表情筋トレーニングが逆効果になるケース|やりすぎの弊害

表情筋トレーニングが逆効果になるケース|やりすぎの弊害

表情筋トレーニングは、顔のたるみやしわに悩む方にとって手軽なセルフケアとして人気を集めています。しかし、やり方を間違えたり頻度が多すぎたりすると、かえってしわを深くしてしまう恐れがあるのをご存じでしょうか。

この記事では、表情筋トレーニングが逆効果になりやすい具体的なケースや、やりすぎによる弊害を医学的な視点からわかりやすく解説します。正しい知識を身につけて、無理なく効果的なケアにつなげましょう。

ご自身の肌状態に不安がある方は、自己判断だけに頼らず、一度医師に相談されることをおすすめします。

目次

表情筋トレーニングが逆効果になる仕組みを知っておこう

表情筋トレーニングが逆効果となるのは、繰り返しの筋収縮で皮膚が折りたたまれ、しわの溝が定着してしまうためです。適度な運動は筋肉を鍛えますが、過度に行えば肌への圧縮ストレスが蓄積していきます。

表情筋は体の筋肉とはまったく違う構造をしている

腕や脚の筋肉は骨と骨をつないでいますが、表情筋は骨から皮膚に直接つながっています。そのため、表情筋が収縮すると皮膚も一緒に引っ張られ、しわが生まれる仕組みです。

体の筋肉を鍛えるのと同じ感覚で顔を動かし続けると、薄い顔の皮膚に過度な負担がかかります。表情筋トレーニングの前には、この構造上の違いを意識することが大切でしょう。

繰り返しの折りたたみが「表情じわ」を定着させてしまう

笑ったり眉をひそめたりするとき、皮膚は表情に合わせて折りたたまれます。若いうちは皮膚の弾力で元に戻りますが、年齢を重ねてコラーゲンやエラスチンが減ると、折り目がそのまま残ってしまいます。

8年間にわたる縦断研究では、笑顔のときの表情線のパターンが将来の固定じわを予測できることが報告されています。繰り返し同じ動きを行う表情筋トレーニングは、この折りたたみの回数をさらに増やしてしまう点がリスクといえるでしょう。

表情筋の収縮が皮膚に与える圧縮ストレス

要因影響リスクの度合い
筋収縮の回数皮膚の折りたたみ頻度が増加高い
収縮の強度真皮への圧縮ストレスが増大中〜高い
皮膚の弾力低下折り目が戻りにくくなる年齢とともに上昇
紫外線ダメージコラーゲン分解が加速個人差あり

皮膚の弾力が低下した肌では逆効果のリスクが高まる

加齢や紫外線によってコラーゲンやエラスチンが減少すると、皮膚は変形から回復しにくくなります。40代以降に表情筋トレーニングを始めるなら、強い力で顔を動かすのではなく、やさしい動きにとどめる配慮が求められます。

弾力を失った肌に強い筋収縮を加えると、しわだけでなく皮膚のたるみが悪化する可能性もあります。まずはご自身の肌の状態を正しく把握し、無理のない範囲で取り組むことが賢明です。

表情筋トレーニングのやりすぎで深くなりやすいしわの種類

やりすぎによってとくに深くなりやすいのは、額の横じわ、眉間の縦じわ、目尻のカラスの足跡(いわゆる「目尻のしわ」)の3か所です。いずれも表情筋の動きが大きい部位であり、トレーニングの影響を受けやすい場所といえます。

額の横じわは前頭筋の過剰運動で目立ちやすくなる

額の横じわは、前頭筋(ぜんとうきん:おでこの筋肉)が上下に動くたびに皮膚が折りたたまれて生まれるしわです。「目を大きく見開く」タイプのエクササイズを繰り返すと、この部位への負担が集中しがちです。

前頭筋は面積が広いぶん、動きも大きくなる傾向があります。鏡を見ながら額にしわが深く入っていないか確認しつつ、動きの幅を抑えることが肝心でしょう。

眉間の縦じわは鍛えるほど刻まれやすい部位である

眉間のしわを作る皺眉筋(しゅうびきん)は、もともとストレスや緊張で無意識に使いがちな筋肉です。表情筋トレーニングで意図的に眉を寄せる動作を加えると、日常的な癖に加えてさらに収縮回数が増え、しわが深く刻まれるリスクが高まります。

