顔の柱である支持靭帯を強化しリフトアップを叶える治療法

顔の柱である支持靭帯を強化しリフトアップを叶える治療法

顔のたるみやシワの根本原因は皮膚表面だけでなく、その奥深くにある「支持靭帯」の衰えにあります。建物の柱のように皮膚と骨をつなぎ止めるこの組織を強化することが、自然で持続的なリフトアップを実現する鍵となります。

本記事では解剖学的な根拠に基づき、支持靭帯を立て直すための具体的な治療法や選択の基準について詳しく解説します。表面的な対処ではなく、構造からの若返りを目指す方へ確かな知識を提供します。

目次

顔の構造を支える支持靭帯の役割と重要性

顔の若々しさを保つためには皮膚のハリだけでなく、内部構造を支える支持靭帯の機能が十分に発揮されていることが重要です。

支持靭帯は顔の皮膚や脂肪を骨にしっかりと固定するアンカーのような役割を果たしており、この結合が強固であるほど、重力に負けないリフトアップされた状態を維持できます。

支持靭帯とは何か

支持靭帯(リテイニングリガメント)は顔の骨から皮膚に向かって樹木のように伸びる強靭な線維組織です。

顔面の組織は骨、筋肉、皮下脂肪、皮膚という層状の構造をしていますが、これらが重力によってずり落ちないように、杭のように一点で繋ぎ止めているのが支持靭帯です。

家屋に例えるならば、基礎である骨組みと外壁をつなぐ「柱」や「梁」に相当します。

この靭帯は顔全体に均一に存在するのではなく、特定のポイントに存在します。主要な靭帯が要所を締めることで顔の立体感が作られています。

しかし、加齢とともにこの靭帯自体が緩み、引き伸ばされることで、支えきれなくなった脂肪や皮膚が下垂し、たるみとして現れます。

主要な支持靭帯の位置と機能

顔のリフトアップを考える上で特に重要となる支持靭帯はいくつか存在し、それぞれが顔の異なるエリアの形状維持を担っています。

例えば、目の下や頬、口周りなど年齢が出やすい部位には必ず重要な靭帯が存在します。これらの靭帯が健全であれば頬の位置は高く保たれ、フェイスラインもシャープな状態を維持します。

逆に言えば、特定部位のたるみが目立つ場合、それに対応する支持靭帯が機能を失っている可能性が高いと判断できます。

治療においては、これらの靭帯の位置を正確に把握し、ピンポイントでアプローチすることが求められます。

顔面における主要な支持靭帯一覧

靭帯の名称位置する場所支えている主な部位
眼窩下靭帯目の下の骨の縁目元の皮膚と眼窩脂肪
頬骨靭帯頬骨の弓状部分頬の脂肪(メーラーファット)
咬筋皮膚靭帯頬の外側、咬筋の上フェイスラインと口横の皮膚
下顎靭帯下顎の骨の前方マリオネットライン周辺

支持靭帯の劣化がもたらす顔貌の変化

支持靭帯が緩むと、顔の組織は雪崩のように下方向へと移動を開始します。具体的には頬骨靭帯が緩むことで頬のトップ位置が下がり、ほうれい線が深く刻まれます。

また、下顎靭帯の拘縮や緩みは口角の下にマリオネットラインを形成し、フェイスラインが波打つような形状変化を引き起こします。

これは単なる皮膚の伸びではありません。内部の固定力が失われたことによる構造的な崩壊です。そのため、表面の皮膚だけを引っ張り上げても、内部の支えが弱ければすぐに後戻りしてしまいます。

根本的な解決には、劣化した支持靭帯を補強し、再び組織を高い位置で固定する力が求められます。

加齢による骨委縮と靭帯の緩みの相関関係

支持靭帯の緩みは単独で起こるのではなく、土台となる顔面骨の萎縮と密接に関連しており、両者へのアプローチがリフトアップには必要です。

加齢により骨密度が低下すると頭蓋骨そのものが小さくなり、付着していた靭帯が余ってしまう現象が起きます。

骨吸収が引き起こす土台の縮小

年齢を重ねると体の他の骨と同様に顔の骨も吸収され、体積が減少します。特に眼窩(目のくぼみ)、梨状口(鼻の穴の周り)、下顎骨(あごの骨)は骨吸収が顕著に現れる部位です。

