フェイスリフト手術の種類と効果|切るたるみ治療の全体像

フェイスリフト手術の種類と効果|切るたるみ治療の全体像

顔のたるみが気になり始めたとき、注射やレーザーだけでは限界を感じる方は少なくありません。

フェイスリフト手術は、皮膚やその下の組織を直接引き上げることで、たるみを根本から改善する外科的な治療法です。

この記事では、切開を伴うリフトアップ整形の代表的な術式やSMAS挙上の仕組み、ダウンタイム、費用の目安まで幅広く解説しています。

目次

フェイスリフト手術とは?切開リフトで顔のたるみを根本から引き上げる治療法

フェイスリフト手術は、加齢によるたるみを皮膚の切開と組織の引き上げによって改善する外科治療です。注射やレーザーでは届かない深い層にまで働きかけられるため、大きな若返り効果が期待できます。

なぜ注射やレーザーでは満足できないのか

ヒアルロン酸注射やレーザー治療は、皮膚の表面や浅い層に作用します。そのため、軽度のしわやハリの低下には効果を発揮するものの、頬や顎まわりの深いたるみに対しては改善幅に限界があります。

とくに40代以降になると、皮膚だけでなく皮下脂肪や筋膜(きんまく)と呼ばれる深い組織まで下垂してきます。この状態を根本から改善するには、組織そのものを物理的に引き上げる外科的な方法が必要です。

フェイスリフト手術が目指すゴールとは

フェイスリフト手術では、耳の前や生え際に沿って切開を行い、皮膚の下にあるSMAS(表在性筋腱膜系)という筋膜層を引き上げて固定します。

皮膚だけを引っ張るのではなく、土台となる組織ごと持ち上げるため、仕上がりが自然で持続期間も長くなります。

目指すのは「手術したとわかる顔」ではなく、周囲から「なんだか若々しくなったね」と言われるような自然な変化です。顔全体のバランスを見ながら、たるんだ輪郭を整え、フェイスラインをすっきりさせることが手術の目標といえます。

フェイスリフト手術と非手術治療の比較

項目フェイスリフト手術非手術治療
効果の持続5〜10年程度半年〜1年程度
改善の深さ筋膜層まで皮膚表面〜浅い層
ダウンタイム2〜4週間数日〜1週間
傷跡耳周囲に残るほぼなし

フェイスリフト手術に向いている人・向いていない人

フェイスリフト手術が効果を発揮しやすいのは、頬やフェイスラインのたるみが中程度から重度の方です。40代後半から60代の方が多いですが、たるみの進行度合いによっては30代後半から検討される方もいます。

一方で、全身の健康状態に問題がある方や、喫煙習慣がある方はリスクが高まるため、事前に担当医とよく相談する必要があります。

また「しわだけが気になる」というときは、フェイスリフトよりも注入治療やレーザーのほうが適している場合もあります。

SMAS挙上とは?フェイスリフトの効果を左右する筋膜へのアプローチ

SMAS挙上は、皮膚の下にある筋膜を引き上げる技術であり、フェイスリフト手術の仕上がりと持続期間を大きく左右します。この筋膜層へのアプローチこそが、切開リフトならではの強みです。

SMASとはどんな組織なのか

SMASとは「Superficial Musculo-Aponeurotic System(表在性筋腱膜系)」の略称で、皮膚と深部の筋肉をつなぐ薄い膜のような組織です。顔の表情をつくる筋肉とも連動しており、加齢とともにこの層が緩んでくると、顔全体が下に引っ張られてたるみが生じます。

わかりやすくたとえると、SMASは顔の「骨格を覆うハンモック」のような存在です。このハンモックが伸びてしまうと、上に乗っている皮膚や脂肪が支えきれなくなり、頬の下垂やほうれい線の深化につながります。

SMASを引き上げると何が変わるのか

SMASを引き上げると、皮膚だけでなくその下の組織全体が持ち上がります。頬のボリュームが元の位置に戻り、ほうれい線やマリオネットライン(口の両脇から顎に向かって伸びるしわ)が目立たなくなるでしょう。

皮膚を引っ張っただけの手術と比べると、仕上がりの自然さが大きく異なります。SMAS挙上を伴うフェイスリフトでは、皮膚に過度な緊張がかからないため、「引きつった顔」になりにくいのが特徴です。

SMAS挙上を行わないフェイスリフトとの違い

かつては皮膚のみを引き上げるスキンリフトが主流でした。しかし皮膚だけを引っ張ると、傷跡が広がりやすく、効果の持続期間も短い傾向にあります。術後数か月で元に戻ってしまうケースも珍しくありませんでした。

