笑った時に出るほうれい線まで消す必要はない理由|「真皮の断裂」と「表情の溝」を見極める

笑った時に出るほうれい線まで消す必要はない理由|「真皮の断裂」と「表情の溝」を見極める

多くの女性を悩ませるほうれい線ですが、実は「消すべき線」と「残すべき線」がある事実を知っていますか。鏡の前で無表情の時に深く刻まれている線は、肌内部の組織が崩れた「真皮の断裂」であり、ケアが必要です。

一方で、笑った時にだけ現れる線は、顔の筋肉が正しく動いている証である「表情の溝」に過ぎません。これらを混同して無理にすべての線を消そうとすると、表情の乏しい不自然な印象を招きます。

豊かな表情を保ちながら若々しさを維持するための見極め方と、適切な対策を詳しく解説します。あなたの顔に刻まれた線が、魅力なのか、それとも改善すべきダメージなのかを一緒に確認していきましょう。

目次

笑った時のほうれい線を無理に消すと不自然な顔立ちに変わってしまいます

笑顔の時に現れるほうれい線は、顔の筋肉が収縮して皮膚が押し上げられることで生じる自然な生理現象です。この線を完全に消し去ろうと過度な処置を施すと、喜びや楽しさといった感情が顔に現れにくくなります。

周囲に対して人間味に欠ける印象を与えてしまう恐れがあるため、注意が必要です。私たちが目指すべきは「シワ一つない無機質な顔」ではなく、内面から輝く「健やかで幸福感に満ちた顔」です。

全くシワのない笑顔は周囲に冷たくて硬い印象を与えてしまいます

人間が笑うとき、顔には複数の筋肉が連動して動きます。口角が上がり、頬の脂肪が持ち上がることで、その境界線である鼻の脇から口元にかけて影ができるのは当然の仕組みです。

笑った時のほうれい線を過度に嫌い、ボツリヌス療法などで動きを止めてしまうと、目元だけが笑っていて口元が動かない不自然な笑顔になってしまいます。この不調和な状態は、相手に違和感を与え、心の距離を生んでしまうこともあるのです。

人は相手の表情の微細な動きから安心感や信頼感を読み取ります。適切な場所に適切なシワが入ることで、その人の表情は完成され、温かみが生まれます。

すべての溝を埋め尽くそうとする執着は、結果としてあなたの魅力を損なわせる原因になりかねません。動的なシワを受け入れる心の余裕が、大人の女性としての余裕と品格を作り出します。

感情の動きが伝わらない能面のような表情になっていませんか

美容医療の普及により、気になる部分にヒアルロン酸を注入したり、糸で引き上げたりすることが容易になりました。しかし、技術の過信は禁物であり、仕上がりの自然さを最優先に考えるべきです。

ほうれい線を平らにすることだけに集中しすぎると、顔の立体感が失われ、パンパンに張ったようなボリューム感が出てしまいます。皮膚がたわむ「遊び」の部分がなくなると、まるで仮面を被っているかのような能面現象が起きてしまうのです。

動いた時の自然な陰影を残しつつ、老けを感じさせる「影」だけを狙い撃ちすることが大切です。過剰な充填によって失われる表情の豊かさは、若さ以上に価値があるものです。

美しさの基準をシワの数だけで判断するのは今日で終わりにしましょう

私たちはつい、拡大鏡で自分の顔を細部まで観察し、見つけたシワを「欠点」としてカウントしてしまいがちです。他人はあなたの顔をそこまで精密には見ておらず、全体から醸し出される雰囲気で判断しています。

笑顔の印象とケアの方向性

状態周囲が受ける印象推奨される考え方
笑った時だけ出る線明るい、親しみやすい自然な証拠として放置
線が全くない笑顔違和感、不自然過剰な処置を控える
無表情でも残る線疲れ、老け感根本的な再生ケアを行う

シワの数自体を減らすことよりも、肌のハリ感やツヤ、血色の良さを整える方が、はるかに若々しい印象を与えます。笑った時のほうれい線は、あなたがこれまで積み重ねてきた幸せな時間の証拠でもあります。

