クマ取り・脱脂2回目のリスクと効果|再手術は1回目より難しい?

目の下の脂肪除去(脱脂)を一度受けたのに、ふくらみや影が再び気になり始めた方は少なくありません。再手術は1回目と同じ感覚で臨めるものではなく、組織の変化や瘢痕の影響を考慮した慎重な判断が求められます。

とはいえ、正しい知識と信頼できる医師のもとで臨めば、2回目の手術でもしっかり改善を得られるケースは多くあります。

この記事では、再手術を検討している方に向けて、リスク・効果・クリニック選びのポイントまで詳しく解説します。

目次

クマ取り・脱脂の2回目を受ける前に確認しておきたい1回目との違い

2回目の脱脂は、1回目とは前提条件がまったく異なります。すでに一度手術を行った組織には瘢痕(はんこん=手術後にできる内部の傷あと)が形成されており、脂肪の量も1回目と比較して少なくなっています。

そのため、同じ手術でも難易度と求められる技術が変わってくるのです。

1回目で脂肪を除去した目の下は組織構造が変わっている

1回目の手術で眼窩脂肪(がんかしぼう=目の周りの骨の中にある脂肪)を除去すると、脂肪があった空間に瘢痕組織が形成されます。

この瘢痕は周囲の筋肉や結膜に癒着(ゆちゃく=組織同士がくっつく)するため、2回目の手術では剥離操作がより繊細になります。

加えて、眼窩隔膜(がんかかくまく=脂肪を包む薄い膜)も1回目の手術で切開されているため、脂肪の位置や動きが変化しているケースが多くみられます。こうした組織変化を正しく把握したうえで手術計画を立てる必要があるでしょう。

2回目の脱脂で起こりやすい術中のトラブルとは

瘢痕組織の影響で、脂肪と周囲の組織の境界が不明瞭になりやすいのが2回目の特徴です。1回目のように脂肪だけを丁寧に取り出すのが難しくなり、出血のリスクや、意図しない組織損傷の可能性が高まります。

とくに経結膜アプローチ(まぶたの裏側から行う方法)の場合、結膜の瘢痕が強く残っていると、切開の位置や深さの判断がより慎重さを要します。このため、再手術の経験が豊富な医師のもとで受けることが大切です。

1回目と2回目の脱脂手術の違い

項目1回目2回目
組織の状態未手術で柔軟瘢痕・癒着あり
脂肪の量十分に存在減少している
手術の難易度標準的やや高い
医師の経験一般的な技術再手術の実績が必要

再手術では医師の経験値が結果を大きく左右する

2回目の脱脂手術は、初回手術とは異なる解剖学的知識と手技が必要です。瘢痕組織の中から安全に脂肪を見分けて操作するには、再手術を数多くこなしてきた医師でなければ対応できない場面も出てきます。

カウンセリングの段階で、過去にどれくらい再手術を行ってきたか、どのような術式で対処したかを具体的に聞くことが、結果を左右する大切な一歩といえるでしょう。

脱脂2回目が必要になる原因と再手術に適した時期の見きわめ方

再手術を検討する背景には、1回目の術後に満足できなかったという共通の悩みがあります。しかし、その原因は一つではなく、脂肪の取り残し・加齢による変化・術式のミスマッチなど、複数の要因が絡み合っているケースがほとんどです。

脂肪の取り残しによる「ふくらみの再発」が最多の理由

2回目の手術を受ける方のなかで最も多いのが、初回の手術で脂肪を十分に除去できなかったケースです。

目の下には内側・中央・外側の3つの脂肪パッド(脂肪のかたまり)があり、このうち一部しか処理されていないと、時間の経過とともに残った脂肪が目立つようになります。

とくに外側の脂肪パッドは視野が狭く、経験の浅い医師では取り残しが起きやすい部位です。術後3か月以上経過しても膨らみが気になる場合は、取り残しの可能性を疑ってよいかもしれません。

加齢や体重変化で新たなたるみが生じるケースも

1回目の手術で十分に脂肪を除去できていても、加齢に伴って眼窩隔膜が緩み、新たな脂肪の突出が起こる場合があります。眼窩脂肪そのものが増えるわけではなく、脂肪を支えていた膜や靭帯が弱くなり、再び膨らみが現れる仕組みです。

また、大幅な体重増加があった際も、脂肪細胞の体積が増えることで目の下のふくらみが再発する場合があるでしょう。このように、手術自体は成功していても加齢や体型変化で再手術が視野に入るケースは珍しくありません。

