表ハムラ法と裏ハムラ法の違い比較|傷跡・ダウンタイム・適応の差

目の下のクマやたるみを根本から改善する方法として、ハムラ法は高い評価を受けている術式です。ただし、表ハムラ法と裏ハムラ法では切開する場所が異なるため、傷跡の残り方やダウンタイムの長さ、そして適応できる症状に明確な差があります。

「自分にはどちらが合っているのだろう」と悩んでいる方は少なくないでしょう。この記事では、2つの術式の特徴・メリット・注意点を比較しながら、あなたに合った選択を後押しできるよう丁寧に解説していきます。

目次

表ハムラ法と裏ハムラ法は切開の位置がまったく異なる

表ハムラ法と裏ハムラ法の最大の違いは、切開する場所が「皮膚側」か「まぶたの裏側(結膜側)」かという点にあります。この違いが傷跡やダウンタイム、適応範囲のすべてに直結するため、まずは基本をしっかり押さえておきましょう。

ハムラ法とは眼窩脂肪を移動させて目の下のクマやたるみを改善する術式

ハムラ法は、目の下に突出した眼窩脂肪(がんかしぼう)を切除するのではなく、凹んだ部分へ移動させることで滑らかな目元をつくる手術です。脂肪を除去する従来の方法では術後に目の下がくぼんでしまうケースがありましたが、ハムラ法は脂肪を有効活用するため、自然で若々しい仕上がりが期待できます。

この考え方を世界に広めたのが、アメリカの形成外科医であるSam T. Hamra医師です。1990年代に発表された脂肪温存の概念は、下眼瞼形成術(かがんけんけいせいじゅつ)の流れを大きく変えました。

表ハムラ法は皮膚側、裏ハムラ法はまぶたの裏側から切開する

表ハムラ法では、下まつげの生え際に沿って皮膚を切開します。皮膚と筋肉を持ち上げながら眼窩脂肪にアクセスし、脂肪を下方の凹みへ移動・固定する方法です。皮膚のたるみや余りがある場合は、同時に取り除くことも可能でしょう。

一方、裏ハムラ法は下まぶたの裏側にある結膜(けつまく)から切開します。皮膚には一切メスを入れないため、外から見える傷が残りません。脂肪の移動は表ハムラ法と同様に行いますが、皮膚の切除はできないという制約があります。

表ハムラ法と裏ハムラ法の基本比較

比較項目表ハムラ法裏ハムラ法
切開場所下まつげの際(皮膚側)まぶたの裏側(結膜側)
皮膚の切除可能不可
外から見える傷一時的にありなし
対応できる症状たるみ+脂肪突出脂肪突出が中心

2つの術式を選ぶ際に大切な判断基準

どちらの術式が優れているかという単純な優劣はありません。大切なのは、ご自身の目の下の状態に合った方法を選ぶことです。皮膚のたるみが目立つのか、脂肪の突出だけが気になるのかによって、適した術式は変わります。

年齢や皮膚の質感、目元の骨格によっても判断は異なるため、経験豊富な医師と相談しながら決めていくことが大切です。

表ハムラ法の手術方法と特徴|皮膚側から切開する経皮的アプローチ

表ハムラ法は、下まつげの際を切開して眼窩脂肪を移動させる経皮的アプローチです。皮膚や筋肉のたるみも同時に改善できるため、加齢による変化が進んだ方に適しています。

下まつげの際を切開し眼窩脂肪を移動・固定する

手術では、下まつげの生え際から1〜2mm下の位置に切開線を置きます。皮膚と眼輪筋(がんりんきん)を一体で持ち上げたフラップを作り、眼窩隔膜(がんかかくまく)を露出させます。

眼窩隔膜を切開して脂肪にアクセスしたら、突出した脂肪を眼窩下縁(がんかかえん)の凹んだ部分へ移動させ、細い縫合糸で固定します。脂肪を除去するのではなく温存して再配置するため、術後にくぼみが生じにくい点が特徴です。

皮膚や筋肉のたるみも同時に取り除ける

表ハムラ法の大きな利点は、脂肪移動と同時に余った皮膚や弛緩した筋肉も処理できることです。加齢に伴い、目の下の皮膚は薄く伸びてしまうことがあります。裏ハムラ法では皮膚を切除できないため、たるみが顕著な方には表ハムラ法が向いているといえるでしょう。

