク原因予防策
不自然な膨らみ過剰注入少量ずつ・段階的に注入
左右差注入量の偏り左右交互に確認しながら調整
血管塞栓動脈への誤注入カニューレ使用・低圧注入

よくある質問

鼻翼基部ヒアルロン酸の注入量は片側どのくらいが目安ですか?

鼻翼基部への注入量は、一般的に片側0.3ccから0.5cc程度を目安にする医師が多い傾向です。凹みの深さや皮膚の厚みは個人差が大きいため、画一的な量ではなく、左右を見比べながら微調整することが仕上がりの自然さを左右します。

注入直後に完璧を求めず、1〜2週間後の馴染みを待ってから追加するかどうかを判断するのが安全な進め方です。焦らず段階的に整えることで、過剰注入による不自然さを防げます。

貴族手術のプロテーゼがずれてしまう心配はありませんか?

骨膜下という深い層にプロテーゼを挿入し、周囲の組織で固定されるため、日常生活でずれることはほとんどありません。術後1か月以内に口元へ強い衝撃が加わった場合は位置がずれる可能性がありますが、その時期を過ぎれば安定します。

万が一プロテーゼの位置に違和感を感じた場合でも、再手術で修正が可能です。抜去も比較的容易であるため、将来的に元に戻したいという希望にも対応できます。

鼻翼基部のヒアルロン酸注入に痛みはどの程度ありますか?

多くのヒアルロン酸製剤には局所麻酔成分(リドカイン)が含まれているため、注入中の痛みをかなり軽減できます。施術前に麻酔クリームを塗布したり、眼窩下神経ブロックを行ったりすることで、さらに痛みを抑えることが可能です。

針を刺す瞬間にチクッとした感覚がありますが、耐えられないほどの痛みではありません。痛みに敏感な方には笑気麻酔を併用するクリニックもありますので、カウンセリング時にご相談ください。

鼻翼基部の治療でほうれい線も同時に改善できますか?

鼻翼基部を持ち上げると、ほうれい線の起点(上端)にあたる影が浅くなるため、ほうれい線全体の印象が改善するケースは多くあります。ただし、ほうれい線の原因は鼻翼基部の凹みだけでなく、頬の脂肪の下垂や皮膚のたるみも関係しています。

深いほうれい線に対しては、鼻翼基部の治療に加えてほうれい線そのものへの注入やリフト治療を組み合わせることで、より満足度の高い結果が期待できます。どの治療を優先すべきかは、医師による診察で判断してもらうとよいでしょう。

鼻翼基部の凹みはセルフケアやマッサージで改善できますか?

鼻翼基部の凹みは骨格や脂肪・靭帯の構造的な変化に起因するため、マッサージやスキンケアでの改善は残念ながら期待しにくいといえます。メイクでハイライトを入れて影を飛ばすテクニックはありますが、根本的な解決にはなりません。

構造的な陥没を改善するには、ヒアルロン酸や貴族手術などの医療的なアプローチが必要です。凹みが気になり始めた段階で早めに相談することで、軽度のうちに少ない注入量で済む可能性があります。

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