美容皮膚科ではこの部位のしわを改善するためにボツリヌス毒素注射(筋肉の動きを抑える注射)が多く行われていますが、これは「筋肉を動かさないことでしわを予防する」という発想です。つまり、眉間は鍛えるよりも力を抜く方がしわ対策になる部位なのです。

目尻のカラスの足跡はやりすぎで悪化しやすい

目尻の皮膚は顔の中でもとくに薄い部位のひとつです。笑顔のトレーニングで目を細める動きを何度も繰り返すと、細い放射状のしわが徐々に深くなる恐れがあります。

ある研究では、笑ったときにできる目尻のラインが8年後に固定じわへと変化したことが確認されています。トレーニングの回数を制限するだけでなく、力を入れすぎないよう意識することが大切でしょう。

ほうれい線はトレーニングの種類次第で深くも浅くもなる

ほうれい線は脂肪の減少と皮膚のたるみが主な原因ですが、口周りを大きく動かすエクササイズが過剰になると、頬と唇の境界にあたる溝が強調される場合があります。

一方で、口角を持ち上げるような穏やかな等尺性運動(いわゆるアイソメトリックエクササイズ)は、頬のボリュームを保つのに役立つという報告も存在します。ほうれい線に関しては、動かし方の質と量を見極めることが求められるでしょう。

しわの種類関連する表情筋やりすぎリスク
額の横じわ前頭筋高い
眉間の縦じわ皺眉筋・鼻根筋非常に高い
目尻のしわ眼輪筋高い
ほうれい線大頬骨筋・口輪筋中程度(動かし方による)

顔体操でしわが増えた|よくある失敗パターンと原因

顔体操を続けているのにしわが増えたと感じる方の多くは、「力みすぎ」「回数のやりすぎ」「保湿不足」という3つの共通した失敗パターンに陥っています。正しいフォームで穏やかに行えば回避できるミスばかりですので、心当たりがないか確認してみてください。

力を入れすぎて周囲の皮膚まで巻き込んでいる

表情筋トレーニングで「効いている感じ」を求めるあまり、目的の筋肉だけでなく周辺の皮膚ごと引っ張ってしまう方が少なくありません。たとえば頬を持ち上げようとして目の周りにも力が入ると、意図しない場所にしわが刻まれてしまいます。

対策として、トレーニング時には鏡で顔全体を確認し、動かしたい筋肉以外にしわが寄っていないかチェックする習慣をつけましょう。

毎日長時間やり続けているのに効果がない理由

「たくさんやれば早く結果が出る」という考えで、1日に30分以上もの顔体操を毎日続ける方がいらっしゃいます。しかし、筋肉は休息をとることで回復・成長するため、休みなく動かし続けることは逆効果につながりかねません。

頻度と強度の目安

項目推奨される目安やりすぎの基準
1回あたりの時間10〜20分30分以上
頻度週3〜5回毎日2回以上
力の強さ軽い抵抗を感じる程度痛みを伴う強さ

乾燥した肌のまま顔体操をすると摩擦ダメージが加わる

皮膚が乾燥した状態で顔を動かすと、皮膚同士の摩擦が大きくなり、角質層(肌のいちばん外側の層)がダメージを受けやすくなります。角質層が傷つくとバリア機能が低下し、さらに乾燥が進む悪循環に陥ることも。

トレーニングの前にはしっかりと保湿を行い、クリームやオイルで肌表面のすべりをよくしておくのがおすすめです。とくに冬場やエアコンの効いた室内で行う場合は、保湿の徹底が欠かせません。

誤った情報を鵜呑みにして自己流で続けている

インターネットや動画サイトには数多くの顔体操メソッドが紹介されていますが、その中には医学的根拠が乏しいものも混在しています。自己流のフォームで長期間続けた結果、しわやたるみがかえって悪化してしまうケースは珍しくありません。