また、眼輪筋の引き締めや外眼角(がいがんかく)の補強も同時に行えるケースがあり、複合的な目元の若返りが期待できます。

表ハムラ法が向いている方の特徴

目の下の脂肪突出に加え、皮膚のたるみやしわが目立つ方には表ハムラ法が適しています。とくに50代以降の方や、長年の紫外線ダメージで皮膚の弾力が低下している方は、皮膚切除を伴う表ハムラ法のほうが仕上がりの満足度が高い傾向にあります。

加えて、目の下のクマだけでなく中顔面(ちゅうがんめん)全体のリフトアップを希望される場合にも、表ハムラ法は選択肢に入るでしょう。

  • 目の下の脂肪突出と皮膚のたるみが両方ある方
  • 50代以降で皮膚の弾力が低下している方
  • 以前に脂肪除去術を受けて凹みが生じた方
  • 中顔面のリフトアップも同時に検討したい方

裏ハムラ法はなぜ人気がある? まぶた裏から切開する経結膜的アプローチ

裏ハムラ法は、皮膚に傷を残さないという大きなメリットから、近年とくに人気の高い術式です。経結膜的アプローチと呼ばれるこの方法は、腫れや内出血が比較的抑えられ、ダウンタイムの短さでも支持を集めています。

結膜側を切開するため皮膚に傷が残らない

裏ハムラ法は、下まぶたの裏側にある結膜を切開して脂肪にアクセスします。皮膚にはメスを入れないため、術後に外から見える傷跡が生じません。この「傷が見えない」というメリットは、接客業や人前に出る仕事をしている方にとって非常に魅力的でしょう。

結膜の傷は粘膜組織であるため治癒が早く、通常は1週間程度で自然に閉鎖します。縫合が必要ないケースも多く、抜糸の通院が不要な場合もあります。

腫れや内出血が比較的少なく回復が早い

皮膚や筋肉を切開しない裏ハムラ法は、組織へのダメージが表ハムラ法よりも少なくなります。そのため、術後の腫れや内出血が比較的軽度で済む傾向があるでしょう。

術後の経過表ハムラ法裏ハムラ法
腫れのピーク術後2〜3日術後1〜2日
内出血の持続約2〜3週間約1〜2週間
抜糸術後5〜7日不要な場合が多い
メイクの再開抜糸後から術後3〜5日程度

裏ハムラ法が向いている方の特徴

皮膚にたるみがほとんどなく、目の下の膨らみや凹みが主な悩みである方に裏ハムラ法は向いています。20代後半〜40代の比較的若い年齢層で、皮膚の弾力がまだ保たれている方が良い適応です。

「仕事を長期間休めない」「周囲に気づかれたくない」という方にとっても、傷が外から見えずダウンタイムが短い裏ハムラ法は心強い選択肢になるかもしれません。

傷跡の違いが気になるあなたへ|表ハムラ法・裏ハムラ法の術後経過

表ハムラ法と裏ハムラ法のどちらを選ぶかを決めるとき、多くの方が真っ先に気にするのが傷跡の問題です。結論としては、表ハムラ法は時間の経過とともに目立たなくなる外傷、裏ハムラ法は外から見えない内側の傷という違いがあります。

表ハムラ法の傷跡はまつげの生え際に沿って残る

表ハムラ法の切開線は、下まつげの生え際に沿って設けられます。術直後はどうしても赤みや腫れが目立ちますが、時間とともに傷は徐々に白く退色していきます。

一般的に3〜6か月ほどで傷跡はかなり目立たなくなり、まつげに隠れる位置にあるため至近距離でじっくり見ないとわからない程度に落ち着くでしょう。ただし、ケロイド体質の方や傷の治りが遅い方は、事前に医師へ伝えておくことが大切です。

裏ハムラ法の傷跡は外から見えない

裏ハムラ法の傷は結膜側にあるため、外見上は一切わかりません。これは裏ハムラ法を選ぶ方にとって最大のメリットといえるでしょう。

結膜は血流が豊富な粘膜組織なので、傷の治癒スピードも速い傾向にあります。術後数日で結膜の切開部は自然に閉じていき、違和感も短期間でなくなっていくのが通常の経過です。

傷跡の経過を左右するアフターケア

どちらの術式でも、術後のアフターケアは仕上がりの質に大きく影響します。とくに表ハムラ法の場合、傷口への紫外線対策を怠ると色素沈着が起こりやすくなるため、日焼け止めやサングラスによる保護が重要です。

