頬こけの原因と治療|ボリューム不足だけで考えない若返り
頬がこけて見えると、顔が疲れて見える、老けて見える、痩せすぎた印象に見えることがあります。
一般的には「頬こけ=脂肪が減った」「ボリュームを足せばよい」と考えられがちですが、ポノクリニック東京では、頬こけを単なるボリューム不足だけでは判断しません。
頬こけには、頬骨から皮膚へつながる支持靱帯、皮膚や皮下組織の厚み、ハリ、下顔面の重さ、圧の分布など、複数の構造が関わっています。
そのため、ヒアルロン酸や脂肪注入で外からボリュームを足すだけでは、不自然な膨らみや違和感につながることがあります。大切なのは、「足りないから入れる」ではなく、なぜ凹んで見えているのかを構造から見極めることです。
監修:芝 容平|院長紹介|最終更新:2026年6月5日
頬こけは、単なるボリューム不足ではありません
頬こけを見ると、多くの方は「脂肪が減ったから凹んでいる」と考えます。
たしかに、皮下脂肪の量やバッカルファットのボリュームは頬こけに関係します。しかし、それだけで頬こけが決まるわけではありません。
頬こけが目立つ部位には、頬骨から皮膚へつながる支持靱帯が存在します。この靱帯は、皮膚や皮下組織を深部へ固定する役割を持っています。
そのため、この部位では皮膚が裏側から引き込まれるような力が働きやすく、皮膚や皮下組織の厚み・ハリが低下すると、凹みとして目立ちやすくなります。
つまり、頬こけは「脂肪が少ない場所」ではなく、「支持靱帯により引き込まれやすく、皮膚や皮下組織の支えが負けやすい場所」と考える必要があります。
皮膚の厚みとハリがあると、頬こけは目立ちにくくなります
頬こけの部位に十分な皮膚の厚みとハリがある場合、支持靱帯による引き込みがあっても、表面上は凹みとして目立ちにくくなります。
皮膚や皮下組織に張り返す力があるため、深部から引き込まれる力に対して、表面の組織がある程度抵抗できるからです。
一方で、年齢とともに皮膚が薄くなり、真皮のハリや弾力、皮下組織の支持性が低下すると、靱帯に引き込まれる力に対して皮膚が張り返せなくなります。
その結果、頬骨の下に影が出たり、斜めの凹みが目立ったり、痩せていないのに顔がこけて見えることがあります。
また、この部位の皮膚や皮下組織がゆるむと、その下にある下顔面の組織も相対的に支えられにくくなり、フェイスラインの重さやたるみ感につながることがあります。
頬こけにボリュームを入れるときの注意点
頬こけに対して、ヒアルロン酸や脂肪注入でボリュームを補う治療が行われることがあります。
明らかなボリューム不足が中心の場合には、注入治療が候補になることもあります。しかし、頬こけの中心部は、支持靱帯によって皮膚が深部へ引き込まれ、組織の密度や圧が高くなりやすい部位です。
このような場所に単純にボリュームを入れると、注入したものが凹みの中心に均一にとどまらず、周囲の圧が低い部分へ広がって見えることがあります。
その結果、凹みの中心ではなく周囲に厚みが出て、かえって頬こけが強調されたり、不自然な立体感に見えたりする場合があります。
PONOでは、頬こけを「足りないから入れる」とは考えず、支持靱帯、皮膚の厚み、皮下組織の支持性、圧の分布、下顔面の重さを含めて評価します。
ヒアルロン酸が向く場合・慎重に考えるべき場合
ヒアルロン酸は、外から形を作り、比較的短時間でボリュームを補うことができる治療です。
ただし、頬こけのように支持靱帯による引き込みや圧の分布が関わる部位では、注入したヒアルロン酸が凹みの中心にとどまりにくく、周囲に広がって見えることがあります。
特に、追加注入を重ねると、凹みそのものよりも周囲のボリュームが増え、不自然な厚みや丸さとして見えることがあります。
