黒クマ・青クマ・茶クマの見分け方|混合タイプの対処法

鏡を見るたびに気になる目の下のクマ。「黒っぽいけれど、青みもある気がする」「茶色にも見えるし、影のようにも見える」――そんなふうに悩んでいる方は少なくありません。

実はクマには黒クマ・青クマ・茶クマの3タイプがあり、それぞれ原因がまったく異なります。さらに、2つ以上のタイプが重なった「混合タイプ」の方がむしろ多いといわれています。

この記事では、各タイプの見分け方から混合クマへの対処法まで、20年以上の診療経験をもとにわかりやすく解説します。正しい見極めが、改善への第一歩です。

目次

目の下のクマには黒クマ・青クマ・茶クマの3タイプがある

目の下のクマは見た目の色合いによって大きく3つに分けられ、それぞれの原因と対処法は根本的に異なります。自分のクマがどのタイプに該当するかを正しく把握することが、改善に向けた出発点になるでしょう。

黒クマは「たるみ」と「影」が生み出す目の下のくぼみ

黒クマは、目の下の皮膚がたるんだり脂肪が突出したりすることで影ができ、暗く見える状態を指します。加齢によるコラーゲンの減少や眼窩(がんか=眼球が収まっている骨のくぼみ)脂肪の前方への膨らみが主な原因です。

上を向いて照明を当てると影が薄くなるのが特徴で、色素そのものが沈着しているわけではありません。そのため、美白化粧品を塗ってもほとんど変化が見られないタイプといえます。

青クマは血行不良で透けて見える血管の色

青クマは、目の下の薄い皮膚を通して、うっ滞した静脈の色が透けて見えるものです。寝不足や冷え、長時間のパソコン作業で血行が悪くなると目立ちやすくなります。

皮膚を軽く横に引っ張ると色が薄くなるのが青クマの見分けポイントです。体調や季節によって濃さが変わりやすく、夕方になると目立つ方もいるでしょう。

黒クマ・青クマ・茶クマの基本比較

タイプ主な原因見た目の色
黒クマたるみ・脂肪突出による影暗い影色
青クマ血行不良・静脈のうっ滞青紫色
茶クマ色素沈着・メラニン蓄積茶褐色

茶クマはメラニン色素が蓄積した「色素沈着」タイプ

茶クマは、紫外線ダメージや摩擦、炎症後の色素沈着によって目の下が茶色くくすんで見える状態です。

アトピー性皮膚炎や花粉症で目をこする癖のある方に多く、皮膚を引っ張っても色が薄くならないのが特徴になります。黒クマや青クマと違い、皮膚そのものに色が定着しているため、物理的なアプローチだけでは改善が難しいタイプです。

黒クマ・青クマ・茶クマそれぞれの原因を深掘りして正しく対処する

各タイプの原因を正確に理解すれば、的外れなケアに時間やお金をかけるリスクを減らせます。クマのタイプごとに原因が異なるため、対処法もまったく別のアプローチが必要です。

黒クマを引き起こす加齢と眼窩脂肪の変化

黒クマの根本的な原因は、目の周囲の構造的な変化にあります。年齢を重ねると眼窩を支える隔膜が弱くなり、脂肪が前に飛び出してきます。

飛び出した脂肪の下にくぼみが生じ、そこに影が落ちて黒く見えるわけです。遺伝的に頬骨が低い方は20代から目立つこともあります。

青クマが悪化する生活習慣と体質的な要因

青クマは目の下の皮膚が薄い方ほど顕著に表れます。皮膚の厚さには個人差がありますが、もともと色白の方や皮下脂肪が少ない方は血管が透けやすい傾向です。

睡眠不足、ストレス、運動不足、喫煙といった血行を悪化させる習慣が重なると、クマの色はさらに濃くなります。デスクワークの方は目元の血流が滞りやすいので注意が必要でしょう。

茶クマを定着させる紫外線と摩擦の繰り返し

茶クマの原因は表皮や真皮に蓄積したメラニン色素です。紫外線を浴びるとメラノサイト(色素を作る細胞)が活性化し、排出しきれないメラニンが残留します。

花粉症やアレルギーで目をこすると、炎症後色素沈着として茶クマが定着しやすくなります。クレンジング時の強い摩擦も悪化要因の一つです。

悪化要因影響するクマおもな対策
紫外線茶クマ日焼け止め・サングラス
目のこすりすぎ茶クマかゆみ止め点眼薬の使用
睡眠不足青クマ6〜7時間の質の高い睡眠
加齢によるたるみ黒クマ医療機関での相談