裏ハムラ法でも、術後しばらくはコンタクトレンズの装用を控え、目を強くこすらないよう注意しましょう。処方された点眼薬や軟膏は指示どおりに使用し、定期的な経過観察を受けてください。

ケア項目表ハムラ法裏ハムラ法
紫外線対策傷口保護のため必須通常の日焼け対策
コンタクト再開抜糸後1週間程度約1週間後
洗顔・入浴翌日からシャワー可翌日からシャワー可
目元のメイク抜糸後から3〜5日後から

ダウンタイムの長さと過ごし方|表ハムラ法・裏ハムラ法を比較

表ハムラ法のダウンタイムは約2〜3週間、裏ハムラ法は約1〜2週間が一般的な目安です。仕事や日常生活への復帰スケジュールを考えるうえで、この差は見逃せないポイントになるでしょう。

表ハムラ法のダウンタイムは約2〜3週間が目安

表ハムラ法では皮膚を切開するため、術後の腫れや内出血が裏ハムラ法よりも目立ちやすくなります。術後2〜3日がピークで、その後は少しずつ引いていきますが、内出血の黄色い変色が完全に消えるまでには2〜3週間かかるケースが多いでしょう。

抜糸は通常5〜7日後に行い、そこからメイクが可能になります。ただし、傷口周辺の赤みは数か月かけて徐々に退色するため、完全に落ち着くまでにはある程度の期間を見込んでおくと安心です。

裏ハムラ法のダウンタイムは約1〜2週間が目安

裏ハムラ法は皮膚への侵襲が少ないため、腫れや内出血の程度が表ハムラ法に比べて軽い傾向にあります。術後1〜2日が腫れのピークで、多くの方は1週間程度で人前に出られる状態まで回復するでしょう。

時期表ハムラ法の経過裏ハムラ法の経過
術後1〜3日強い腫れ・内出血中程度の腫れ
術後1週間抜糸・腫れ減少ほぼ日常復帰可能
術後2〜3週間内出血がほぼ消失ほぼ完全に回復
術後1〜3か月傷跡が徐々に退色最終的な仕上がり

日常生活への復帰スケジュール

デスクワーク中心の方であれば、表ハムラ法で1週間程度、裏ハムラ法で3〜5日程度で復帰できるケースが一般的です。ただし、激しい運動や長時間のうつむき姿勢は腫れを悪化させるおそれがあるため、術後2〜3週間は控えたほうがよいでしょう。

飲酒や長風呂も血行を促進して腫れが長引く原因になりかねません。術後しばらくは医師の指示に従い、安静を心がけることが回復を早めるコツです。

表ハムラ法と裏ハムラ法の適応の差を分けるポイント

どちらの術式を選ぶかは、目の下の状態・年齢・皮膚の質によって決まります。脂肪の突出量だけでなく、皮膚のたるみ具合や筋肉の緊張度を総合的に評価したうえで、医師が判断するのが一般的です。

皮膚のたるみが強い方は表ハムラ法が適している

目の下の脂肪が突出しているだけでなく、皮膚がたるんで余っている状態であれば、表ハムラ法がより効果的です。裏ハムラ法では皮膚を切除できないため、たるみが改善しきれずに仕上がりに不満が残る可能性があります。

とくに加齢によって眼輪筋の緊張が低下し、目の下がゆるんで見える方は、表ハムラ法で筋肉の引き締めまで行うことで、より若々しい印象を取り戻せるでしょう。

若年層や皮膚の余りが少ない方は裏ハムラ法が有利

20代後半〜40代で、皮膚のたるみはないものの脂肪の突出やティアトラフ(涙袋の下の凹み)が気になるという方には裏ハムラ法が向いています。皮膚の弾力がしっかり保たれていれば、脂肪の再配置だけで十分な改善が見込めるためです。

傷跡を残したくない方や、社会復帰までの時間を短くしたい方にとって、裏ハムラ法は非常に合理的な選択でしょう。

医師のカウンセリングで総合的に判断してもらおう

表ハムラ法と裏ハムラ法のどちらが適しているかは、写真だけでは判断できません。実際に医師が目の下の皮膚や脂肪、骨格を触診し、表情の動きまで確認したうえで初めて正確な診断が可能になります。

カウンセリングでは、ご自身が気になっている点を遠慮なく伝えましょう。仕事の都合でダウンタイムを短くしたい、傷跡がどうしても心配、といった要望も術式選択に影響する大切な情報です。