現在は多くの形成外科・美容外科でSMAS挙上を取り入れた術式が標準となっています。土台を整えたうえで皮膚のたるみを取り除くことで、長期間にわたる若返り効果を得られるようになりました。

比較項目SMAS挙上ありSMAS挙上なし
効果の持続長い(5〜10年)短い(1〜2年)
仕上がり自然引きつりやすい
手術の難易度高い比較的低い
ほうれい線改善効果大限定的

フェイスリフト手術の代表的な種類を徹底比較|ミニリフトから広範囲リフトまで

フェイスリフト手術にはいくつかの種類があり、たるみの範囲や程度、患者の希望に応じて術式を選択します。代表的な術式の特徴と違いを把握しておくと、カウンセリングでの相談がスムーズになります。

ミニフェイスリフトは軽度のたるみに向いている

ミニフェイスリフトは、耳の前を中心に小さな切開で行う術式です。切開範囲が狭いぶんダウンタイムが短く、身体への負担も軽減されます。軽度から中程度のたるみに適しており、初めてフェイスリフトを受ける方に選ばれることが多い術式です。

ただし、首まわりや顎下のたるみが強い場合には、ミニフェイスリフトだけでは十分な改善が難しいかもしれません。手術範囲が限定的であるぶん、効果の持続期間も標準的なフェイスリフトと比較すると短くなる傾向があります。

標準フェイスリフト(SMASフェイスリフト)が選ばれやすい理由

標準フェイスリフトは、耳の前から耳の後ろにかけて切開し、SMAS層を広範囲に引き上げる術式です。頬のたるみだけでなく、顎から首にかけてのラインも整えられるため、顔全体の印象を大きく変えられます。

フェイスリフト手術の種類と特徴

術式切開範囲適応
ミニフェイスリフト耳前の小切開軽度〜中程度のたるみ
標準フェイスリフト耳前〜耳後中程度〜重度のたるみ
拡大フェイスリフト耳周囲+首重度のたるみ・首のたるみ

拡大フェイスリフトは首のたるみまで一度に改善できる

拡大フェイスリフトは、顔だけでなく首のたるみまで広範囲に働きかける術式です。

切開範囲が広いぶん手術時間は長くなりますが、フェイスラインから首筋にかけて一体的に引き上げるため、若返り効果は大変高いとされています。60代以降で顔と首の両方に顕著なたるみがある方に適しています。

ただし手術の侵襲度(身体への負担)が大きいため、全身状態の確認やリスクの説明を十分に受けたうえで判断することが大切です。

ディープフェイスリフトと骨膜下リフトという選択肢

より深い層にアプローチするディープフェイスリフトや骨膜下(こつまくか)リフトという術式も存在します。

SMASよりさらに深い靱帯(じんたい)や骨膜の層まで剥離して引き上げるため、たるみの改善効果は非常に高い一方、神経損傷のリスクも高まります。

これらの術式は高い技術力を要するため、実施できる医療機関が限られています。担当医の経験や実績を慎重に確認してから検討したほうがよいでしょう。

フェイスリフト手術のダウンタイムと術後経過|腫れ・痛み・傷跡はどうなる?

フェイスリフト手術の術後は腫れや内出血が出るものの、多くの場合2〜4週間で日常生活に復帰できます。術後経過を事前に把握しておくと、不安を軽減し、スケジュール調整にも役立ちます。

術後1週間は腫れと内出血のピーク

手術直後から翌日にかけて腫れがもっとも強く出ます。内出血も頬から首にかけて広がる場合がありますが、1週間から10日ほどで目立たなくなるのが一般的です。

痛みについては、処方される鎮痛剤でコントロールできる範囲がほとんどです。

術後は頭部を高くして安静に過ごすことが推奨されます。入浴や激しい運動は担当医の許可が出るまで控えてください。

抜糸のタイミングと日常生活への復帰

抜糸は術後7〜14日前後で行われることが多いです。抜糸が済むと洗髪やメイクが可能になり、外出時にはファンデーションで傷跡をある程度カバーできるようになります。

デスクワークであれば2週間前後で復帰される方が多い印象です。ただし接客業など人と近い距離で接するお仕事の場合は、腫れや赤みが落ち着く3〜4週間後からの復帰を検討されるとよいでしょう。

傷跡は目立つのか|時間の経過とともに変化する

切開は耳の前や耳たぶの下、生え際に沿って行うため、傷跡は目立ちにくい位置に収まります。術後しばらくは赤みが残りますが、3〜6か月かけて徐々に白く薄くなっていきます。