その誇らしい線を「消すべき敵」と見なすのではなく、魅力的な表情を彩るアクセントとして捉え直しましょう。この意識の変化が、本当の意味での若返りへの第一歩となります。

鏡を見ていない時のほうれい線こそが真皮の断裂による深い溝の正体です

あなたが本当に向き合うべきは、顔を動かしていない時にくっきりと残っている線です。これは単なる表情の動きではなく、皮膚の深い層にある「真皮」において、弾力成分が劣化し、組織を支えきれずに崩壊してしまった状態です。

いわば、肌の土台にひび割れが生じているようなものであり、放置すると溝はさらに深まります。この構造的なダメージを正しく理解することが、正しいエイジングケアの鍵となります。

力を抜いた無表情の状態で残っている線に注目する必要があります

ほうれい線のセルフチェックを行う際は、必ず「真顔」の状態で行ってください。ふとした瞬間に窓に映った自分の顔や、電車の窓に反射した自分の顔が、あなたの真実の姿を映し出しています。

無表情の時に鼻の脇から口角にかけて線が走っている場合、それは皮膚が折りたたまれたまま戻らなくなっている「静的しわ」です。この段階になると、単に表面を保湿するだけでは改善が難しくなります。

肌の構造そのものがダメージを受けているため、内部組織の修復を目的とした深いアプローチが求められます。この「真実の線」の有無が、ケアの優先順位を決める重要な指標となるのです。

コラーゲンが切れてしまった肌は自力で元に戻る力が弱まっています

真皮層には、網目状に張り巡らされたコラーゲン繊維と、それらを束ねるエラスチンが存在しています。加齢や紫外線、糖化といった要因によってこのバランスが崩れると、皮膚は重力に逆らえず下垂します。

一度断裂してしまったコラーゲン繊維を自力で完全に再生させるのは、容易なことではありません。年齢とともに新しい成分を生み出す「線維芽細胞」の働きも鈍くなるため、溝はどんどん長く深くなってしまいます。

この「組織の崩壊」こそが、笑っていない時にも消えない頑固なほうれい線の正体です。私たちが真剣に対策を検討すべき対象は、表情筋の動きではなく、この真皮層の劣化にあります。

折りたたまれた跡が定着してしまう前に適切な対策を講じてください

肌に線が刻まれる過程は、紙を何度も折る作業に似ています。最初は折り目をつけても平らに戻りますが、何度も同じ場所を折っているうちに、紙の繊維が壊れて白い跡が消えなくなります。

肌も同様であり、表情の癖やたるみによって毎日同じ場所が折れ曲がることで、やがて真皮の断裂に至ります。跡が完全に定着し、深い「溝」として固定される前であれば、まだ修復の希望は残されています。

真皮の断裂と表情の溝の構造的違い

項目表情の溝(動的)真皮の断裂(静的)
主な原因表情筋の収縮コラーゲンの減少・変性
発生タイミング笑った時、話す時常に(無表情時も含む)
主な対策保湿、表情筋トレ真皮再生ケア、注入治療

早期の段階で肌の再生能力を高める成分を補給したり、筋肉の緊張を和らげたりすることで、進行を食い止めることができます。

自分の線がまだ「動的なもの」なのか、それとも「固定された断裂」なのかを見極める冷静な目を持ってください。

表情を動かした時に刻まれるシワは若々しい生命力を象徴しています

笑顔に伴うほうれい線は、実は健康状態の良さや、顔の筋肉が活発に機能していることを示すバロメーターでもあります。動いた時に出る線は、あなたが生き生きと感情豊かに過ごしている証拠に他なりません。

顔の深層にある筋肉が衰えると、むしろ表情に締まりがなくなり、のっぺりとした印象を強めてしまいます。適度な筋活動によって生じる溝は、顔にメリハリと活力感を与えてくれるのです。

豊かな喜怒哀楽を表現できる顔は他者の目に魅力的に映ります

表情は言葉以上に多くの情報を他者に伝えます。心からの笑顔の時に、頬がぷっくりと膨らみ、それに応じてほうれい線が刻まれる様子は、周囲に大きな安心感を与えます。

逆に、どれだけ肌が滑らかであっても、笑った時に顔が全く動かない状態は、相手に警戒心を抱かせる原因になります。魅力的な人というのは、シワがない人ではなく、そのシワさえも自分の個性として使いこなしている人です。