自宅でできる黒クマ・青クマ・茶クマのセルフチェック法

自分のクマのタイプは、特別な道具がなくても鏡と照明があればある程度判別できます。3つのチェック法を順番に試し、自分のクマがどのタイプに近いか確認してみましょう。

皮膚を軽く引っ張る「ストレッチテスト」で青クマを判定する

人差し指で目の下の皮膚をそっと横に引っ張ってみてください。色が薄くなれば、青クマの可能性が高いといえます。引っ張ることで皮膚が伸び、その下にある血管までの距離が変わるため色の見え方が変化するのです。

ただし、色がまったく変わらない場合は茶クマの要素が強いかもしれません。強く引っ張ると皮膚を傷めるので、あくまで軽い力で試してください。

上を向いて鏡を見る「仰向けテスト」で黒クマを判定する

手鏡を持ち、天井を向くように顔を上げて鏡をのぞき込んでみましょう。このとき、目の下の暗さが薄くなったり消えたりすれば、黒クマの可能性が高いと判断できます。

仰向けになると眼窩脂肪が後ろに移動し、影の原因であるふくらみやくぼみが目立たなくなるためです。照明の角度を変えても暗さがなくならない場合は、色素沈着が絡んでいると考えたほうがよいでしょう。

  • ストレッチテスト:皮膚を横に引いて色の変化を確認
  • 仰向けテスト:上を向いて影の有無をチェック
  • ウッドランプ:医療機関で紫外線ライトを使いメラニンの深さを判定

色が変わらなければ茶クマ、複数の変化があれば混合タイプの疑い

どちらのテストでもクマの色が変わらず、茶褐色のままであれば、メラニンによる茶クマが主体と考えられます。一方、「引っ張ると少し薄くなるけれど完全には消えない」「上を向いても影は消えるが茶色は残る」といった場合は、複数タイプが重なった混合クマでしょう。

混合タイプは全体の7〜8割を占めるともいわれており、珍しくありません。気になる方は皮膚科や形成外科で診てもらうと安心です。

目の下のクマが混合タイプかどうか見極める判断基準

混合タイプのクマは1つの原因だけでは説明がつかないため、複数の視点から総合的に判断する必要があります。黒クマ・青クマ・茶クマの特徴を一つずつ消去法で確かめていくと、重なりが見えてきます。

クマの「色」「形」「時間帯による変化」を3つの軸で観察する

まず「色」を確認しましょう。茶褐色なら色素沈着、青紫なら血行不良、暗い影色ならたるみが主因です。次に「形」を見てください。目の下全体に広がるなら青クマや茶クマ、くぼみに沿った線状の暗さは黒クマを示唆します。

最後に「時間帯による変化」を記録してみましょう。朝は目立たないのに夕方に濃くなるなら青クマの関与が大きく、一日中変わらない茶色さは色素沈着の可能性が高いといえます。

混合タイプのクマで多いのは「黒クマ+青クマ」と「茶クマ+青クマ」の組み合わせ

臨床の現場で多く見受けられるのは、たるみによる影と血行不良が重なった「黒クマ+青クマ」の組み合わせです。30代後半から増え始め、40代以降はかなりの割合でこの混合パターンになります。

もう一つ多いのが、色素沈着に血行不良が加わった「茶クマ+青クマ」の混合です。アレルギー体質の方や紫外線対策が不十分な方に見られます。3タイプすべてが混在するケースもあり、原因ごとに対策を分けて考える必要があるでしょう。

自己判断の限界と、専門医を受診すべきサイン

セルフチェックである程度の見当はつきますが、メラニンの深さや眼窩脂肪の突出具合を正確に評価するには、ウッドランプやエコー検査が必要です。

「市販のアイクリームを半年以上使っても改善しない」「コンシーラーで隠しきれなくなった」――こうしたサインがあれば、一度医療機関を受診してタイプの正確な診断を受けることをおすすめします。

混合パターン特徴多い年代
黒クマ+青クマ影と青紫色が重なる30代後半〜
茶クマ+青クマ茶色の沈着に青みが加わる20代後半〜
黒+青+茶の3混合複数の色味が混在40代〜

