スネコス1200とスネコスパフォーマの違い|製剤の選び方

スネコス1200とスネコスパフォーマは、どちらもヒアルロン酸とアミノ酸を組み合わせた注入製剤ですが、配合比率やヒアルロン酸の分子量が異なり、得意とする肌悩みにも差があります。目の下のクマ・たるみ・小ジワのどれを優先して改善したいかによって、選ぶべき製剤は変わってきます。

「どちらを打てばいいのかわからない」という声は、診察でも非常に多く聞かれる相談のひとつです。名前が似ているうえに、どちらもコラーゲンとエラスチンの産生を促す”バイオスティミュレーター”である点は同じなので、違いがわかりにくいのも無理はありません。

この記事では、2つの製剤の成分・効果・施術回数の違いから、自分の肌状態に合った選び方のポイントまでをまとめました。治療を検討するうえでの判断材料としてお役立てください。

目次

スネコス1200とスネコスパフォーマはどこが違うのか

両製剤の最も大きな違いは、ヒアルロン酸の分子量と配合濃度にあります。スネコス1200は高分子量のヒアルロン酸を高濃度で含むため、真皮の深い層に”クッション”を形成しながらコラーゲン再生を促進します。一方、スネコスパフォーマは低分子量のヒアルロン酸を採用し、浅い層まで広がりやすい設計です。

ヒアルロン酸の分子量が生む効果の差

高分子量のヒアルロン酸は水分を大量に保持でき、注入部位にとどまりやすい特徴があります。この性質がボリューム補填力につながるため、深いシワやたるみが気になる方にはスネコス1200が適しています。

低分子量のヒアルロン酸は組織への浸透性が高く、線維芽細胞の受容体に結合しやすいという報告があります。スネコスパフォーマはこの特性を活かし、肌全体の質感改善や浅い小ジワへのアプローチを得意としています。

6種のアミノ酸が担う共通の働き

グリシン、L-プロリン、L-ロイシン、L-リジン、L-バリン、L-アラニンという6種のアミノ酸は、スネコス1200にもパフォーマにも共通して配合されています。この組み合わせはHY6AAと呼ばれ、コラーゲンとエラスチンの原料を線維芽細胞へ届ける役割を担います。

特にアラニンとバリンはエラスチン合成に深く関わるアミノ酸であり、この2種を含む配合バランスがスネコス独自の強みです。ヒアルロン酸だけの注入では得られない弾力回復が期待できるのは、アミノ酸との相乗効果によるものといえます。

スネコスパフォーマは旧スネコス200の進化版

スネコスパフォーマは、2023年にスネコス200を改良して生まれた製剤です。ヒアルロン酸とアミノ酸の配合比率が見直され、ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)による分解を約40%抑制できるようになりました。

その結果、注入部位でのヒアルロン酸の滞留時間が延び、線維芽細胞への刺激がより長く続きます。旧スネコス200と比べて、コラーゲンIV型やエラスチン、フィブロネクチンの産生量が増加したという試験データも報告されています。

比較項目スネコス1200スネコスパフォーマ
ヒアルロン酸分子量高分子量低分子量
主な対象深いシワ・たるみ・ボリューム減少小ジワ・肌質改善・初期老化
注入層真皮深層真皮浅層〜中層
容量2×1.5mL3.5mLプレミックス

スネコス1200が目の下のたるみ・深いクマに向いている根拠

目の下の皮膚は0.5mm前後と非常に薄く、加齢によるコラーゲン減少の影響をいち早く受ける部位です。スネコス1200は高分子量ヒアルロン酸による保水クッションと、アミノ酸によるコラーゲン刺激を同時に発揮するため、ボリュームロスが進んだ目の下に適しています。

高分子量ヒアルロン酸が真皮深層で果たす働き

高分子量のヒアルロン酸は、真皮の深い層に注入されると周囲の水分を吸着して膨潤し、組織を内側から支えるクッションになります。従来のフィラー(充填剤)と異なり、架橋剤(かきょうざい=ヒアルロン酸同士をつなぐ化学物質)を使用していないため、体内で自然に代謝される点が特徴です。

架橋されていないヒアルロン酸は線維芽細胞のCD44受容体と結合し、細胞シグナルを通じてコラーゲンやエラスチンの産生を促します。つまり、ただ隙間を埋めるのではなく、肌自身が構造たんぱくを再建する手助けをする製剤です。