笑った時にほうれい線が出ることを気にするあまり、笑い方を抑えてしまうと、かえって表情筋が衰えてたるみを加速させます。思い切り笑うことこそが、顔全体の血流を良くし、肌の代謝を促す天然の美容液となるのです。

ほうれい線が適度にあることで顔の立体感とメリハリが生まります

顔の造形において、ほうれい線は「頬」と「口元」という異なる役割を持つエリアを分ける境界線の役割を果たしています。この境界線がまったくない平坦な顔は、横から見た時の奥行きに欠け、顔が大きく見える原因にもなります。

適度な陰影があることで、頬の高さが強調され、若々しい骨格が浮き彫りになります。特に年齢を重ねると、顔の骨自体が痩せてくる「骨吸収」が起こり、顔の土台が変化していきます。

その状況で無理に皮膚の凹凸を消そうとすると、顔のバランスが崩れ、かえって不自然さが際立ちます。自分の骨格構造を受け入れ、自然なラインを「顔の奥行き」として楽しむ視点を持つことで、自分らしい美しさが手に入ります。

年齢相応の品格を保ちながら綺麗に歳を重ねていく考え方を持ちましょう

「若返り」という言葉に惑わされ、20代の頃の顔を再現しようと躍起になるのは、今のあなた自身の否定に繋がりかねません。30代には30代の、50代には50代の、それぞれの年代にふさわしい「最高の状態」があります。

年齢を重ねた女性の顔に刻まれる適切な線は、その人の経験や知性を物語る美しい地図のようなものです。「ほうれい線=悪」という単純な考えから脱却し、どの線が自分を美しく見せてくれるのかを選別してください。

魅力的な表情を作るための意識

  • 鏡の前で、一番自分が綺麗に見える全力の笑顔を練習する
  • 目元のシワと口元のほうれい線が連動して動いているか確認する
  • 無表情の時の口角が下がらないよう、日頃から「い」の口を意識する

笑った時のキラキラした瞳と一緒に現れるほうれい線は、消すべき恥ずべきものではありません。それよりも口角を上げ、姿勢を正し、内面から溢れ出る自信を肌に反映させることの方が、格段に高い若返り効果をもたらします。

肌の奥深くで起きている組織の変化がほうれい線の種類を決定づけます

ほうれい線ができる背景には、単なる表面の衰えだけではない複雑な要因が絡み合っています。乾燥、真皮の劣化、皮下脂肪の移動、表情筋の衰え、そして土台となる骨の減少。

これらのうち、どの要素が強く影響しているかによって、現れる線の質や深さが変わってきます。原因を多角的に分析することが、効率的な改善への近道となります。

肌の5層構造を理解してどこに問題があるかを見極めてください

私たちの顔は、外側から表皮、真皮、皮下組織、SMAS筋膜、そして骨という5つの層で構成されています。笑った時に出る一時的な線は、主に表皮や真皮の柔軟性に関係しています。

一方で、深く刻まれた断裂は真皮の崩壊であり、顔全体の下垂はSMAS筋膜や脂肪の劣化が主な原因です。自分が気になっている線がどの層に由来するものかを知ることは、ケアの迷いをなくすために必要です。

例えば、脂肪の重みで垂れ下がっているタイプの人に、高価な保湿クリームを塗っても根本的な解決にはなりません。原因と対策が合致して初めて、肌は本来の美しさを取り戻すことができるのです。

紫外線と糖化が真皮のコラーゲンをボロボロにする最大の要因です

真皮の断裂を招く二大要因は、紫外線による光老化と、糖による糖化現象です。特に紫外線A波は、窓ガラスを通り抜けて肌の奥深く真皮まで到達し、繊維組織をバラバラに切断してしまいます。

長年、無防備に日光を浴びてきた人のほうれい線が深いのは、この蓄積されたダメージによるものです。また、糖化は体内の余分な糖分がタンパク質と結びつき、肌を硬く、脆くさせてしまう現象です。

