糖化を防ぐ食事と生活習慣|AGEsが多い食品ワースト10

年齢とともに肌のハリが失われ、しわやたるみが気になり始めたとき、その原因は「糖化」にあるかもしれません。糖化とは、体内のたんぱく質と余分な糖が結びつき、AGEs(終末糖化産物)という老化物質を生み出す反応です。
AGEsはコラーゲンやエラスチンを硬く変質させ、肌の弾力を奪います。しかし、毎日の食事や調理法を少し見直すだけで、AGEsの蓄積を抑えることは十分に可能です。
この記事では、AGEsが特に多い食品ワースト10をご紹介しながら、糖化を防ぐ食事の選び方や低GI食品の活用法、日常生活で取り入れられる予防習慣まで、医学的エビデンスに基づいてわかりやすくお伝えします。
糖化とAGEsが肌のしわ・たるみを加速させる仕組み
糖化は肌の老化を内側から進行させる反応であり、しわやたるみの根本的な原因のひとつです。食事で摂取した糖が体内のたんぱく質と結びつくと、AGEs(終末糖化産物)が生成され、コラーゲンやエラスチンに蓄積して肌の弾力を失わせます。
糖化反応とは何か|たんぱく質と糖が結びつく「メイラード反応」
糖化とは、血液中の余分なブドウ糖がたんぱく質や脂質のアミノ基と非酵素的に結合する化学反応のことです。この反応はフランスの化学者メイラードによって1912年に初めて報告されました。食パンを焼いたときの焦げ色や、ステーキ表面のこんがりした茶色も、同じメイラード反応によるものです。
体内でも同様の反応が日々起きています。初期段階では「シッフ塩基」や「アマドリ化合物」と呼ばれる中間生成物がつくられ、やがて不可逆的な最終生成物であるAGEsへと変化します。一度生成されたAGEsは分解されにくく、体内に長期間とどまり続けるという特徴があります。
AGEsがコラーゲンとエラスチンを破壊するまで
肌のハリと弾力を支えているのは、真皮層に豊富に存在するコラーゲンとエラスチンです。これらのたんぱく質は入れ替わるまでに約10年かかるため、AGEsによる架橋結合(クロスリンク)のターゲットになりやすいといえます。
AGEsによる肌への影響
| 影響 | 起きること | 肌の変化 |
|---|---|---|
| 架橋結合 | コラーゲン線維が硬直化 | 弾力低下・しわ |
| 酸化ストレス | 活性酸素が大量発生 | くすみ・黄ぐすみ |
| MMP活性化 | コラーゲン分解酵素が増加 | たるみ・毛穴の開き |
| 炎症反応 | RAGE受容体を介した炎症 | 赤み・肌荒れ |
20代から始まる糖化の蓄積|年齢を重ねるほど深刻になる理由
コラーゲンの糖化は20代から始まっていることが研究で明らかになっています。毎年約3.7%ずつ糖化コラーゲンが増加し、80歳になる頃には30〜50%のコラーゲンが糖化しているという報告もあります。
若いうちは体の抗酸化力や代謝力が高いため影響を感じにくいのですが、30代後半から40代にかけて肌のくすみやハリの低下として表面化し始めます。紫外線によるダメージも糖化を促進するため、光老化と糖化が組み合わさることで、しわやたるみが加速的に進むことになるでしょう。
体内でつくられるAGEsと食事から摂取するAGEsの違い
AGEsには、体内の代謝で生まれる「内因性AGEs」と、食品に含まれ口から摂取する「外因性AGEs(食事性AGEs)」の2種類があります。内因性AGEsは血糖値が高い状態が続くと生成量が増え、糖尿病の方に多くみられます。
一方、食事性AGEsは高温で加熱調理された動物性食品に特に多く含まれています。研究では、食事由来のAGEsが体内のAGEs総量の大きな割合を占めることが示されており、食事の工夫がAGEsの蓄積を抑える有効な手段となります。
AGEsが多い食品ワースト10|あなたの食卓に潜む肌老化の原因
普段何気なく食べている食品の中に、驚くほど大量のAGEsが含まれているものがあります。特に高温で焼いたり揚げたりした動物性食品は、AGEs含有量が桁違いに多くなります。以下は研究データに基づく、AGEsが多い食品ワースト10です。
ワースト10を知れば食べ方が変わる|AGEs含有量データ一覧
AGEsが多い食品ワースト10
| 順位 | 食品名(調理法) | AGEs量の目安 |
|---|---|---|
| 1 | フライドベーコン | 非常に高い |
| 2 | グリルドフランクフルト | 非常に高い |
| 3 | 焼いた鶏もも肉(皮付き) | 非常に高い |
| 4 | フライドチキン(ファストフード) | 高い |
| 5 | ステーキ(よく焼き) | 高い |
| 6 | 電子レンジ調理ベーコン | 高い |