土台である骨が小さくなると、その上を覆っている皮膚や軟部組織は行き場を失い、余剰分として下垂します。

テントをイメージしてください。支柱(骨)が低くなったり細くなったりすれば、張っていた布(皮膚や靭帯)はたわんでしまいます。これが顔面で起きている現象です。

骨の萎縮は支持靭帯の付着部を後退させ、結果として靭帯が本来のテンション(張力)を保てなくなる原因となります。

靭帯の伸展と弾力性の低下

骨の萎縮に加え、靭帯そのものも経年変化を起こします。長年にわたり重力の影響を受け続けることで、コラーゲンやエラスチンといった弾性線維が変性し、靭帯が物理的に伸びてしまいます。

一度伸びきってしまったゴムが元に戻らないのと同様に、自然治癒力だけで伸びた靭帯が元の長さに戻ることはありません。

さらに、閉経後の女性ホルモンの減少などはコラーゲン生成能力を低下させ、靭帯の質的な脆弱化を加速させます。強度が落ちた靭帯は、重たい脂肪パッドを支えきれなくなり、顔全体の重心が下がっていきます。

この「骨の縮小」と「靭帯の伸び」という二重の要因を理解することが、適切な治療法を選択する第一歩となります。

脂肪の下垂とコンパートメントの移動

顔の脂肪は「ファットコンパートメント」と呼ばれる区画に分かれて存在していますが、これらの区画を隔てているのも支持靭帯です。

靭帯が壁となって脂肪の位置を留めていますが、靭帯が緩むことで脂肪が本来の位置から逸脱し、下の区画へと滑り落ちます。

例えば目の下の脂肪が下がって頬の脂肪を押し出し、それがさらにほうれい線の上に乗っかるといった連鎖的な下垂が発生します。これにより、顔の凹凸が強調され、疲れた印象や老けた印象を与えてしまいます。

脂肪を除去したり移動させたりするだけでなく、その境界線である靭帯を強化しなければ、再発を防ぐことは難しいと考えられます。

ヒアルロン酸注入による支持靭帯の補強とリフトアップ

伸びてしまった支持靭帯の根元に硬度の高いヒアルロン酸を注入することで人工的な支柱を作り出し、構造的にリフトアップを図ることができます。

これは「ただ溝を埋める」従来の注入法とは異なり、解剖学に基づいた立体的なアプローチです。

トゥルーリフト法などの注入手技の理論

支持靭帯へのアプローチを主眼とした注入テクニックは、顔面の特定のポイント(リフトアップポイント)に少量のヒアルロン酸を注入します。

この際、皮膚の浅い層ではなく、骨膜上や靭帯の基部という深い層に製剤を配置します。これにより、萎縮した骨を補い、緩んだ靭帯を根元から持ち上げる効果が得られます。

あたかもテントの支柱を補強して再び布を張り直すかのように、内側から組織を支え上げます。

この手法は自然な表情を損なうことなく、顔全体の輪郭を整えるのに適しています。過剰に膨らむことなく、元の骨格が整ったようなシャープな印象を作ることが可能です。

使用する製剤の特性と選び方

支持靭帯を強化する目的で使用するヒアルロン酸には高い弾性と凝集性が求められます。柔らかい製剤では、周囲の組織からの圧力に負けて広がってしまい、柱としての役割を果たせません。

骨の代わりとなり、強力に組織を持ち上げる力(リフティング力)を持つ製剤を選択することが重要です。

一般的には、粒子の大きい、あるいは架橋構造が密な「高Gプライム(弾性率)」の製剤が用いられます。これらの製剤は体内で移動しにくく、注入した場所に留まる力が強いため、長期間にわたってリフトアップ効果を維持します。

医師は患者様の皮膚の厚みや骨格に合わせて、適切な硬さの製剤を選定します。

支持靭帯補強に適した製剤の条件

  • 外力に変形しにくい高い弾性を持っている
  • 周囲の組織に広がらず形状を維持する凝集性がある
  • 長期間の持続性が期待できる架橋構造を持つ
  • 組織との親和性が高くアレルギー反応が少ない

注入による構造的アプローチのメリット

ヒアルロン酸による支持靭帯の補強は、外科手術と比較してダウンタイムが極めて短く、即効性がある点が大きな利点です。施術直後からリフトアップ効果を実感でき、日常生活への制限もほとんどありません。