糖化した組織は柔軟性を失い、まるで乾いた枝のように折れやすくなります。これが、無表情でも消えない断裂の原因となります。日々の些細な習慣が、10年後のほうれい線の深さを左右していることを意識しましょう。

皮下脂肪の雪崩現象がほうれい線の上に覆いかぶさってきます

ほうれい線が目立つ大きな理由は、線そのものが深いだけでなく、その上にある頬の脂肪が垂れ下がって境界線にのしかかってくるからです。これを「雪崩現象」と呼び、加齢に伴う顔の形状変化の代表例です。

若いうちは高い位置にあった脂肪ポケットが、重力と組織の衰えによって徐々に口元へと移動してきます。この場合、線の部分だけをケアしても、上に乗っている脂肪の重みが解決されない限り、溝は深まるばかりです。

肌の階層別原因と現れる症状

階層主な老化現象ほうれい線への影響
表皮乾燥・キメの乱れ細かい線状の影(初期)
真皮コラーゲン断裂無表情でも消えない深い線
皮下組織脂肪の肥大・下垂線の上に脂肪が乗る「段差」

頬の脂肪を支える靭帯(リガメント)を強化したり、余分な脂肪を溜め込まないように代謝を上げたりすることが大切になります。

ほうれい線を「線」として捉えるのではなく、顔全体のボリュームバランスの変化として捉える視点を持ちましょう。

自然な美しさを維持するために自宅で行うべき根本的なエイジングケア

ほうれい線を表情の溝に留め、真皮の断裂に進行させないためには、日々のセルフケアが重要です。特別な道具に頼る前に、まずは自分の肌が本来持っている再生力を最大限に引き出す環境を整えてあげましょう。

土台がしっかりしていれば、多少の表情の動きで跡が残ることはありません。毎日の積み重ねが、5年後、10年後の自分を作る最高の投資になります。

角質層のバリア機能を高めて乾燥による小じわを定着させない

すべてのシワの入り口は乾燥です。肌の表面が乾いていると、表情を作った際にできる折り目が元に戻りにくくなり、そのまま定着してしまいます。

重要なのは、水分と油分の絶妙なバランスを保つことです。化粧水だけで終わらせず、必ずセラミドやスクワランといった成分を含む乳液やクリームで蓋をしてください。

バリア機能が整った肌は、パンと張ったゴムボールのような弾力を持ち、外部の刺激から真皮を守ってくれます。毎日、気になる部分をやさしくプレスするように保湿し、潤いで満たすことで断裂のリスクを軽減しましょう。

抗酸化・抗糖化を意識した食事で内側から肌組織をガードする

真皮の断裂を防ぐには、外側からのケアだけでなく、口にするものにも細心の注意を払う必要があります。活性酸素による酸化と、余分な糖による糖化は、肌の弾力成分を直接破壊するからです。

ビタミンCやE、ポリフェノールを豊富に含む食材を積極的に摂取し、肌の酸化を食い止めてください。さらに、血糖値の急上昇を抑える食べ方も非常に効果的です。

甘いお菓子や精製された炭水化物を控えめにし、代わりに良質なタンパク質をしっかりと摂りましょう。内側からのアプローチは時間はかかりますが、最も確実な若返りへの近道となります。

良質な睡眠を確保して夜間の成長ホルモンによる修復を促す

肌は眠っている間に作られる、というのは科学的な事実です。眠りについてからの最初の3時間に分泌される成長ホルモンは、ダメージを受けた組織を修復し、成分の合成を促進します。

睡眠不足が続くと、この修復作業が間に合わず、表情の溝がそのまま真皮の断裂へと進行してしまいます。単に寝る時間を長くするだけでなく、睡眠の質にも徹底的にこだわってください。

日常生活で今日から取り入れるべき習慣

  • 一年中、晴れの日も曇りの日も必ず日焼け止めを使用する
  • 食事の際は一口30回以上噛み、顔の筋肉を適切に刺激する
  • スマホを見る時に下を向かないよう、目の高さに画面を保つ

朝起きた時に、ほうれい線の跡が薄くなっていると感じられるなら、それは夜間の修復が正しく行われている証拠です。休息こそが、どのような高級クリームにも勝る美容液であることを忘れないでください。