| 7 | ローストビーフ | やや高い |
| 8 | 焼き鮭(高温調理) | やや高い |
| 9 | バターで焼いたパンケーキ | やや高い |
| 10 | フライドポテト | やや高い |
この表を見ると、脂肪やたんぱく質を多く含む食品を高温の乾式加熱(焼く・揚げる・炒める)で調理したものにAGEsが集中していることがわかります。反対に、野菜や果物、全粒穀物、牛乳といった炭水化物中心の食品は、加熱後でもAGEs量が比較的低く抑えられています。
加工肉製品にAGEsが突出して多い理由
ベーコンやフランクフルトなどの加工肉製品がワーストの上位を占めるのには理由があります。加工肉は製造段階で高温による燻製や焼き上げ処理が施されており、さらに家庭で再加熱する際にも追加のAGEsが生じます。
加えて、加工肉には脂肪分が多く含まれています。脂肪はたんぱく質と同様にAGEsの前駆体となるため、高脂肪かつ高たんぱくの加工肉は、二重の意味でAGEs生成に好条件を与えてしまうのです。
揚げ物やグリル料理がAGEsを爆発的に増やす
調理温度が高いほど、またドライヒート(油で揚げる、直火で焼く、オーブンで焼く)の時間が長いほど、AGEsの量は増えます。研究によると、乾式加熱は生の状態と比べてAGEs量を10〜100倍にも増やすことがわかっています。
つまり、同じ鶏肉でも「茹でる」と「グリルする」ではAGEsの量に大きな差が生まれます。焼き色のついた香ばしい料理はおいしいものですが、毎日のように食べ続けると肌への負担が蓄積していくと考えてよいでしょう。
AGEsが多い食品の共通点
- 動物性たんぱく質と脂肪が豊富な食品
- 高温(150度以上)で長時間加熱されたもの
- 焼き色や焦げ目がしっかりついた料理
- 加工段階で複数回の加熱処理を受けた食品
糖化を防ぐ食事の基本|低GI食品と抗糖化食材の選び方
糖化を抑えるうえで大切なのは、血糖値の急上昇を防ぐ食事を心がけることです。低GI(グリセミック・インデックス)食品を中心に食事を組み立てると、血中ブドウ糖の過剰状態が起こりにくくなり、体内でのAGEs生成を穏やかに抑えられます。
低GI食品を味方につける|血糖値の急上昇を防ぐ食材リスト
GI値とは、食品が体内で糖に変わるスピードを示す指標です。白米(GI値約84)やパン(GI値約91)に比べ、玄米(GI値約56)やそば(GI値約54)は血糖値の上昇がゆるやかになります。
毎食の主食を白米から玄米や雑穀米に変えるだけでも、食後血糖値のピークを抑えることが期待できます。パスタもアルデンテに仕上げるとGI値が下がるため、ちょっとした工夫が糖化予防につながります。
ビタミンB群と抗酸化ビタミンで糖化に対抗する
ビタミンB1やB6は糖の代謝を助け、AGEsの生成を抑える働きがあります。特にビタミンB6の一種であるピリドキサミンは、AGEs生成の中間段階であるカルボニル化合物を捕捉する作用が報告されています。
糖化予防に役立つ栄養素と食材
| 栄養素 | 働き | 多く含む食材 |
|---|---|---|
| ビタミンB1 | 糖代謝の促進 | 豚肉、玄米、大豆 |
| ビタミンB6 | AGEs中間体の捕捉 | バナナ、まぐろ、鶏ささみ |
| ビタミンC | 抗酸化・コラーゲン合成 | ブロッコリー、キウイ、赤パプリカ |
| ビタミンE | 脂質の酸化を抑制 | アーモンド、アボカド、かぼちゃ |
| ポリフェノール | AGEs生成の阻害 | 緑茶、ブルーベリー、赤ワイン |
食物繊維とたんぱく質の「食べ順」で糖化リスクを下げる
食べる順番を意識するだけでも血糖値の上がり方は変わります。食事の最初に野菜やきのこ類などの食物繊維を摂り、次にたんぱく質のおかず、最後に炭水化物という順番が効果的です。
食物繊維が先に胃腸に入ることで、糖の吸収スピードが緩やかになります。同じメニューでも食べ方を変えるだけで食後血糖値のピークを抑えられるため、今日から取り入れやすい実践法といえるでしょう。
甘い飲み物と果糖ブドウ糖液糖に要注意
清涼飲料水やスポーツドリンクに多く使われている果糖ブドウ糖液糖は、ブドウ糖よりも約10倍の速度でAGEsを生成するとされています。飲み物から摂取する糖は吸収が速く、血糖値を一気に引き上げます。
水やお茶、無糖のハーブティーを中心にし、甘い飲料はたまの楽しみ程度に留めることで、糖化リスクを大幅に減らせます。コーヒーに砂糖を入れる習慣がある方も、少しずつ減らしていくことが肌のためになるでしょう。
調理法を変えるだけでAGEsは減らせる|茹でる・蒸すが肌を守る