ヒアルロン酸が悪い治療というわけではありません。重要なのは、頬こけの原因が本当に「補うべきボリューム不足」なのか、それとも「皮膚や支持性の低下による引き込み」なのかを見分けることです。
脂肪注入が向く場合・慎重に考えるべき場合
脂肪注入は、ご自身の脂肪を採取して注入する治療です。広い範囲のボリューム低下に対して候補になることがあります。
一方で、注入した脂肪の残り方には個人差があり、部位によっても残り方が変わります。
頬こけの中心部のように、支持靱帯による引き込みが強く、圧が高くなりやすい場所では、注入した脂肪が均一に残らないことがあります。
凹みの中心ではなく、周囲の圧が低い部分にボリュームが残ると、頬こけを自然に改善するというより、周囲だけが膨らんで見えることがあります。
そのため、頬こけに脂肪注入を行う場合は、単に量を入れるのではなく、どの層に、どの程度、どの範囲へ補うべきかを慎重に判断する必要があります。
PRPFは、頬こけを「外から埋める」のではなく、皮膚と支持性を整える治療です
頬こけの原因が、皮膚の薄さ、真皮のハリ低下、皮下組織の支持性低下、支持靱帯による引き込みにある場合、外からボリュームを押し込むだけでは自然な改善につながりにくいことがあります。
PRPF療法は、ご自身の組織反応を利用して、皮膚・真皮・皮下組織・支持性を整えることを目的とした治療です。
頬こけの凹みを無理に外から埋めるのではなく、皮膚や皮下組織が内側から張り返せる状態を目指すことで、頬こけを自然に目立ちにくくすることを目的とします。
特に、浅い凹み、斜めの影、皮膚のハリ低下、痩せた印象、フェイスラインの軽いゆるみが関わる頬こけでは、PRPFが重要な選択肢になります。
ただし、PRPFは深層構造を大きく移動・固定する治療ではありません。中顔面の重心低下や深い構造の下垂が強い場合は、糸リフト、中顔面バーティカルリフト、裏ミッドフェイスリフトなど、別の構造治療を組み合わせて考えることがあります。
糸リフトで頬こけが軽く見えることがある理由
頬こけは、凹んでいる部分だけの問題ではありません。
その下にある下顔面の組織が下がると、頬こけの部位にかかる下方向の負荷が強くなり、支持靱帯に引き込まれている部分がより目立ちやすくなります。
糸リフトで下顔面や中顔面の方向性を整えると、支持靱帯に引き込まれている皮膚を下から支えるような状態になり、凹みがやや目立ちにくくなることがあります。
また、下方向への負荷を和らげることで、支持靱帯周囲にかかる力を軽減し、将来的なゆるみの進行を抑える方向に働く可能性があります。
ただし、糸リフトは皮膚そのものの厚みを増やす治療ではありません。皮膚の薄さやハリ低下が中心の場合はPRPF、下顔面の重さや方向性の低下が中心の場合は糸リフト、両方が関わる場合は組み合わせて考えます。
頬こけの治療選択マップ
| 原因の中心 | 見え方 | 候補になる治療 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 皮膚の薄さ・ハリ低下 | 浅い凹み、影、疲れ顔 | PRPF | 皮膚・真皮・皮下組織の厚みと支持性を整える |
| 支持靱帯による引き込み | 頬骨下の斜めの凹み、線状〜面状の影 | PRPF/糸リフト | 皮膚の張り返しと下方からの支持を考える |
| 下顔面の重さ・方向性低下 | 頬こけの下が重く見える、フェイスラインがもたつく | 糸リフト/中顔面バーティカルリフト | 浅層組織の方向性を整える |
| 明らかな脂肪量の不足 | 広範囲のボリューム低下、痩せた印象 | PRPF/脂肪注入などを検討 | 部位・圧・希望する変化量で判断する |