美容クリニックでの施術を選択する際に失敗しないための判断基準

セルフケアに限界を感じ、医療の力を借りるという選択肢は決して悪いことではありません。しかし、安易な判断は「不自然な顔」を作るリスクを伴うため、慎重な検討が必要です。

クリニックを受診する際は、自分の状態がどのタイプで、どの程度の改善を求めているのかを明確にしておきましょう。医師との対話が、成功への最も重要な鍵となります。

自分の悩みがシワなのかたるみなのかを正確に伝える

カウンセリングを受ける際、単に「ほうれい線を消したい」とだけ伝えるのは避けるべきです。それが無表情の時でも気になる断裂なのか、顔全体が下がったことによる下垂なのか、あなたの核心を伝えてください。

もし原因がたるみであれば、溝を埋めるよりも、頬の高い位置を引き上げるハイフや糸リフトの方が、自然な結果を得られる場合があります。逆に、真皮が完全に割れて線になっているなら、少量の注入や再生治療が有効です。

プロの診断を仰ぎつつも、自分自身の顔の構造を把握した上で対等に話し合う姿勢が、納得のいく結果を生みます。自分の顔を一番よく知っているのは、他ならぬあなた自身なのです。

部分的な完璧を求めず顔全体の調和を優先する提案を受け入れる

失敗するケースの多くは、ほうれい線という「一点」のみを完璧に消そうとして、顔全体のバランスを崩してしまうことにあります。

溝を完全に平らにすると、猿のような顔立ちになったり、頬だけが異常に盛り上がったりすることがあります。

良心的な医師は、あえて「少し線を残す」ことを提案します。それが、笑った時の自然な表情や、年齢相応の美しさを守ることに繋がるからです。

施術のゴールを「20歳の顔に戻る」ことではなく、「今の年齢のままで、5年前のような元気な顔を取り戻す」という現実的なラインに設定してください。全体のバランスが整っていれば、多少の線は逆に「知的な影」として味方にできます。

急激な変化よりも誰にも気づかれない程度の改善を積み重ねる

一度に劇的な変化を求めると、周囲に強い違和感を与えてしまいます。また、急激な処置は肌への負担も大きく、元に戻すのも困難な場合が少なくありません。

現代の美容医療の潮流は「周囲にバレずに、なんとなく綺麗になった」というナチュラルな変化にあります。例えば、一度の施術で100%を目指すのではなく、数ヶ月かけて徐々に整えていくアプローチを選んでください。

主要な美容施術の特徴と注意点

施術名期待できる効果注意すべきポイント
ヒアルロン酸注入即効性のある溝の埋め立て入れすぎによる不自然な膨らみ
HIFU(ハイフ)土台からの引き上げ・引き締め過剰な照射による頬のコケ
再生医療自分の細胞による組織修復効果の実感までに時間がかかる

少しずつ肌のコンディションが底上げされていく過程は、精神的な安定にも繋がります。焦らず、自分の肌の再生スピードに合わせた計画を立てることが、長期間にわたる美しさの維持に繋がります。

老け見えを加速させる原因を特定して効率的に若返りを目指しましょう

ほうれい線への対策を練る上で、何があなたの老化を加速させているのか、その犯人を特定することは重要です。遺伝、骨格、生活環境、あるいは無意識の悪習慣。

原因がわかれば、無駄な努力を省き、最短ルートで改善へと向かうことができます。まずは自分の現状をありのままに、正しく認識することから始めていきましょう。

片噛みや横向き寝といった左右差を生む習慣を即座に改善する

ほうれい線が左右で深さが違うという人は、生活習慣に偏りがある可能性が非常に高いです。いつも同じ側でばかり食べ物を噛んでいたり、寝る時に決まった方向を下にして寝ていたりしませんか。

こうした小さな習慣の積み重ねが、顔の筋肉や骨格を歪ませ、特定の側のほうれい線を深く定着させます。左右のバランスを整えることは、見た目の若返りにおいて極めて重要です。