ティアトラフ(涙袋の下のくぼみ)の悪化が再手術の引き金になる

脂肪の過剰除去によって目の下がくぼみ、ティアトラフ(涙袋の下にできる溝状のくぼみ)がかえって目立つようになる場合があります。くぼみが強くなるとクマの影が深くなり、「手術前よりも疲れて見える」と感じる方もいます。

こうしたケースでは、単なる追加脱脂ではなく脂肪注入やヒアルロン酸による補填を組み合わせた治療が選択されることが多いです。原因を正確に見きわめたうえで、適切な術式を選ぶことが結果に直結します。

再手術を検討する主な理由

原因特徴対処法
脂肪の取り残し局所的なふくらみが残る追加脱脂
加齢による脂肪突出膜の緩みで再膨らみ脱脂+膜の補強
脂肪の過剰除去くぼみ・影が強調脂肪注入
左右差片側だけ膨らみが残る微調整の脱脂

クマ取り2回目の手術で注意すべきリスクと合併症

再手術では、1回目にはほとんど心配のなかったリスクが現実味を帯びてきます。瘢痕や癒着の存在がすべてのリスクを底上げするため、術前の十分な説明と同意のもとで手術を受けることが大切です。

下まぶたの位置異常(外反・下垂)は2回目に発生しやすい

再手術において注意すべき合併症の一つが、下まぶたが下方に引っ張られる「下眼瞼外反(かがんけんがいはん)」や下垂です。1回目の手術で結膜や皮膚に瘢痕が残っていると、2回目の切開で組織の柔軟性がさらに低下し、まぶたの位置が下がりやすくなります。

軽度であれば術後のマッサージやテーピングで改善できる場合もありますが、重度の場合は修正手術が必要になることもあります。

眼窩脂肪の取りすぎで「くぼみ目」になるリスク

2回目の手術では、すでに1回目で脂肪が減っている状態からさらに除去することになるため、取りすぎてくぼんでしまうリスクが高まります。目の下がくぼむと、影が強調されてかえって老けた印象を与えかねません。

2回目の脱脂で注意が必要な合併症

合併症発生リスク予防策
下まぶたの外反1回目より高い適切な術式選択
くぼみ(陥凹)脂肪量の見きわめが鍵控えめな除去量
内出血の遷延瘢痕で止血が難しい術後安静の徹底
左右非対称組織差で生じやすい術中の細やかな調整

瘢痕組織による出血リスクと術後回復への影響

1回目の手術で形成された瘢痕組織には細かい血管が多く走っているため、2回目の操作で出血が起こりやすくなります。出血量が増えると術後の内出血(あざ)が広範囲になり、ダウンタイムが長引く場合があります。

このリスクを軽減するためには、術前に抗凝固薬やサプリメント(ビタミンEなど)の服用を控えるよう指示されるのが一般的です。術後も激しい運動や入浴を一定期間避けると、出血リスクを下げられます。

2回目の脱脂で期待できる効果と満足度を高める方法

リスクばかりに目が向きがちですが、2回目の脱脂でしっかりと改善を得ている方は数多くいます。1回目で残ったふくらみやくぼみの悩みが解消されれば、顔全体の印象が大きく若返るケースも珍しくありません。

取り残し脂肪の除去で目の下のフラットなラインを取り戻せる

1回目で処理しきれなかった脂肪パッドを2回目で適切に除去すれば、目の下のラインがなめらかになり、クマの原因である影が解消されます。

とくに内側の脂肪パッドが残っていた場合、この部位を丁寧に処理するだけで劇的に印象が変わることがあります。

ふくらみが取れることで涙袋がくっきり見えるようになり、目元全体が若々しく明るくなったと感じる方が多いです。

脂肪注入やヒアルロン酸を併用することで自然な仕上がりになる

2回目の手術では、脂肪を取る方向だけでなく「足す」方向のアプローチも組み合わせるのがポイントです。くぼみが生じている場合には、ご自身のお腹や太ももから採取した脂肪を目の下に注入する方法が有効とされています。