また、骨格の補正も同時に行えるため、加齢による顔の「こけ」や「ゴツゴツ感」を緩和し、丸みのある若々しい輪郭を取り戻すことができます。

さらに、靭帯を補強することで、将来的なたるみの進行を予防する効果も期待できます。組織が下がるのを物理的に食い止めるため、定期的なメンテナンスを行うことで良い状態を長く保つことが可能になります。

HIFU(高密度焦点式超音波)による熱凝固と靭帯の引き締め

HIFUは、超音波エネルギーを支持靭帯やSMAS(表在性筋膜群)に集中させ、熱によるタンパク変性を起こすことで、緩んだ組織を強力に引き締める治療法です。

切開することなく、深層の組織に対して熱収縮によるリフトアップ効果をもたらします。

熱エネルギーによるタンパク質の収縮原理

肉を焼くと縮むのと同様に、生体組織も熱を加えると収縮する性質を持っています。

HIFUは、レンズで太陽光を集めて紙を焦がす原理のように、超音波を一点に集束させ、皮下組織の狙った深さに高温の熱凝固点を作ります。

この熱ダメージによって、緩んでいたコラーゲン線維が即座に収縮し(即時効果)、引き締めが起こります。

支持靭帯に対してもこの熱エネルギーは有効に作用します。伸びてしまった靭帯に熱を加えることで線維がギュッと縮まり、骨と皮膚の結合が再びタイトになります。

これにより、深部から顔全体が引き上がり、もたつきのないシャープな印象へと変化します。

創傷治癒反応とコラーゲン増生

熱凝固による即時的な引き締めに加え、HIFUには長期的な効果も備わっています。

熱によってダメージを受けた組織を修復しようとする人体の自然な働き(創傷治癒反応)の過程で、新しいコラーゲンやエラスチンが大量に生成されます。

この再構築の期間は、施術後1ヶ月から3ヶ月にかけてピークを迎えます。新しく作られた若々しいコラーゲン線維によって、支持靭帯やSMASそのものが厚みと弾力を取り戻し、リフトアップ効果が時間とともに高まっていきます。

この持続的な組織のリモデリング(再構築)こそが、HIFUの本質的な価値と言えます。

照射深度によるターゲットの違い

照射深度主なターゲット組織期待される効果
4.5mmSMAS筋膜・支持靭帯土台からのリフトアップと強力な引き上げ
3.0mm皮下脂肪層脂肪の引き締めとタイトニング
1.5mm/2.0mm真皮層小じわの改善と肌のハリ向上

定期的なメンテナンスとしての位置づけ

HIFUによる支持靭帯の強化は、一度行えば永久に続くものではありません。生成されたコラーゲンも時間とともに徐々に減少していきます。

しかし、完全に元の状態に戻る前に再度施術を行うことでリフトアップされた状態をベースラインとして維持、あるいは向上させることができます。

一般的には半年から1年に一度のペースで継続することが推奨されます。外科手術のような劇的な変化を一度で求めるのではなく、ダウンタイムを抑えながら徐々に、そして自然に若々しさを積み重ねていきたい方に適しています。