可能であれば、形成外科や皮膚科の医師に相談し、ご自身の肌状態に合った方法を指導してもらうことが安全です。

表情筋トレーニングの注意点|安全に行うために守りたいルール

表情筋トレーニングを安全に続けるためには、「力加減の調整」「適度な頻度」「肌状態の確認」の3つのルールを守ることが大切です。これらを意識するだけで、逆効果のリスクは大幅に下がります。

動かすのは「ゆっくり・やさしく」が鉄則

表情筋トレーニングでは、勢いをつけて顔を動かす必要はまったくありません。ゆっくりと筋肉を収縮させ、ゆっくり戻すアイソメトリック(等尺性収縮)の動きが基本です。

アイソメトリックとは、筋肉の長さを変えずに力を入れる方法を指します。口を「オ」の形にしてそのまま数秒間キープするような動作がその一例です。皮膚を大きく折りたたまないため、しわの発生リスクを抑えながら筋肉に適度な刺激を与えられます。

週に何回まで? やりすぎを防ぐ頻度の目安

ある臨床研究では、20週間にわたり1日おきに30分間の顔エクササイズを行った結果、頬のふくらみに改善が見られたと報告されています。「毎日」ではなく「1日おき」という点に注目してください。

筋肉には回復の時間が必要ですから、最低でも1日はお休みを挟むのが安心です。「やらない日を作ること」もトレーニングの一部だと考えましょう。

トレーニング前後のスキンケアも忘れずに

顔を動かす前に保湿剤を塗布し、肌表面の摩擦を減らすことは先述のとおりです。加えて、トレーニング後のスキンケアも大切なポイントとなります。

運動後は血行がよくなり、肌が一時的にデリケートな状態になります。刺激の強い化粧品を避け、保湿力の高いクリームやセラミド配合のアイテムで肌を落ち着かせるとよいでしょう。

痛みや違和感があったらすぐに中断すべき

「痛気持ちいい」程度であっても、その感覚が長く続くようなら筋肉や皮膚に過度な負担がかかっている可能性があります。顎関節(あごの関節)に違和感が出た場合は、すみやかにトレーニングを中止してください。

とくに口を大きく開ける動作は、顎関節症のリスクを高める恐れがあります。違和感が数日たっても改善しない場合は、口腔外科や歯科医師への受診をおすすめします。

チェック項目安全な状態中断すべき状態
力の入れ具合軽い張りを感じる痛みやつっぱり感
肌の反応一時的な血色アップ赤みや腫れが残る
あごの関節違和感なくスムーズカクカク音やこわばり
翌日の状態筋肉の軽いだるさ痛みや張りの持続

表情筋トレーニングが向かない人・始めるべきでないタイミング

表情筋トレーニングは誰にでも同じ効果が期待できるわけではなく、肌の状態や年齢、既往歴によっては控えた方がよいケースがあります。思い当たる項目がある方は、まず医師に相談してからスタートすることをおすすめします。

ボツリヌス毒素注射やヒアルロン酸注入の直後は避ける

ボツリヌス毒素注射(いわゆるボトックス注射)は筋肉を休ませることでしわを目立たなくする施術です。注射直後に表情筋を活発に動かすと、薬剤が意図しない部位へ広がり、表情の左右差が出てしまうリスクがあります。

ヒアルロン酸注入後も同様で、注入したフィラーが移動する懸念があるため、施術から少なくとも2週間は激しい顔の運動を避けるのが一般的です。施術を受けた医師の指示に従ってください。

紫外線ダメージの大きい肌は回復を優先すべき

長年の紫外線暴露によって光老化(ひかりろうか:紫外線による肌の老化)が進んだ肌は、コラーゲン繊維が傷つき弾力を失っています。こうした肌に対して筋収縮を繰り返すと、しわやたるみが加速する可能性が否定できません。

表情筋トレーニングを控えるべきケース

  • 重度の日焼け直後、または光老化が進んで肌の弾力が著しく低下している状態
  • 顎関節症やその疑いがあり、口を大きく開けると痛みやクリック音がある場合
  • 顔面神経麻痺の治療中で、医師から特定の運動制限を指示されている場合