傷跡の仕上がりは術者の技術に大きく左右されます。形成外科の専門研修を受けた医師は、傷をきれいに閉じる縫合技術に長けているため、医師選びの際のひとつの指標になります。

術後の時期状態生活上の目安
直後〜3日腫れ・痛み強い安静が必要
1〜2週間腫れ・内出血が引く抜糸・軽い外出可
3〜4週間ほぼ日常に戻る仕事復帰の目安
3〜6か月傷跡が薄くなる完成に近づく

フェイスリフト手術の費用相場と持続期間|コストに見合う効果は得られるのか

フェイスリフト手術は自由診療のため、費用は医療機関によって幅があります。持続期間と合わせて総合的に考えると、ご自身にとって納得のいく判断がしやすくなるでしょう。

フェイスリフト手術の費用は術式によって大きく異なる

ミニフェイスリフトの場合は50万円〜100万円前後、標準的なSMASフェイスリフトの場合は100万円〜200万円前後が目安です。拡大フェイスリフトやディープフェイスリフトでは200万円を超える場合もあります。

麻酔の種類(局所麻酔か全身麻酔か)や入院の有無によっても費用は変動します。カウンセリングの段階で、手術費用に含まれる項目(麻酔代・術後のケア費用・再診料など)を細かく確認しておくと安心です。

効果はどのくらい持続するのか

SMAS挙上を伴うフェイスリフト手術の効果は、一般的に5〜10年程度持続するとされています。

もちろん加齢は手術後も続くため「完全に時計を止める」ことはできませんが、手術を受けていない場合と比べると、数年分若い状態を維持できるイメージです。

術式別の費用と持続期間の目安

術式費用の目安持続期間の目安
ミニフェイスリフト50万〜100万円3〜5年
標準フェイスリフト100万〜200万円5〜10年
拡大フェイスリフト150万〜250万円7〜10年以上

費用だけで判断せず「誰に任せるか」を重視する

フェイスリフト手術は費用が高額になりやすいため、料金の安さだけで医療機関を選んでしまう方もいらっしゃいます。しかし、仕上がりの質や安全性は執刀医の技術と経験に大きく依存しています。

症例数や医師の専門資格(形成外科専門医など)を確認し、複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較検討することをおすすめします。安さを追求した結果、修正手術が必要になるケースもゼロではありません。

分割払いや医療ローンの活用

多くの美容外科クリニックでは、医療ローンやクレジットカードの分割払いに対応しています。まとまった費用を一度に支払うのが難しい場合でも、月々の負担を軽減しながら治療を受けられる仕組みが整っています。

ローンの金利や支払い総額は事前にしっかり確認し、無理のない範囲で計画を立てることが大切です。

フェイスリフト手術のリスクと合併症|後悔しないために事前に確認したいこと

フェイスリフト手術は大きな効果が期待できる一方で、外科手術である以上リスクもゼロではありません。事前にどのようなリスクがあるのかを知り、納得したうえで判断することが後悔を防ぐ鍵になります。

血腫と感染症は術後初期に注意が必要

術後もっとも注意が必要な合併症のひとつが血腫(けっしゅ)です。血腫とは、手術部位に血液がたまってしまう状態で、発生した場合は早期に処置する必要があります。感染症についても、術後の傷口の管理を徹底するとリスクを下げられます。

こうした合併症は頻度こそ低いものの、起こった場合には迅速な対応が求められるため、術後のフォロー体制が整った医療機関を選ぶことが重要です。

顔面神経の損傷による表情の変化

フェイスリフト手術では、顔面神経の近くを操作するため、まれに神経が傷つくケースがあります。一時的なしびれや表情筋の動きにくさは比較的よくみられますが、ほとんどは数週間〜数か月で回復します。

永続的な神経損傷の頻度は非常に低いとされていますが、リスクがゼロではない以上、担当医から十分な説明を受けることが大切です。

不自然な仕上がりを避けるために

「引っ張りすぎ」による不自然な仕上がりは、患者さんにとっても医師にとっても避けたい結果です。目尻が吊り上がったり、耳の形が変形したりするケースは、皮膚に過度な緊張をかけた場合に起こりやすいとされています。

こうしたリスクを回避するには、SMAS層をしっかり引き上げて皮膚への負担を軽減する術式を選ぶこと、そして経験豊富な執刀医に手術を任せることが大切です。

カウンセリングでは、仕上がりのイメージを具体的に伝え、過度な変化を求めすぎないことも重要です。

  • 血腫や感染症のリスクと早期対応の必要性
  • 顔面神経損傷による一時的または永続的な影響
  • 皮膚壊死や脱毛といった切開部位のトラブル
  • 左右差や仕上がりへの不満
  • 全身麻酔に伴うリスク