フェイスリフト手術における支持靭帯の処理と再固定

重度のたるみに対して最も確実かつ劇的な効果をもたらすのは外科的に支持靭帯を処理し、引き上げて固定し直すフェイスリフト手術です。

皮膚を切除するだけでなく、深部の構造を作り直すことで10年前の顔立ちを取り戻すような変化が可能になります。

リガメント法による深部からの引き上げ

現代のフェイスリフト手術、特に「リガメント法」と呼ばれる術式では、支持靭帯の処理が極めて重要な工程となります。

単にSMAS(筋膜)を引き上げるだけでなく、骨と皮膚をつなぎ止めている支持靭帯(特に頬骨靭帯や咬筋皮膚靭帯)を一度外科的に切り離します。

靭帯によるロックを解除することでSMASや皮膚を含めた組織全体が自由に動くようになり、十分な引き上げ移動距離を確保できます。

その後、引き上げた位置で再び靭帯や組織を強固に固定します。これにより、皮膚に無理な負担をかけることなく、自然で後戻りの少ない強力なリフトアップが実現します。

皮膚切除だけでは解決しない理由

かつてのフェイスリフトは皮膚のみを引っ張って余分な部分を切り取る方法が主流でしたが、これには限界がありました。

支持靭帯が緩んだままの状態で表面の皮膚だけを引っ張っても深部の重みは変わっていないため、すぐに皮膚が伸びてたるみが再発してしまいます。

また、皮膚が横に引っ張られることで、平坦で不自然な顔つきになるリスクもありました。

支持靭帯を含めた深部組織(Deep Plane)を操作することは顔の立体感を温存しつつ、垂直方向への若々しいリフトアップを可能にします。

たるみの原因そのものである内部構造の崩れを外科的に修正するため、その効果は長期間、場合によっては10年以上持続します。

ダウンタイムとリスクの考慮

支持靭帯にアプローチする手術は高度な解剖学的知識と技術を要するため、難易度は高くなります。また、靭帯の周囲には顔面神経が走行していることが多く、神経損傷のリスクを避けるために慎重な剥離操作が必要です。

そのため、手術時間は長くなり、術後の腫れや内出血といったダウンタイムも、注入治療やHIFUに比べて長くなります。しかし、その対価として得られる効果の大きさは他の治療法の追随を許しません。

リスクと回復期間を十分に理解し、医師と綿密な相談を行った上で選択する必要がありますが、根本的な解決を望む方にとっては有力な選択肢となります。

治療法の比較と個々の症状に適した選択基準

支持靭帯を強化する方法には複数の選択肢がありますが、自身のたるみの進行度やライフスタイルに合わせて適切な治療を選ぶことが満足度を高める秘訣です。

それぞれの特徴を比較し、何を優先すべきかを整理します。

侵襲性と効果のバランス

治療選びの大きな軸となるのが「侵襲性(体への負担)」と「効果の大きさ・持続性」のバランスです。

一般的に、侵襲性が高い治療ほど劇的な効果と長い持続期間が見込めますが、ダウンタイムやリスクも増大します。逆に、低侵襲な治療は手軽ですが、効果は穏やかで定期的な継続が必要です。

仕事の休みが取れない方や、周囲にバレずに自然に若返りたい方は、ヒアルロン酸注入やHIFUから始めるのが良いでしょう。

一方で、すでにたるみが進行しており、通院の手間を減らして一度で大きな変化を出したい方は、外科的手術を視野に入れる価値があります。

各治療法の比較一覧

治療法侵襲性ダウンタイム
ヒアルロン酸注入ほぼなし(数日の内出血など)
HIFU(ハイフ)ほぼなし(稀に筋肉痛様の痛み)
糸リフト数日から1週間程度の腫れ
フェイスリフト手術2週間以上の腫れと内出血

たるみの進行度による判断

年齢やたるみの程度によっても適した治療は異なります。20代後半から30代の初期のたるみや予防目的であれば、HIFUによるタイトニングで十分に効果を実感できます。

30代後半から40代以降で、骨萎縮による輪郭の崩れが見え始めた場合は、ヒアルロン酸による靭帯補強を加えることで、より立体的な若返りが可能です。

50代、60代以降で皮膚の余剰が著しく、深いシワや顕著な下垂が見られる場合は、非外科的治療だけでは限界があることも事実です。

この段階では余分な皮膚を切除し、靭帯を引き上げ直す手術が最も理にかなった選択となる場合が多いです。

もちろん、手術への抵抗感が強い場合は、複数の非外科的治療を組み合わせる「コンビネーション治療」で相乗効果を狙うアプローチも有効です。

予算とメンテナンス頻度

経済的な側面も無視できません。ヒアルロン酸やHIFUは1回あたりの費用は手術より抑えられますが、効果を維持するためには継続的な出費が必要です。

対して手術は初期費用が高額になりますが、長い目で見ればコストパフォーマンスが良い場合もあります。

ご自身の予算計画の中で短期的な支出だけでなく、5年、10年単位でのトータルコストと、通院に割ける時間を考慮して計画を立てることが大切です。

医師は医学的な見地から提案を行いますが、最終的な決定権は患者様自身にあります。無理のない範囲で続けられる方法を選択しましょう。

セルフケアの限界と専門治療の必要性

日常のケアで支持靭帯を強化できるかという疑問を持つ方は多いですが、解剖学的な観点から見ると、セルフケアには明確な限界があり、場合によっては逆効果になることもあります。