噛む時は意識的に均等に使う、寝る時はできるだけ仰向けを心がける、といった日常の微調整を行ってください。歪みが取れるだけで、顔の印象は驚くほどスッキリと整い、影も目立たなくなります。

急激なダイエットによる皮下脂肪の減少はほうれい線を深くします

短期間で体重を落とそうとする無理なダイエットは、顔の老化を劇的に早める恐れがあります。顔の脂肪は若々しさを保つためのクッションの役割も果たしているからです。

これが急激に失われると余った皮膚が重力で下がり、ほうれい線やくぼみを強調してしまいます。ダイエットをするのであれば、月に1kg程度の緩やかなペースで行い、栄養バランスを崩さないようにしてください。

頬に程よいふっくら感があることは、若見えの必須条件です。体重の数字だけを追い求めるのではなく、鏡に映る顔のハリを確認しながら、健康的に痩せることを目指しましょう。

メンタルバランスが表情筋の緊張状態を左右することを知っておく

ストレスが溜まっている時や、悩み事がある時、私たちの顔は無意識に強張ってしまいます。特に口の周りの筋肉が緊張すると口角が下がり、ほうれい線がくっきりと浮かび上がります。

老け見え習慣セルフチェック

  • 食事中、左右どちらか一方で噛む癖があるか
  • スマホを操作する時間が一日合計3時間を超えるか
  • 一日一度も「心から笑った」という実感がないか

心の状態は、そのまま顔の筋肉の凝りとなって現れます。一日の終わりに、顔の筋肉を緩めるマッサージをしたり、ゆっくりとお風呂に浸かってリラックスしたりする時間は、何よりも大切です。

笑顔を作るのが辛い時こそ、意識的に表情を解きほぐし、深い呼吸を繰り返してください。心が穏やかであれば、表情筋も柔軟性を保ち、笑った時の線も自然で柔らかいものになります。

よくある質問

笑った時に出るほうれい線は将来的に深いシワとして定着しますか?

笑った時に一時的に現れる線自体が、すぐに深いシワとして定着するわけではありません。

しかし、肌が深刻な乾燥状態にあったり、加齢により真皮のコラーゲンが著しく減少していたりする場合、折りたたまれた跡が戻りにくくなり、徐々に定着するリスクはあります。

大切なのは笑うのを我慢することではなく、表情を動かした後に跡を残さないよう、日頃から肌の柔軟性と弾力を高めるケアを継続することです。

真皮の断裂が原因のほうれい線を化粧品だけで消すことは可能ですか?

残念ながら、すでに真皮層でコラーゲン繊維が断裂し、溝として固定されてしまったほうれい線を、化粧品だけで完全に消し去ることは非常に困難です。

化粧品は主に表皮の保湿やキメを整えることを得意としていますが、真皮の深い組織を物理的に元に戻す力まではないからです。

ただし、レチノールやナイアシンアミドなどの有効成分を含む医薬部外品を継続使用することで、シワを改善し、さらなる断裂を予防する効果は十分に期待できます。

表情の溝を埋めるための美容施術を受けた後に笑顔が不自然になるのはなぜですか?

美容施術によって表情が不自然になる主な理由は、注入物の過剰な使用や、筋肉の動きを完全に止めてしまう過度な処置にあります。

特にほうれい線の溝を完璧に平らにしようとしてヒアルロン酸を大量に注入すると、笑った時に皮膚がたわむ「遊び」の部分がなくなり、顔が突っ張った印象になります。

自然な美しさを保つためには、静止時の見た目だけでなく、笑った時にどう動くかを考慮した繊細なデザイン調整が必要になります。

若々しさを保つために消さなくて良い線を見極めるにはどうすれば良いでしょうか?

見極めるための基準は「鏡の前で無表情の時にその線が存在するかどうか」です。

完全に力を抜いた状態で線が消える、あるいはうっすらと見える程度であれば、それは「消す必要のない表情の溝」です。その線はあなたの笑顔を輝かせ、表情を豊かに見せるために必要な要素です。

一方で、真顔でも深く谷のように刻まれている線は、真皮のダメージが進んだサインであり、ケアを検討すべき「消したい影」であると判断してください。

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この記事を書いた人

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 Pono clinic院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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