ヒアルロン酸注入であれば手術を伴わず、ダウンタイムも短く済むため、手軽に凹凸を整えたい方にも選ばれています。

ただし、ヒアルロン酸は時間とともに吸収されるため、効果の持続性では脂肪注入のほうが優れているといえるでしょう。

再手術後の満足度を上げるために医師と共有すべきゴール設定

2回目の手術では「完璧な仕上がり」を目指すよりも、「1回目で残った不満をどこまで改善できるか」を現実的に話し合うことが大切です。

医師とのカウンセリングで、理想のゴールと医学的に達成可能な範囲をすり合わせておけば、術後のギャップを最小限に抑えられます。

写真を使って具体的なイメージを共有したり、術式ごとのメリット・デメリットを説明してもらったりすると、納得感のある判断ができるでしょう。

  • 術前写真で左右差や凹凸を具体的に確認する
  • 改善できる範囲とできない範囲を事前に明確にする
  • 術後の経過写真を見せてもらい、仕上がりの参考にする

再手術を受けるクリニック選びで後悔しないための判断基準

2回目の手術は1回目以上にクリニック選びが結果を左右します。再手術には独自の技術と経験が求められるため、「1回目を受けたクリニックにそのまま任せる」のではなく、改めて広い視野で比較検討することが賢明です。

クマ取り・脱脂の再手術実績を公開しているクリニックを選ぶ

再手術の経験が豊富なクリニックほど、術式のバリエーションや合併症への対処法を多く持っています。ホームページやカウンセリングで、再手術の症例数や経過写真を確認できるかどうかは大きな判断材料になるでしょう。

実績を公開していないクリニックが必ずしもダメというわけではありませんが、情報開示に積極的な施設のほうが安心感は高いといえます。

カウンセリングで「やらないほうがいい」と言える医師は信頼できる

再手術のカウンセリングで、「あなたのケースでは再手術のメリットは少ない」「別のアプローチを検討したほうがいい」と正直に伝えてくれる医師は、患者さんの利益を第一に考えている証拠です。

クリニック選びで確認したい項目

確認項目理想的な回答例
再手術の年間症例数具体的な数字を提示できる
術式の選択肢脱脂・注入・併用など複数を提案
リスク説明デメリットも包み隠さず説明する
保証やフォロー体制術後の定期検診を含めて案内

セカンドオピニオンを積極的に活用する

1回目の手術を受けたクリニックだけでなく、別の医師の意見を聞くことは決して失礼ではありません。むしろ、複数の医師の見解を比較すると、より客観的な判断ができるようになります。

セカンドオピニオンを受ける際は、1回目の手術記録やカルテをできるだけ持参しましょう。術式や脂肪の除去量がわかれば、次の医師がより正確な判断を下しやすくなります。

クマ取り2回目のダウンタイムと術後ケアで押さえるべき注意点

2回目のダウンタイムは、1回目よりやや長引く傾向があります。瘢痕組織の剥離を伴うため腫れや内出血が出やすく、日常生活に復帰できるまでの期間を余裕をもって見積もっておくことが大切です。

腫れと内出血は1回目より強く出ることを想定しておく

瘢痕組織のある部位を操作すると、周囲の血管が傷つきやすくなるため、術後の腫れと内出血が1回目より目立つときがあります。一般的には術後1〜2週間が腫れのピークとなり、その後2〜4週間かけて徐々に引いていくパターンが多いです。

冷却(アイシング)を術後すぐから適切に行うと、腫れの軽減に効果があるとされています。ただし冷やしすぎは血行不良を招くため、医師の指示に従った時間と頻度を守りましょう。

術後1か月間は目元への刺激を徹底的に避ける

メイク・コンタクトレンズ・目をこする動作は、術後の傷の治りを遅らせるだけでなく、感染リスクを高めます。とくに2回目の術後は結膜や皮下組織が繊細な状態にあるため、少なくとも1か月間はできるだけ目元に触れないよう意識してください。

洗顔時もゴシゴシ洗わず、泡でやさしく包むようにするのがポイントです。就寝中に無意識で目をこするクセがある方は、保護テープの使用を医師に相談するとよいでしょう。

術後の通院スケジュールは自己判断で省略しない

2回目の術後は経過観察がとくに大切です。腫れの引き具合や組織の治癒状態を医師に定期的にチェックしてもらうと、万が一のトラブルにも早期に対処できます。

「前回も大丈夫だったから今回も平気だろう」という思い込みは禁物です。再手術は組織の反応が読みにくいため、術後1週間・2週間・1か月・3か月のタイミングでの受診をしっかり守ってください。

術後のケアスケジュール目安

時期注意事項受診目安
術後1〜3日冷却・安静を徹底翌日検診
術後1〜2週間腫れのピーク、入浴は控える1週間後に抜糸(該当時)
術後1か月メイク解禁の目安経過確認
術後3か月最終的な仕上がりの評価完成度の判定