同じ食材でも調理法次第でAGEsの量は大きく変わります。「焼く・揚げる」を「茹でる・蒸す・煮る」に変えるだけで、食事から取り込むAGEsを劇的に減らすことができます。
水を使う調理法がAGEs生成を抑える仕組み
茹でる、蒸す、煮るといった湿式加熱では、水の沸点である100度以上に食材の温度が上がりにくいため、メイラード反応が起きにくくなります。揚げ物(170〜200度)やグリル(200度以上)と比べると、AGEsの生成量に10倍以上の差が出ることもあります。
毎日の食事すべてを蒸し料理にする必要はありませんが、週に数回、焼き魚を煮魚に変える、鶏肉を焼かずにスープにするといった小さな変化が、長い目で見ると肌への負担を減らしてくれます。
酢やレモン汁のマリネ|調理前のひと工夫でAGEsを減少
肉をレモン汁や酢に漬け込んでから加熱すると、AGEsの生成量が有意に減少するという研究結果があります。酸性の環境がメイラード反応を抑制するためで、わずか1時間のマリネでも効果が認められています。
サラダのドレッシングに酢を使う、魚にレモンを搾ってからオーブンで焼くなど、日常の調理に酸味を加える工夫はすぐに実践できます。風味のアクセントにもなるため、一石二鳥といえるでしょう。
電子レンジと短時間加熱の上手な活用法
電子レンジによる加熱は、食材表面の温度がオーブンやフライパンほど高くならないため、AGEsの生成量を抑えやすい調理法です。野菜の下ごしらえや肉の再加熱に活用すると、高温調理の時間を短縮できます。
とはいえ、ベーコンを電子レンジで調理した場合でもAGEs量はゼロにはなりません。加熱時間をできるだけ短く、温度を低く保つという原則を覚えておくと、どんな調理法でも応用が利きます。
調理法によるAGEs生成量の比較
| 調理法 | 温度帯 | AGEs生成量 |
|---|---|---|
| 茹でる・蒸す | 約100度 | 少ない |
| 煮込む | 約100度 | 少ない |
| 電子レンジ | 中程度 | やや少ない |
| 炒める | 150〜200度 | 多い |
| 揚げる | 170〜200度 | 多い |
| グリル・オーブン | 200度以上 | 非常に多い |
糖質制限だけでは足りない?糖化を予防する生活習慣の見直し
糖化を予防するには食事の見直しだけでなく、睡眠・運動・ストレス管理など生活全体に目を向ける必要があります。糖質を控えるだけでは体内のAGEs蓄積を十分に防げません。
食後の軽い運動が血糖スパイクを抑える
食後30分以内に15〜20分程度のウォーキングをするだけで、食後の血糖値上昇(いわゆる血糖スパイク)を緩やかにできます。血糖値が急激に上がると、たんぱく質との糖化反応が加速するため、食後の運動はAGEs予防に直結します。
激しい運動は必要ありません。食後に近所を散歩する、階段を使って移動するといった軽い活動で十分です。デスクワークの方は、昼食後に5分間でも立ち上がって歩くことを意識してみてください。
睡眠不足と糖化の深い関係|質の良い眠りが肌を再生させる
良質な睡眠のために心がけたい習慣
- 就寝の2〜3時間前までに食事を終える
- 寝る1時間前からスマートフォンの画面を見ない
- 寝室の温度を18〜22度に保つ
- 毎朝同じ時間に起きて体内時計を整える
睡眠不足が続くとインスリン抵抗性が高まり、血糖値のコントロールが乱れやすくなります。血糖値が慢性的に高い状態は糖化を促進させるため、7〜8時間の質の良い睡眠を確保することが肌のアンチエイジングに直結します。
また、睡眠中に分泌される成長ホルモンは、日中に受けた肌のダメージを修復する重要なホルモンです。睡眠の質を高めることは、糖化対策であると同時に、肌の再生力を高めることにもつながります。
喫煙と紫外線|糖化を外から加速させる2大要因
タバコの煙にはAGEsの前駆体となるグリコトキシンが含まれています。タバコの葉を乾燥・熟成する過程で生じたこれらの物質が、喫煙によって肺から血中に取り込まれ、全身の組織でAGEs蓄積を促進します。
紫外線も糖化を増悪させる因子です。紫外線を浴びた肌では活性酸素が発生し、これがAGEsの生成を加速させるという研究報告があります。禁煙と日焼け止めの使用は、糖化対策の基本としてぜひ取り入れたい生活習慣です。
ストレスと血糖値の関係を見逃さない
精神的なストレスがかかるとコルチゾールというホルモンが分泌され、血糖値を押し上げます。慢性的なストレス状態が続くと血糖値が常に高めに推移し、糖化が進行しやすくなるのです。
趣味の時間を確保する、深呼吸やストレッチを取り入れるなど、自分なりのストレス解消法を持つことが糖化予防にも役立ちます。心と肌の健康は想像以上に密接につながっているといえるでしょう。