フェイスリフト手術で失敗しないクリニック選び|信頼できる医師を見極める基準

フェイスリフト手術の成功は、執刀医の技術と経験に大きく左右されます。「どこで受けるか」よりも「誰に任せるか」を重視することが、満足のいく結果につながります。

形成外科専門医の資格を確認する

フェイスリフト手術を受けるなら、担当医が形成外科専門医の資格を持っているかどうかを確認してください。形成外科専門医は、皮膚の縫合や組織の移動に関する厳しい研修を修了しており、傷跡を目立たなくする技術に長けています。

クリニック選びで確認したいポイント

  • 形成外科専門医または美容外科専門医の資格
  • フェイスリフト手術の症例数と経験年数
  • 術前カウンセリングの丁寧さと説明のわかりやすさ
  • 術後フォロー体制と緊急時の対応

カウンセリングで確認すべき5つの質問

初回カウンセリングでは、以下のような点を率直に質問してみてください。「年間何件くらいフェイスリフト手術をしていますか」「合併症が起きた場合の対応はどうなっていますか」といった具体的な問いかけが有効です。

質問に対して誠実に答えてくれる医師は信頼できる可能性が高いです。逆に、リスクをほとんど説明しなかったり、手術を急かしたりする医師には注意が必要です。

複数のクリニックで比較検討することが後悔を防ぐ

フェイスリフト手術は人生に大きな影響を与える決断です。1か所のカウンセリングだけで決めてしまうのではなく、2〜3か所の医療機関を比較してみることを強くおすすめします。

同じ悩みを伝えても、提案される術式や費用、リスク説明の内容はクリニックによって異なります。比較すると、それぞれの医療機関の姿勢や得意分野が見えてきます。

ご自身が「この先生になら任せたい」と思える医師に出会えるまで、焦らず探してみてください。

よくある質問

フェイスリフト手術の効果はどのくらい持続する?

SMAS挙上を伴うフェイスリフト手術の効果は、一般的に5〜10年程度持続するとされています。ただし個人差があり、生活習慣や肌質によって前後する場合があります。

手術後も加齢は進行しますが、フェイスリフトを受けていない場合と比べると、同年齢の方より若い印象を長期間維持できることが多いです。効果を長く保つためには、紫外線対策や規則正しい生活を心がけましょう。

フェイスリフト手術のダウンタイムはどのくらいかかる?

フェイスリフト手術のダウンタイムは、術式にもよりますが一般的に2〜4週間が目安です。術後1週間は腫れや内出血が強く出るため、自宅での安静が必要になります。

抜糸は7〜14日前後で行われ、その後はメイクでカバーしながら外出することも可能です。デスクワークであれば2週間程度、接客業では3〜4週間程度で復帰される方が多い傾向にあります。

フェイスリフト手術で傷跡は目立つのか?

フェイスリフト手術の傷跡は、耳の前や耳たぶの下、生え際に沿って作られるため、目立ちにくい位置に収まります。術後しばらくは赤みが残りますが、3〜6か月かけて次第に白く薄くなっていきます。

傷跡の仕上がりは執刀医の縫合技術に大きく左右されます。形成外科専門医など、傷を目立たなくする技術に精通した医師を選ぶことで、より自然な仕上がりが期待できるでしょう。

フェイスリフト手術にはどんなリスクや合併症がある?

フェイスリフト手術の代表的なリスクとしては、血腫(手術部位に血液がたまる状態)、感染症、顔面神経の損傷などがあります。いずれも頻度は低いとされていますが、外科手術である以上リスクはゼロではありません。

一時的なしびれや表情筋の動きにくさは比較的よくみられるものの、多くの場合は数週間から数か月で回復します。術前のカウンセリングで担当医からリスクについて十分な説明を受け、納得してから手術に臨むことが大切です。

フェイスリフト手術を受けるクリニックはどう選べばよい?

フェイスリフト手術のクリニック選びでは、執刀医の資格と経験を重視してください。形成外科専門医や美容外科専門医の資格を持ち、フェイスリフトの症例数が豊富な医師であれば安心感があります。

複数のクリニックでカウンセリングを受け、提案される術式や費用、リスク説明の丁寧さを比較検討することをおすすめします。質問に誠実に向き合い、無理に手術を勧めない医師こそ信頼に値するでしょう。

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この記事を書いた人

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 Pono clinic院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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