| 深層構造の下垂 | 中顔面全体が下がって見える、頬まで影が広がる | 裏ミッドフェイスリフトなどを検討 | PRPFだけでなく深層構造治療が必要な場合がある |
PRPF・ヒアルロン酸・脂肪注入・糸リフトの違い
| 治療 | 主な役割 | 頬こけでの考え方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| PRPF | 皮膚・真皮・皮下組織・支持性を整える | 皮膚の薄さ、ハリ低下、浅い凹み、支持靱帯による引き込みが関わる場合に候補 | 深層構造を大きく移動・固定する治療ではない |
| ヒアルロン酸 | 外からボリュームを補う | 明らかなボリューム不足が中心の場合に候補 | 圧の高い凹みでは周囲へ広がり、不自然に見えることがある |
| 脂肪注入 | 脂肪を採取してボリュームを補う | 広範囲の容量不足では候補になることがある | 残り方に個人差があり、頬こけ中心部では慎重な判断が必要 |
| 糸リフト | 浅層組織の方向性と支持を整える | 下顔面の重さや方向性低下が頬こけを強調している場合に候補 | 皮膚そのものの厚みを増やす治療ではない |
| 中顔面バーティカルリフト | 中顔面の浅層方向性を整える | 中顔面の重心低下が頬こけや疲れ顔に関わる場合に候補 | 深層手術の代替ではない |
| 裏ミッドフェイスリフト | 深層構造を本来の位置へ戻す | deep fatや中顔面重心低下が強い場合に検討 | すべての頬こけに必要な治療ではない |
PRPFが向いている頬こけ
- 頬骨の下に浅い凹みや影がある
- 皮膚が薄く、ハリが落ちてきた
- 痩せていないのに顔がこけて見える
- ヒアルロン酸で膨らませることに抵抗がある
- 脂肪注入まではしたくない
- 自然な厚みと質感を出したい
- 頬こけと同時に、フェイスラインの軽いゆるみも気になる
- 凹みを埋めるより、皮膚そのものを元気にしたい
PRPFだけでは不十分な頬こけ
- 中顔面全体が大きく下がっている
- 下顔面のたるみが強い
- 頬の深い脂肪層やdeep fatの低下が大きい
- 骨格的な凹みが強い
- 大きなボリューム変化を希望している
- 皮膚の質よりも、位置のずれが主因になっている
このような場合は、PRPF単独ではなく、糸リフト、中顔面バーティカルリフト、裏ミッドフェイスリフトなど、構造を整える治療と分けて考える必要があります。
頬こけ治療で当院が大切にしていること
当院が大切にしているのは、頬こけを「足りないから入れる」と単純に考えないことです。
頬こけには、皮膚の薄さ、真皮のハリ低下、皮下組織の支持性低下、支持靱帯による引き込み、下顔面の重さ、中顔面の方向性などが関わります。
そのため、同じ頬こけに見えても、必要な治療は人によって異なります。
PRPFで皮膚や支持性を整えるべき人もいれば、糸リフトで方向性を整えるべき人もいます。深層構造の低下が強い場合には、裏ミッドフェイスリフトなどを検討することもあります。
大切なのは、治療名から選ぶことではなく、頬こけがどの層から生まれているのかを見極めることです。
よくある質問
関連する治療
頬こけで悩んでいる方へ
頬こけは、単にボリュームを足せばよい悩みではありません。
支持靱帯により皮膚が引き込まれているのか、皮膚や皮下組織のハリが低下しているのか、下顔面の重さが関わっているのか、深層構造の低下があるのか。
原因の層を見極めることで、PRPF、糸リフト、中顔面バーティカルリフト、裏ミッドフェイスリフトなどの治療を、必要に応じて正しく選ぶことができます。
ポノクリニック東京では、頬こけを「足りないから入れる」のではなく、構造から診断し、必要な層にだけアプローチすることを大切にしています。