糖化した肌を再生に導く栄養素と食べ物|内側からのケアが決め手
すでに蓄積してしまったAGEsを完全に消し去ることは困難ですが、食事から摂取する栄養素によって肌の代謝を促し、コラーゲンの新生をサポートすることは可能です。内側からのケアが糖化した肌の回復を後押しします。
ビタミンCとコラーゲン合成|肌の土台を立て直す
ビタミンCはコラーゲンの合成に欠かすことのできない補酵素として働くと同時に、強力な抗酸化作用でAGEs生成を抑える働きも持っています。研究では、ビタミンCの補充が血清たんぱく質の糖化を有意に減少させたという報告があります。
赤パプリカ、ブロッコリー、キウイ、いちごなど、毎日の食事にビタミンCが豊富な食材を取り入れることが、肌の再生力を高める第一歩となります。ビタミンCは水溶性で体内に蓄積されにくいため、こまめに摂取することが大切です。
緑茶のカテキンやポリフェノールが糖化反応をブロックする
緑茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)は、AGEsの生成を抑制するだけでなく、AGEsが引き起こす炎症反応にも対抗する働きが確認されています。ほかにも、ブルーベリーやダークチョコレートに含まれるポリフェノールが、たんぱく質の糖化反応を阻害するという実験データがあります。
毎日の飲み物を緑茶にすることは、手軽にできる抗糖化対策のひとつです。甘い飲料の代わりに温かい緑茶を飲む習慣は、水分補給と糖化予防を同時に叶えてくれるでしょう。
αリポ酸とカルノシン|注目される抗糖化成分
αリポ酸は体内で生成される抗酸化物質で、ビタミンCやビタミンEを再生する働きがあります。動物実験では、αリポ酸の投与が皮膚コラーゲンの糖化を抑制したという結果が報告されています。αリポ酸はほうれん草やブロッコリー、レバーなどに含まれています。
カルノシンはβアラニンとヒスチジンが結合したジペプチドで、鶏胸肉やまぐろに多く含まれます。AGEsの形成を阻害する作用や、すでに形成されたAGEsの架橋を分解する作用が示唆されており、肌の若返りを内側から支える成分として注目されています。
抗糖化作用が期待される成分と含有食品
| 成分 | 期待される作用 | 多く含む食品 |
|---|---|---|
| カテキン(EGCG) | AGEs生成抑制・抗炎症 | 緑茶 |
| αリポ酸 | 抗酸化・ビタミン再生 | ほうれん草、レバー |
| カルノシン | AGEs架橋分解 | 鶏胸肉、まぐろ |
| レスベラトロール | RAGE発現抑制 | 赤ぶどう、赤ワイン |
| クエルセチン | カルボニル化合物捕捉 | 玉ねぎ、りんご |
抗糖化対策を無理なく続けるための食事プランと実践ヒント
糖化を防ぐ食生活は、特別な食材やサプリメントに頼らなくても実現できます。日々の食事にちょっとした工夫を加えるだけで、AGEsの摂取量を自然と減らしていくことが可能です。
朝・昼・夕の抗糖化メニュー例で毎日を無理なく整える
1日の抗糖化メニュー例
| 食事 | メニュー例 | ポイント |
|---|---|---|
| 朝食 | オートミール+ベリー+ナッツ | 低GI主食+抗酸化食材 |
| 昼食 | 雑穀ごはん+蒸し鶏サラダ+味噌汁 | 蒸し調理でAGEs低減 |
| 夕食 | 煮魚+温野菜+玄米 | 水を使った調理が中心 |
| 間食 | ナッツ少量+緑茶 | 血糖安定+抗糖化 |
「完璧」を目指さないことが長続きの秘訣
すべての食事をAGEsフリーにする必要はありません。週末にバーベキューを楽しんだり、たまに揚げ物を食べたりしても、普段の食事で低AGEsの食品選びと調理法を心がけていれば、トータルのAGEs摂取量は十分にコントロールできます。
大切なのは「8割の食事を意識して2割は自由にする」くらいの気持ちで取り組むことです。食事の楽しみを犠牲にしてしまうと、ストレスから血糖値が上がるという皮肉な結果にもなりかねません。
買い物と作り置きの工夫で無理なく抗糖化生活を送る
スーパーでの買い物の際に、加工肉の代わりに鮮魚や鶏胸肉を選ぶ、白いパンの代わりに全粒粉パンやライ麦パンを手に取るなど、食品選びの段階で意識を変えると日々の食卓が自然と抗糖化仕様になります。
休日にまとめて蒸し鶏やゆで卵、スープのストックを作っておくと、平日の調理時間を短縮しながらAGEsの低い食事を手軽に準備できます。忙しい日々の中でも、作り置きの力を借りれば抗糖化食を継続しやすくなるでしょう。
よくある質問
- AGEsを多く含む食品を完全に避ければ糖化は防げますか?