肌に炎症やかぶれがあるときは絶対にやらない

ニキビが広範囲にできているとき、アトピー性皮膚炎のフレア(炎症の悪化)が起きているとき、あるいはスキンケア製品でかぶれている最中に顔を動かすと、炎症が広がる恐れがあります。

こうした肌トラブルがあるときは、まず皮膚科で治療を受けて肌のコンディションを整えることを優先しましょう。トレーニングの再開は、炎症がしっかり落ち着いてからでも遅くはありません。

顎関節症を抱えている方は医師に相談してから

口を大きく開閉する顔体操は、顎関節に大きな負荷をかけます。すでに顎関節症の症状がある方がこうした動作を繰り返すと、痛みやロック症状(口が開かなくなる)を悪化させてしまうかもしれません。

歯科や口腔外科の医師と相談し、顎関節に負担をかけないメニューを選択することが安全な進め方です。

表情筋トレーニングよりも先に取り組みたい日常習慣

しわやたるみを防ぐには、表情筋トレーニングだけに頼るのではなく、紫外線対策・保湿・栄養といった日常習慣を整えることが土台となります。土台が不安定なままエクササイズを上乗せしても、十分な効果は得にくいでしょう。

紫外線対策こそ「しわ予防」の王道である

しわの形成には加齢だけでなく紫外線が大きく関わっています。UVAは真皮のコラーゲンやエラスチンを分解し、皮膚の弾力を奪います。SPF30以上の日焼け止めを毎日塗ることは、あらゆるしわ対策の中でもっとも確実性の高い方法です。

日焼け止めに加えて、帽子やサングラスで物理的に紫外線を遮ることも効果的です。とくに目の周りは皮膚が薄いため、サングラスの着用が目尻のしわ予防にもつながります。

十分な保湿が皮膚の柔軟性を守ってくれる

角質層の水分が不足すると皮膚は硬くなり、表情の動きに追従できずにしわが生じやすくなります。セラミドやヒアルロン酸を含む保湿剤で角質層のうるおいを維持することが、しわの予防につながります。

とくに洗顔後は急速に水分が蒸発しやすいタイミングです。洗顔直後に化粧水と乳液、またはクリームを重ねて塗布し、水分の蒸散を防ぎましょう。

良質なたんぱく質とビタミンCがコラーゲンの材料になる

コラーゲンはアミノ酸(たんぱく質の構成要素)から作られ、その合成にはビタミンCが必要です。食事からの栄養が不足すると、いくら外側からケアしても肌のハリは維持しにくくなります。

鶏肉・魚・大豆製品などのたんぱく源と、柑橘類・パプリカ・ブロッコリーなどのビタミンC豊富な食材を意識的に摂ることが、肌の土台づくりに役立ちます。

質のよい睡眠は肌の回復力を左右する

深い睡眠中には成長ホルモンが多く分泌され、肌の修復が活発に行われます。睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減り、コラーゲンの産生や肌のターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)が滞りがちです。

毎日6〜8時間の睡眠を確保し、寝る前1時間はスマートフォンの画面を見ないようにするなど、睡眠の質を上げる工夫を取り入れてみてください。

日常習慣しわ予防への寄与取り組みやすさ
紫外線対策コラーゲン分解の抑制日焼け止めを塗るだけ
保湿ケア角質層の柔軟性を維持洗顔後に塗布するだけ
栄養バランスコラーゲン合成の材料補給食事内容の見直し
良質な睡眠成長ホルモン分泌の促進生活リズムの調整

表情筋を効果的に鍛えるなら医師監修のプログラムが安心

自己流の表情筋トレーニングによるリスクを避けるには、医師や専門家が監修したプログラムに沿って行うのが賢い選択です。正しいフォームと適切な頻度を守ることで、逆効果を防ぎながら肌のハリを改善できる可能性が高まります。