脱脂2回目を避けるために1回目で意識しておきたい3つのこと

そもそも2回目の手術が必要にならないのが理想です。1回目の段階で適切なクリニック選びと術式決定ができていれば、再手術の可能性を大幅に下げられます。

脂肪除去だけでなく「脂肪の再配置」も検討する

  • 脂肪除去のみだと将来的にくぼみが生じやすい
  • 脂肪再配置は除去した脂肪をくぼみに移動させる方法
  • ティアトラフの溝を同時に改善できる利点がある

近年の下眼瞼形成術では、眼窩脂肪をただ取り除くのではなく、くぼんだ部位(とくにティアトラフ)に移動させる「脂肪再配置(リポジショニング)」が注目されています。

脂肪を「減らす」と「足す」の両方を一度に行えるため、術後のくぼみリスクを低減でき、再手術の可能性を抑えやすくなります。

術前のシミュレーションと丁寧なカウンセリングが再手術予防の鍵

1回目の手術前に、術後の仕上がりイメージを医師と十分にすり合わせることが再手術予防につながります。目の下の脂肪の量は人によって大きく異なり、「どの程度取るか」は一律には決められません。

シミュレーション写真や他の患者さんの経過写真を参考に、具体的なゴールを共有しておくと、「思っていたのと違う」というギャップが生まれにくくなります。

術後の経過を焦らず3〜6か月見守ることも再手術を防ぐ

手術直後は腫れや内出血の影響で仕上がりを正確に判断できません。「効果が出ていない」と感じても、実は腫れが引けば満足のいく結果になっていたというケースも少なくないのです。

焦って早期に再手術を決めてしまうと、本来は不要だった手術を受けてしまうリスクがあります。最終的な仕上がりの評価は術後3〜6か月が目安です。その時点でもまだ改善の余地が感じられる場合に、はじめて再手術を検討しても遅くはありません。

よくある質問

目の下の脱脂手術は2回目でも効果を実感できますか?

2回目の脱脂手術でもしっかりと効果を実感している方は多くいらっしゃいます。とくに1回目で脂肪が取り残されていたケースでは、残りの脂肪を適切に除去するだけで目元の印象が大きく改善されます。

ただし、2回目は1回目と比べて除去できる脂肪量が限られるため、期待値については事前に医師と十分に話し合っておきましょう。

目の下の脱脂2回目の手術を受けるまでにどのくらいの期間を空ける必要がありますか?

一般的には、1回目の手術から少なくとも6か月以上空けることが推奨されています。腫れや内出血が完全に引き、組織が安定するまでには3〜6か月かかるため、それ以前に再手術を行うと正確な判断が難しくなります。

また、瘢痕が成熟して柔らかくなるのにも一定の期間が必要です。焦って早期に再手術を受けると、かえって合併症のリスクが高まる場合があるため、医師の指示に従って適切なタイミングを見きわめましょう。

目の下の脱脂を2回受けると、将来くぼみが目立つようになりますか?

2回にわたって脂肪を除去すると、将来的に目の下がくぼむ可能性はゼロではありません。とくに脂肪の総量が大きく減った状態では、加齢に伴う組織のやせが進んだときにくぼみが顕著になるケースがあります。

このリスクを避けるには、2回目の手術で無理に脂肪を取りすぎないことが大切です。必要に応じて、脂肪注入などのボリューム補填を併用すると、将来のくぼみリスクを軽減できます。

目の下のクマ取り2回目のダウンタイムは1回目より長くなりますか?

多くの場合、2回目のダウンタイムは1回目よりやや長引く傾向があります。瘢痕組織を剥離しながら手術を行うため、腫れや内出血が1回目より広範囲に出やすく、完全に引くまでに2〜4週間程度かかる場合があります。

ただし個人差も大きく、1回目と同程度のダウンタイムで済む方もいらっしゃいます。術後の冷却や安静をしっかり守ると、回復を早める助けになるでしょう。

目の下の脱脂は3回目以降も受けられますか?

医学的には3回目以降の手術も不可能ではありませんが、回数を重ねるほど組織の瘢痕化が進み、手術の難易度とリスクが上がります。3回目以降は、脱脂ではなく脂肪注入やヒアルロン酸注入など、別のアプローチを検討するほうが安全な場合もあります。

いずれにしても、複数回の手術を経た組織の状態を正確に評価できる経験豊富な医師に相談することが欠かせません。ご自身の状態を総合的に判断してもらい、一番リスクの少ない方法を選択してください。

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この症例の担当医・監修医

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 ポノクリニック東京 院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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