カニューラを使った注入で内出血を軽減できる

スネコス1200は粘度が高いため、先端が丸いカニューラ(鈍針)を使って真皮深層に注入するのが一般的です。鋭い針と比べて血管を損傷しにくく、目の下のように血管が密集したデリケートな部位でも内出血のリスクを抑えやすくなります。

もちろんリスクがゼロになるわけではなく、施術者の解剖学的な知識と経験が結果を大きく左右します。治療を受ける際は、目の下の注入実績が豊富な医療機関を選ぶことが安心につながるでしょう。

ボリューム補填と肌再生を同時に行える利点

従来のヒアルロン酸フィラーは「凹みを埋める」ことに特化していましたが、スネコス1200はバイオスティミュレーション(生体刺激)を主目的とした製剤です。注入直後にある程度のボリューム感が出つつ、数週間かけてコラーゲンとエラスチンが増えていくため、仕上がりが自然になります。

この二段階の効果により、目の下のくぼみやたるみによる影ジワ、いわゆる「黒クマ」に対して段階的な改善が見込めます。即効性と持続性の両面を兼ね備えている点が、単純なフィラーとの大きな差です。

なお、スネコス1200はあくまでバイオスティミュレーターであり、ヒアルロン酸フィラーのように大きなボリュームを出す製剤ではありません。「自然な範囲でのボリューム回復+肌質改善」を求める方に向いています。

スネコスパフォーマが小ジワや茶クマの改善に力を発揮する仕組み

目の下のクマには複数の原因がありますが、色素沈着が主因の「茶クマ」や浅い小ジワが目立つケースでは、皮膚の浅い層にアプローチするスネコスパフォーマのほうが効率的に働きます。

低分子量ヒアルロン酸ならではの浸透力

分子量が50〜250kDaの低分子量ヒアルロン酸は、真皮の浅い層から中層に均一に広がりやすいという特徴を持っています。広い面積にまんべんなく行きわたるため、肌全体のキメや水分量を底上げしたいときに適した製剤といえるでしょう。

水分量が増えると肌のターンオーバーが正常化し、メラニンの排出も促されます。茶クマの原因である色素沈着は一朝一夕には消えませんが、肌代謝の改善が地道な色素排出を後押しする可能性があります。

また、低分子量ヒアルロン酸は細胞間の情報伝達にも関与し、線維芽細胞のコラーゲン合成を活性化するシグナルを送る役割を担っていると考えられています。

プレミックス処方による施術時間の短縮

スネコスパフォーマは3.5mLのプレミックスバイアル(あらかじめ混合済みのバイアル)で供給されるため、施術直前の調合作業が不要です。旧スネコス200では凍結乾燥アミノ酸とヒアルロン酸を手動で混ぜる手順がありましたが、その工程が省かれたことで調合ミスのリスクが減り、施術時間も短くなりました。

30代のエイジングケアから60代の肌質改善まで幅広く対応

スネコスパフォーマは、肌老化の初期段階にも進行した段階にも使用できる汎用性の高い製剤です。30代で目の下に浅い小ジワが気になり始めた方から、60代で肌のハリを少しでも取り戻したい方まで、幅広い年齢層に処方されています。

さらに、スネコス1200と組み合わせた「コンビネーションプロトコル」も臨床現場では広く行われており、まず1200でボリュームとコラーゲンの土台を作り、続いてパフォーマで肌質を整えるというアプローチが一般的です。

コンビネーションプロトコルの流れ

  • 初回〜3回目:スネコス1200を7〜10日間隔で注入
  • 4回目:スネコスパフォーマで仕上げの肌質ケア
  • 維持:6か月ごとにパフォーマでメンテナンス

スネコスの施術回数・間隔・持続期間を製剤ごとに比べると

スネコス1200は通常3〜4回、スネコスパフォーマも3〜4回のセッションが推奨されており、基本的な回数に大きな差はありません。ただし、1回あたりの注入量や目的が異なるため、治療スケジュールの組み方には違いが出ます。