医療機関で受けられるフェイスエクササイズ指導とは

指導の種類特徴向いている方
医師による個別指導肌状態を診察した上でメニューを決定肌トラブルがある方
理学療法士による指導筋肉の動きを評価しながら調整正しいフォームを学びたい方
オンライン監修プログラム動画で確認しながら自宅で実施通院が難しい方

エビデンスに基づいた適切な運動量を守る

JAMA Dermatology(アメリカ医師会の皮膚科専門誌)に掲載された研究では、40〜65歳の女性が20週間にわたり1回30分の顔エクササイズを続けた結果、中顔面と下顔面のふくらみが改善し、評価者が推定する年齢が約3歳若返ったと報告されています。

この研究で用いられたエクササイズは、認定インストラクターのもとで正しいフォームを学んだうえで行われました。自己流との違いは、「プロの指導を受けてから自宅で実践した」という点にあります。

トレーニングの効果に限界を感じたら医師に相談を

表情筋トレーニングで得られる効果には個人差があり、すべてのしわやたるみを改善できるわけではありません。半年以上続けても変化が感じられない場合や、かえって悪化しているように見える場合は、一度立ち止まって医師に相談してみてください。

形成外科や美容皮膚科では、ヒアルロン酸注入やレーザー治療など、エクササイズとは異なるアプローチで加齢による変化に対応することも可能です。ご自身に合った方法を見つけるために、専門家の意見を聞く姿勢が大切でしょう。

よくある質問

表情筋トレーニングを毎日やると、しわは増えてしまいますか?

表情筋トレーニングを毎日長時間行うと、皮膚の折りたたみ回数が増えるため、しわが深くなるリスクが高まります。筋肉には回復時間が必要ですので、1日おきに10〜20分程度の穏やかな運動にとどめるのが安全です。

「毎日やればやるほどよい」わけではなく、休息日を設けることがトレーニング効果を高めるコツといえるでしょう。やりすぎの自覚がある方は、頻度を見直してみてください。

表情筋トレーニングで逆にたるみが悪化することはありますか?

皮膚の弾力が低下している方が強い力で顔を動かし続けると、皮膚を支えるコラーゲン繊維やエラスチンに余計な負荷がかかり、たるみが進行する可能性があります。とくに40代以降の方は、力を入れすぎない穏やかな動作を意識してください。

過度なマッサージや引っ張りも同様のリスクがあります。肌を持ち上げたい一心で強く引っ張る動作は、かえってたるみを悪化させてしまいかねません。

表情筋トレーニングの効果が出るまでにはどのくらいの期間が必要ですか?

ある臨床研究では、20週間(約5か月間)にわたり1日おきに30分間のエクササイズを続けた結果、頬のふくらみが改善し、見た目年齢が約3歳若く評価されたと報告されています。

ただし、この研究は専門インストラクターの指導のもとで正しいフォームを学んだ参加者に限られており、自己流の場合に同じ結果が得られる保証はありません。効果を急ぐあまりやりすぎることのないよう、焦らず取り組む姿勢が大切です。

表情筋トレーニングとボトックス注射は併用しても問題ありませんか?

ボツリヌス毒素注射の直後に表情筋を活発に動かすと、注入した薬剤が予定外の部位に広がるリスクがあります。注射後少なくとも数日間は、医師の指示に従って激しい顔の運動を避けてください。

ある程度の期間が経過すれば、穏やかな表情筋トレーニングを再開できる場合もあります。併用を検討する際は、必ず施術を担当した医師に相談し、再開時期と適切な運動強度の指導を受けるようにしましょう。

表情筋トレーニングは何歳から始めると効果的ですか?

表情筋トレーニングに明確な開始年齢の基準はありませんが、30代後半から40代にかけてコラーゲンの減少が加速するため、このタイミングで穏やかなエクササイズを習慣にするのは理にかなった選択です。

一方で、20代のように肌の弾力が十分ある時期に過度なトレーニングを行うと、将来的にしわの原因を自ら作ってしまう恐れがあります。どの年代であっても「やりすぎない」ことを意識し、肌の変化に合わせて強度を調整することが大切です。

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この記事を書いた人

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 Pono clinic院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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