正しい知識を持ち、医療の力と日常のケアを区別して考えることが重要です。

表情筋トレーニングの誤解

「顔の筋トレ」でリフトアップを目指す方法が広く知られていますが、支持靭帯に関しては注意が必要です。筋肉を過度に動かすことは、その上にある皮膚や靭帯を繰り返し伸縮させることになります。

長年の表情の動き自体がシワやたるみの一因であることを考えると、過剰なトレーニングはかえって靭帯を酷使し、伸びを助長するリスクがあります。

また、顔の筋肉(表情筋)は骨ではなく皮膚に直接付着しているものが多く、鍛えることで皮膚が引っ張られ、新たなシワを作る原因にもなり得ます。

適度な運動は血行促進には良いですが、靭帯そのものを太くしたり短くしたりする効果は期待できません。

マッサージによる靭帯への負荷

強い力で行うマッサージも、支持靭帯にとっては有害となる可能性があります。グイグイと肌を押し上げたり擦ったりする行為はコラーゲン線維を断裂させ、靭帯を物理的に引き伸ばしてしまう行為に他なりません。

特に自己流のマッサージは皮膚の摩擦による色素沈着(肝斑など)を招くだけでなく、クーパー靭帯などの微細な支持組織を傷つけ、将来的な下垂を加速させる恐れがあります。

支持靭帯を守るための最大のセルフケアは「触りすぎないこと」「擦らないこと」です。

日々のスキンケアやメイクの際も、皮膚を動かさないように優しく触れることを心がけるのが、靭帯の健康を保つための賢明なアプローチです。

栄養摂取と生活習慣による内側からの支援

直接的に靭帯を強化することは難しくても、靭帯の構成成分であるコラーゲンやエラスチンの生成をサポートすることは可能です。

タンパク質、ビタミンC、鉄分などをバランスよく摂取し、良質な睡眠をとることは、全身の結合組織の維持に役立ちます。また、紫外線はコラーゲンを破壊する最大の敵であるため、徹底したUVケアは必須です。

しかし、これらはあくまで予防や現状維持のための補助的な手段です。一度伸びてしまった靭帯や、萎縮した骨を食事や生活習慣だけで元に戻すことは不可能です。

構造的な復元を望むのであれば、美容医療による物理的な介入が必要不可欠であると理解しましょう。

よくある質問

支持靭帯を強化する治療に痛みはありますか?

治療法によって異なりますが、痛みを最小限に抑える工夫がなされています。

ヒアルロン酸注入では極細の針を使用し、製剤自体に麻酔成分が含まれているものも多いため、チクッとする程度です。

HIFUは熱感や奥に響くような痛みを感じることがありますが、出力の調整や麻酔クリームの使用で緩和可能です。手術の場合は全身麻酔や静脈麻酔を使用するため、術中の痛みはありません。

効果はいつから感じられますか?

ヒアルロン酸注入は施術直後からリフトアップ効果を実感できます。HIFUは施術直後にも引き締まりを感じますが、コラーゲン生成が進む1~2ヶ月後に効果のピークを迎えます。

手術の場合、腫れが引いてくる1~2週間後から徐々に効果が見え始め、完成形になるには3~6ヶ月程度を要します。

他の美容治療と併用は可能ですか?

はい、可能です。むしろ異なる層にアプローチする治療を組み合わせることで、より高い相乗効果が期待できます。

例えば、HIFUで全体を引き締めた後にヒアルロン酸で靭帯を補強する、あるいはボトックスで筋肉の働きを調整するなど、同日に施術可能な組み合わせもあります。

担当医と相談して治療計画を立てることをお勧めします。

一度伸びた靭帯は自然には戻らないのですか?

残念ながら、一度伸びきってしまった靭帯が自然治癒力だけで元の長さに戻ることはありません。ゴムが伸びきるのと同様の現象です。

そのため、伸びてしまった靭帯を補強したり、熱で引き締めたり、あるいは外科的に固定し直したりする医療的な介入が必要となります。

男性でも治療を受けることはできますか?

もちろん可能です。近年では男性のたるみ治療の需要も急増しています。

男性は女性に比べて皮膚が厚く、骨格もしっかりしている傾向がありますが、加齢による支持靭帯の緩みは同様に起こります。

若々しい印象を取り戻すために、ヒアルロン酸注入やHIFUを受ける男性は多くいらっしゃいます。

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この記事を書いた人

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 Pono clinic院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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