セッション間隔と効果発現のタイミング

どちらの製剤も7〜10日おきの施術が標準的なプロトコルです。1回目の注入後から肌の水分量やハリ感の向上を実感する方は少なくありませんが、コラーゲンやエラスチンの産生には時間がかかるため、外見上の変化が明確になるのは2〜3回目以降と考えてください。

目の下のクマ改善を目的とする場合、最終施術から約1か月後に最も効果を感じやすいという報告があります。焦らず治療スケジュールを守ることが、満足度の高い仕上がりにつながります。

効果はどのくらい持続するのか

個人差はありますが、スネコスの効果持続は一般的に6〜9か月とされています。スネコス1200はボリューム補填効果が加わるぶん、やや長持ちする傾向があるかもしれません。一方、パフォーマはヒアルロニダーゼによる分解を抑制する設計のため、旧スネコス200よりも持続期間が延びたと評価されています。

メンテナンスで効果を長く保つ工夫

初回コースの終了後は、6か月に1回程度のメンテナンス施術を行うことで効果を維持しやすくなります。メンテナンスにはスネコスパフォーマ単体を使用するケースが多く、1回の施術で肌のハリや潤いをリフレッシュします。

日焼け対策や保湿ケアなどの日常的なスキンケアも持続期間に影響するため、治療だけに頼らず総合的にケアする意識が大切です。

喫煙やストレス、慢性的な睡眠不足もコラーゲン分解を促進する因子です。せっかくの治療効果を最大限に引き出すためにも、生活習慣の見直しが効果持続の鍵になります。

項目スネコス1200スネコスパフォーマ
推奨回数3〜4回3〜4回
施術間隔7〜10日7〜10日
効果持続の目安約6〜9か月約6〜9か月
メンテナンス6か月ごとにパフォーマ6か月ごとにパフォーマ

目の下のクマ治療でスネコス製剤を選ぶとき医師が重視する3つの視点

クマの原因は一つではなく、色素沈着・血行不良・たるみ・脂肪の突出など複数の要因が重なっている場合がほとんどです。どちらの製剤が合うかは、医師がこれらの要因を総合的に評価したうえで判断します。

クマのタイプ別に考える製剤選択

目の下のクマは一般的に「茶クマ」「青クマ」「黒クマ」の3タイプに分類されます。茶クマは色素沈着が主因であり、肌代謝を高めるスネコスパフォーマとの相性がよいとされています。

青クマは皮膚の菲薄化(ひはくか=皮膚が薄くなること)により血管の色が透けて見える状態であり、真皮の厚みを回復させるスネコス1200が候補に上がります。黒クマはたるみや脂肪突出による影が原因のため、ボリューム補填力のあるスネコス1200を軸に検討するケースが多いでしょう。

皮膚の厚さとたるみの程度から判断する

診察では、医師がピンチテスト(皮膚を軽くつまむ検査)やストレッチテスト(皮膚を引っ張る検査)で皮膚の弾力や厚みを確認します。皮膚が薄くハリが失われている場合は、まずスネコス1200で真皮のコラーゲン密度を高め、その後パフォーマで表面の質感を整えるプランが検討されます。

年齢や肌の状態によって優先順位が変わる

40代前半でまだたるみが目立たない段階であれば、パフォーマ単体の施術で十分な改善が得られるケースも珍しくありません。しかし50代後半以降でボリュームロスが進行している場合は、1200を先に使うことで土台を再建し、パフォーマによる仕上げと組み合わせる二段構えの治療が勧められることが多いです。

大切なのは、自分で製剤を決め打ちするのではなく、医師の診察を受けたうえで最も効果的な組み合わせを提案してもらうことです。同じ「目の下のクマ」でも原因や深さは一人ひとり異なるため、画一的な処方ではなく、個別の状態に合わせたオーダーメイドの治療計画が求められます。

クマのタイプ主な原因推奨されやすい製剤
茶クマ色素沈着スネコスパフォーマ
青クマ皮膚の菲薄化スネコス1200
黒クマたるみ・脂肪突出スネコス1200

スネコス注射を受ける前に知っておきたいリスクと注意点

スネコスは非架橋ヒアルロン酸とアミノ酸から構成されるため、架橋型フィラーと比べると重篤な副作用は起こりにくい製剤です。ただし、注射を伴う施術である以上、知っておくべきリスクは存在します。