混合タイプのクマに対するスキンケアと日常的な対処法

混合タイプのクマには、単一の対策ではなく原因別にケアを組み合わせることが効果的です。「茶クマ要素には美白」「青クマ要素には血行促進」「黒クマ要素にはハリケア」と、タイプごとに分けて考えましょう。

茶クマ要素へのアプローチ|紫外線対策と美白成分で色素沈着を防ぐ

茶クマの要素を改善するには、メラニンの生成を抑えることと既存のメラニンの排出を促すことが柱になります。目元専用の日焼け止めやUVカット機能付きのサングラスを日常的に使い、紫外線を遮断しましょう。

スキンケアでは、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸配合のアイクリームが有用です。クレンジングはジェルやミルクタイプを選び、こすらずなじませてください。

青クマ要素へのアプローチ|血行促進とアイマッサージで巡りを改善する

青クマの要素を和らげるには、目の周りの血流を良くすることが鍵です。蒸しタオルを1〜2分目の上にのせてから冷たいタオルに替える温冷交互法は、手軽にできる方法として知られています。

目元を強くこするマッサージは逆効果になるため避けましょう。薬指の腹でそっと押す程度のツボ押しが適切です。ビタミンKやレチノール配合のアイクリームも有用です。

  • 温冷タオルの交互法で目元の血流を促す
  • ビタミンC誘導体やトラネキサム酸で色素にアプローチ
  • コラーゲン生成を助けるレチノール配合クリームでハリケア
  • クレンジング時は「こすらず、なじませる」を徹底

黒クマ要素へのアプローチ|目元のハリを保つケアで影を軽減する

レチノールやペプチド配合のアイクリームは、コラーゲン産生をサポートし、皮膚のたるみを緩やかに改善する効果が期待できます。

ただし、眼窩脂肪の突出による大きなふくらみやくぼみは、スキンケアだけで劇的に変えるのは困難です。満足できない場合は、医療機関での治療を視野に入れるのが現実的かもしれません。

クマの改善を目指すなら知っておきたい医療機関での治療選択肢

セルフケアだけでは限界を感じるとき、医療機関にはクマのタイプに合わせた複数の治療法があります。混合タイプのクマは原因ごとに治療を組み合わせることで、より高い改善効果が見込めるでしょう。

黒クマ治療で用いられるヒアルロン酸注入と脂肪再配置

黒クマの治療では、くぼみにヒアルロン酸を注入してボリュームを補い影を解消する方法が広く行われています。注入量やポイントは医師が目元の骨格や脂肪量を診て判断します。

脂肪の突出が顕著な場合は、余分な脂肪を除去したり再配置する手術が選択されることもあります。いずれの方法にもメリットとリスクがあるため、担当医と相談して納得した上で治療を受けましょう。

青クマ・茶クマの治療に用いるレーザーやケミカルピーリング

青クマに対しては、ロングパルスNd:YAGレーザーなど血管に働きかける機器が用いられることがあります。血管の透過性を抑え、青みを軽減する治療法です。

茶クマに対しては、Qスイッチレーザーやケミカルピーリングでメラニンの排出を促す方法が検討されます。炎症後色素沈着のリスクもあるため、照射の強度や回数は慎重に設定される必要があるでしょう。

混合タイプに対する組み合わせ治療の考え方

混合タイプのクマでは、1つの施術だけで満足のいく結果を得るのは難しい場合があります。「ヒアルロン酸注入で影を減らしつつ、レーザーで色素沈着をケアする」といった組み合わせが有効です。

初回のカウンセリングでクマのタイプを正確に診断してもらい、優先順位をつけて段階的に治療を進めましょう。

クマのタイプ代表的な治療法期待できる効果
黒クマヒアルロン酸注入・脂肪再配置影の軽減・くぼみの改善
青クマNd:YAGレーザー・PRP療法血管由来の青みの軽減
茶クマQスイッチレーザー・ピーリング色素沈着の改善
混合タイプ上記の組み合わせ総合的な改善