-
AGEsを含む食品をすべて排除することは現実的ではありませんし、そこまで極端な制限は必要ありません。AGEsは体内の代謝活動でも常に生成されているため、食事由来のAGEsだけをゼロにしても完全な予防にはならないのです。
大切なのは、普段の食事でAGEsが多い食品の頻度を減らし、調理法を工夫することです。高温のドライヒート調理を控え、茹でる・蒸すを中心にするだけでもAGEsの総摂取量は大幅に減ります。完全排除ではなく、「上手に減らす」という意識が長続きのコツといえるでしょう。
- 低GI食品を選ぶだけで肌の糖化は予防できますか?
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低GI食品の選択は血糖値の急上昇を抑えるうえでとても効果的ですが、それだけで糖化のすべてを防げるわけではありません。体内でのAGEs生成には血糖値以外にも、酸化ストレスや炎症などさまざまな要因が関わっています。
低GI食品を軸にしつつ、抗酸化ビタミンやポリフェノールを含む食品を積極的に摂ること、適度な運動や質の良い睡眠を確保すること、喫煙を避け紫外線対策をすることなど、多角的なアプローチで糖化予防に取り組むことが肌の若々しさを保つ鍵になります。
- すでに糖化してしまった肌のコラーゲンは食事で元に戻せますか?
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一度AGEsが結合して硬くなったコラーゲンを、食事だけで完全にもとの状態に戻すことは残念ながら難しいです。AGEsによる架橋結合は不可逆的な反応であり、糖化したコラーゲンは自然には元に戻りません。
ただし、体内ではコラーゲンの新陳代謝が常に行われています。ビタミンCやアミノ酸を十分に摂取しながら、新しいAGEsの蓄積を防ぐ食生活を続けることで、健康なコラーゲンの割合を徐々に高めていくことは期待できます。食事による予防と新生の両面からアプローチすることが、肌の回復を後押しするうえで大切です。
- 糖質制限はAGEsの蓄積を防ぐ効果がありますか?
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糖質制限によって血糖値の上昇を抑えること自体は、体内でのAGEs生成を減らす方向に働きます。ただし、糖質制限をしていても動物性食品を高温で調理して食べる量が増えれば、食事由来のAGEs摂取量はかえって増えてしまう可能性があります。
糖質の量を適度にコントロールしながら、調理法にも注意を払い、野菜や低GI食品を組み合わせたバランスの良い食事を心がけることが、糖化予防では効果的です。極端な糖質制限よりも、食事全体のAGEsバランスを考えるほうが、肌にも体にもやさしい方法といえるでしょう。
- AGEsの蓄積を減らすためにサプリメントは有効ですか?
-
ビタミンC、ビタミンB6、αリポ酸などのサプリメントがAGEsの生成を抑制する可能性については、いくつかの研究で示唆されています。しかし、サプリメントだけに頼ってAGEsの蓄積を十分にコントロールすることは難しいと考えられます。
糖化予防の基本は、あくまでも毎日の食事と生活習慣の改善です。低GI食品の選択、AGEsの少ない調理法の実践、適度な運動と良質な睡眠を土台にしたうえで、必要に応じてサプリメントを補助的に活用するのが望ましいといえます。サプリメントの利用を検討される際は、かかりつけ医にご相談ください。
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