施術直後に起こりうる一般的な反応

注入部位の赤み、腫れ、軽い痛みは多くの方に見られる一過性の反応です。特に目の下は皮膚が薄いため腫れが目立ちやすく、翌日まで持続することがあります。ほとんどの場合、数日以内に自然に落ち着きます。

内出血が起きた場合は1〜2週間で吸収されるのが一般的ですが、大事な予定がある場合は2週間ほど余裕を持ったスケジュールで施術を計画するとよいでしょう。

施術を受けられない方の条件

ヒアルロン酸やアミノ酸にアレルギーのある方、注入部位に活動性の感染や炎症がある方は施術を受けることができません。妊娠中・授乳中の方も対象外です。自己免疫疾患のある方は、事前に必ず医師へ申告してください。

施術後のケアで仕上がりに差がつく

施術当日は激しい運動、サウナ、飲酒を控えることが推奨されます。注入部位を強くこすったりマッサージしたりすることも避けてください。

翌日からメイクは可能ですが、日焼け止めをしっかり塗って紫外線から肌を守ることが効果を長持ちさせるポイントです。紫外線はコラーゲンやヒアルロン酸の分解を促進するため、せっかくの治療効果を損なわないよう日常的な紫外線対策を続けてください。

  • 施術当日:激しい運動・サウナ・飲酒は控える
  • 施術翌日以降:メイク可。日焼け止め必須
  • 1週間程度:注入部位へのマッサージは避ける

よくある質問

スネコス1200とスネコスパフォーマは同時に注入できますか?

はい、同じ施術日にスネコス1200とスネコスパフォーマを併用することは可能です。臨床では、まずスネコス1200を真皮の深い層に注入してボリュームの土台を作り、続いてパフォーマを浅い層に注入して肌質を整える「コンビネーションプロトコル」が広く行われています。

ただし、すべての方に併用が必要なわけではありません。クマの原因や肌の状態によっては、どちらか一方の製剤で十分な効果が得られるケースもあるため、医師の診察のうえで治療計画を決めることが望ましいです。

スネコスの注入に痛みはありますか?

スネコスにはリドカイン(局所麻酔薬)が含まれていないため、注入時にチクチクとした痛みを感じる方はいらっしゃいます。ただし、施術前に麻酔クリームを塗布することで痛みを大幅に軽減できます。

スネコスパフォーマは粘度が低くスムーズに注入できる設計のため、注入時の圧迫感はスネコス1200よりも控えめです。痛みの感じ方には個人差がありますので、不安がある方は事前に担当医師へ相談されることをおすすめします。

スネコスは従来のヒアルロン酸フィラーとどう違いますか?

従来のヒアルロン酸フィラーは架橋剤でヒアルロン酸分子同士を結合させ、シワやくぼみを物理的に埋めることを主な目的としています。対してスネコスは非架橋ヒアルロン酸とアミノ酸の混合製剤であり、線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンの産生を促す「バイオスティミュレーション」を目的としています。

フィラーが「形を作る」治療であるのに対し、スネコスは「肌そのものを若返らせる」治療と考えるとわかりやすいでしょう。両者は目的が異なるため、組み合わせて使われることもあります。

スネコスの効果が出るまでにどのくらいかかりますか?

肌の水分量やハリ感の向上は1回目の施術後数日で実感される方もいますが、コラーゲンやエラスチンが産生されて目に見える変化が現れるまでには通常2〜4週間を要します。推奨される3〜4回のセッション完了後、最終施術から約1か月が効果のピークです。

目の下のクマ改善についても同様で、即日で劇的な変化を期待するよりも、回を重ねるごとに肌が内側から改善していく経過を見守る姿勢が結果に結びつきやすいといえます。

スネコスは目の下以外の部位にも使用できますか?

スネコスは目の下だけでなく、額、頬、口元、首、デコルテ、手の甲など、肌の老化が気になるさまざまな部位に使用できます。特にスネコスパフォーマは顔全体の肌質改善や首のシワ治療にもよく用いられています。

スネコス1200も顔の中顔面やフェイスラインなど、ボリュームロスが気になる部位への注入実績があります。施術部位によって適した製剤や注入量が変わりますので、希望する部位を診察時に伝えて医師と相談してください。

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この症例の担当医・監修医

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 ポノクリニック東京 院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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