  • 皮膚のたるみと脂肪突出の両方が目立つ → 表ハムラ法
  • 脂肪突出・凹みが中心で皮膚のたるみは少ない → 裏ハムラ法
  • 傷跡を絶対に残したくない → 裏ハムラ法
  • ダウンタイムを短くしたい → 裏ハムラ法

ハムラ法で後悔しないためのクリニック選び

ハムラ法は高度な技術を要する手術であり、医師の経験や技量によって仕上がりが大きく左右されます。「どこで受けても同じ」ということは決してないため、クリニック選びは慎重に行いましょう。

症例数と医師の専門性を確認する

目の下の手術を専門的に行っている医師かどうかは、クリニック選びで最も重視すべきポイントです。形成外科や眼形成外科の専門医資格を持ち、下眼瞼形成術の症例を数多く手がけている医師であれば、安心感が違います。

確認項目チェック内容
専門資格形成外科専門医・眼形成外科の経験
症例数ハムラ法の執刀実績が豊富か
術式の選択肢表・裏の両方に対応しているか

カウンセリングで表ハムラ法・裏ハムラ法の両方を説明してもらえるか

一方の術式しか行っていないクリニックでは、患者さんの状態に関わらずその術式を勧められてしまう可能性があります。表ハムラ法と裏ハムラ法の両方に精通し、それぞれのメリット・デメリットを客観的に説明してくれる医師を選ぶことが大切です。

カウンセリング時に、なぜその術式を勧めるのかを具体的な理由とともに説明してもらえるかどうかは、信頼できる医師かどうかの判断材料になるでしょう。

術後のフォロー体制が整っているクリニックを選ぶ

手術は受けたら終わりではありません。術後の経過観察や、万が一のトラブルへの対応体制が整っていることも、クリニック選びでは見落とせない要素です。

術後の定期検診の有無、緊急時の連絡体制、修正手術への対応方針など、事前に確認しておくと安心できます。遠方から通院する方は、術後にどのくらいの頻度で来院する必要があるかも併せて聞いておきましょう。

よくある質問

表ハムラ法と裏ハムラ法では手術時間に差がありますか?

表ハムラ法の手術時間は片側で約40〜60分、裏ハムラ法は片側で約30〜50分が目安です。表ハムラ法は皮膚や筋肉の処理も行うぶん、やや時間がかかる傾向にあります。

ただし、手術時間は術式だけでなく、脂肪の移動量やカンソペクシー(外眼角の補強)の有無によっても変わります。実際の所要時間はカウンセリング時に医師へご確認ください。

裏ハムラ法で目の下の皮膚のたるみまで改善できますか?

裏ハムラ法は結膜側からアプローチするため、皮膚の切除は行えません。軽度のたるみであれば脂肪の再配置によって目立たなくなるケースもありますが、皮膚の余りが中程度以上ある場合には十分な改善が難しいでしょう。

皮膚のたるみが気になる方は、表ハムラ法のほうが適している可能性があります。どちらが適しているかは、実際に医師が目元の状態を診察したうえで判断することになります。

ハムラ法の術後に脂肪が元の位置に戻ってしまうことはありますか?

移動させた脂肪は縫合糸で固定するため、基本的には元に戻りにくい構造です。ただし、固定方法や術後の生活習慣によっては、わずかに後戻りが生じるケースもゼロではありません。

近年は骨膜上固定や骨膜下固定など、より安定性の高い方法が報告されており、長期的な効果の維持が期待できます。信頼できる固定法を採用している医師を選ぶことで、再発リスクを下げられるでしょう。

表ハムラ法の傷跡は何か月くらいで目立たなくなりますか?

個人差はありますが、術後3〜6か月ほどで傷跡はかなり目立たなくなるのが一般的です。切開線はまつげの生え際に沿っているため、時間が経つとまつげに隠れてほぼわからなくなります。

傷の赤みが消えるまでの期間には体質による差があるため、傷跡が気になる場合はテープ保護や遮光ケアを続けることをおすすめします。ケロイド体質など不安がある方は、必ず術前に医師へご相談ください。

ハムラ法は片目だけでも受けられますか?

片目だけの施術も可能です。左右で脂肪の突出量やたるみの程度が異なる場合には、片側のみの手術を選択するケースもあります。

ただし、左右のバランスを整えるためには両側同時に行ったほうが仕上がりの対称性を取りやすい場合もあるため、片側だけにするかどうかは医師とよく相談して決めましょう。

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この症例の担当医・監修医

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 ポノクリニック東京 院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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