二度とクマに悩まされたくない!今日から取り入れる予防の生活習慣

クマの予防と再発防止には、日々の生活習慣の見直しが欠かせません。治療やスキンケアの効果を長持ちさせるためにも、目元に優しい暮らし方を意識しましょう。

睡眠の質と十分な時間を確保して青クマの原因を断つ

睡眠不足は青クマを悪化させる直接的な要因です。6〜7時間の連続した質の高い睡眠を確保するだけで、目の周りの血行は改善しやすくなります。

就寝前のスマートフォン操作は目元の筋肉を緊張させるため、就寝30分前には画面を閉じる習慣をつけるとよいでしょう。枕の高さを見直すことも有効です。

生活習慣関係するクマ具体的な改善策
睡眠不足青クマ6〜7時間の質の高い睡眠
紫外線を浴びすぎ茶クマ日焼け止め・帽子・サングラス
目をこする癖茶クマ抗アレルギー薬で根本対策
長時間のデスクワーク青クマ・黒クマ1時間に1回の休憩と目元体操

紫外線対策と摩擦の軽減で茶クマの進行を食い止める

紫外線は茶クマの大敵です。曇りの日や冬場でも紫外線は地表に届いているため、年間を通して日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。

また、アレルギー性結膜炎や花粉症で目がかゆい方は、我慢してこすらないことが大切です。かゆみの根本原因を抗アレルギー薬で抑えることが、茶クマ予防に直結します。洗顔やクレンジング時も、タオルで拭くときも、目元はそっと押さえるだけにしてください。

栄養バランスと適度な運動で目元の血色を整える

ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、ビタミンEは血行を促す作用があります。緑黄色野菜や果物を意識的にとり入れ、バランスのよい食事を心がけましょう。鉄分不足もクマを悪化させるため、レバーや赤身肉なども適度に摂取してください。

週に3回程度の有酸素運動は全身の血行を改善し、青クマだけでなく肌全体のトーンアップにもつながります。ウォーキングや軽いジョギングなど無理なく続けられる運動を選びましょう。

よくある質問

目の下のクマの色が日によって違って見えるのは混合タイプの特徴ですか?

日によってクマの色味が変わるように感じるのは、混合タイプの方に多い現象です。睡眠不足の翌日は青みが強まり、紫外線を多く浴びた後は茶色が目立つといった変化が起こりやすくなります。

また、体調やむくみの程度によって黒クマの影の深さも変わります。色味の変動が大きい場合は、複数の原因が重なっている可能性がありますので、一度専門医に相談されることをおすすめします。

目の下の黒クマと青クマを自分で見分けるにはどうすればよいですか?

黒クマと青クマの見分けには、2つのテストを組み合わせるのが効果的です。上を向いたときに暗さが消える場合は、たるみや影による黒クマが主因と考えられます。

一方、目の下の皮膚を軽く横に引っ張って青紫の色が薄くなれば、血行不良による青クマの要素が強いでしょう。両方の変化が見られるなら、黒クマと青クマの混合タイプの可能性があります。

目の下の茶クマはセルフケアだけで改善できますか?

軽度の茶クマであれば、紫外線対策の徹底と美白成分を含むアイクリームの継続使用で薄くなることがあります。ビタミンC誘導体やトラネキサム酸配合の製品を3か月以上使ってみるとよいでしょう。

ただし、真皮レベルに沈着したメラニンにはセルフケアだけで対処するのが難しい場合もあります。半年以上ケアを続けても改善を実感できないときは、レーザーやケミカルピーリングなどの医療的な方法を検討する価値があります。

目の下のクマが混合タイプの場合、治療はどのような順番で進めるのが一般的ですか?

混合タイプのクマの治療は、もっとも目立つ原因から優先的に取り組むのが基本です。たとえば、たるみによる黒クマの影が強い場合は、まずヒアルロン酸注入や脂肪再配置で構造的な問題を改善します。

構造面が落ち着いた後で、色素沈着にはレーザーや外用薬を、血行不良にはPRP療法や生活習慣の改善を組み合わせていく流れが一般的です。治療計画は個人差が大きいため、担当医との綿密な相談が大切になります。

目の下のクマの種類によって効果的なアイクリームの成分は変わりますか?

クマのタイプによって選ぶべきアイクリームの成分は異なります。茶クマにはビタミンC誘導体やアルブチンなど美白成分が向いています。青クマにはビタミンKやカフェインなど血行を促す成分が配合されたものを選ぶとよいでしょう。

黒クマにはレチノールやペプチドなどコラーゲン産生をサポートする成分が適しています。混合タイプの方は、複数の成分がバランスよく配合された製品を選ぶか、朝と夜で使い分ける方法もあります。

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この症例の担当医・監修医

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 ポノクリニック東京 院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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