眉間のシワを和らげるマッサージ・表情筋をほぐす正しいやり方

眉間のシワを和らげるマッサージ・表情筋をほぐす正しいやり方

眉間のシワは、表情筋の緊張を日常的にケアすると目立ちにくくすることが可能です。とくに皺眉筋(しゅうびきん)と呼ばれる眉を寄せる筋肉のこわばりをほぐすマッサージは、セルフケアとして取り入れやすく、肌への負担も抑えられます。

正しい方向・適切な圧で行うマッサージは、血行の促進やリンパの流れの改善にもつながり、むくみの軽減や肌の透明感アップといった副次的な効果も期待できるでしょう。一方、力の入れすぎや間違った方向への摩擦は逆効果になるため、やり方を正しく理解しておくことが大切です。

この記事では、眉間のシワが深くなる原因から、安全かつ効果的なマッサージの手順、日常生活で気をつけたいポイントまでを、医学的な知見をもとに丁寧に解説します。

目次

眉間にシワが刻まれるのは皺眉筋の「蓄積疲労」が原因

眉間のシワは、主に皺眉筋が繰り返し収縮することで皮膚にクセがつき、やがて深い溝として定着したものです。加齢によるコラーゲンやエラスチンの減少が重なると、いっそう戻りにくくなります。

皺眉筋が無意識に緊張する日常のクセ

皺眉筋は怒りや悲しみといったネガティブな感情を表すときだけでなく、集中しているときや画面を見つめているときにも無意識に収縮する筋肉です。デスクワークやスマートフォンの長時間使用が続くと、自分では気づかないまま眉間に力が入り、シワの原因となる筋緊張が蓄積していきます。

2025年に発表された研究では、繰り返しの眉寄せ動作によって皺眉筋にわずかな残存活動が生じ、リラックスしようとしても完全には筋活動が低下しないことが示されました。つまり、一度クセがつくと筋肉は「元の緩んだ状態」に戻りにくくなるといえます。

紫外線と乾燥が溝を深くする

表情のクセに加え、紫外線ダメージが真皮層のコラーゲン線維を変性させ、皮膚の弾力低下を加速させます。水分が失われた乾燥肌では、細かいちりめんジワが眉間にも現れやすく、表情ジワとの合わせ技で深いシワに見えてしまうケースも少なくありません。

日焼け止めの塗布と保湿を日常的に続けることが、マッサージと並ぶ基本的なシワ予防策です。

加齢にともなう皮膚構造の変化

年齢を重ねると、真皮の線維芽細胞の活性が低下し、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の産生量が減少します。皮下脂肪のボリュームも変化し、皮膚を内側から支える力が弱まるため、眉間に限らず顔全体にシワやたるみが目立ちやすくなるでしょう。

こうした構造的な変化は誰にでも起こりますが、マッサージによる機械的刺激が線維芽細胞の働きを活性化する可能性が研究で報告されています。

要因影響するポイント対策の方向性
表情のクセ皺眉筋の過緊張マッサージ・意識的な脱力
紫外線コラーゲン変性日焼け止め・帽子
乾燥バリア機能の低下保湿ケア
加齢真皮の薄化・弾力低下スキンケア・生活習慣

眉間のシワ対策にマッサージが有効とされる科学的な根拠

適切な圧と方向で行うマッサージは、皮膚の線維芽細胞を刺激してコラーゲンなどの真皮たんぱく質の産生を促すことが、複数の研究で確認されています。薬剤や手術に頼らない非侵襲的なケアとして注目される理由は、この「機械的刺激が肌内部に与える生物学的反応」にあります。

マッサージが真皮のたんぱく質をどう変化させるか

2017年の研究では、皮膚に一定の周波数で振動刺激を与えると、デコリン・フィブリリン・トロポエラスチン・プロコラーゲン1といった真皮構造を支えるたんぱく質の発現量が増加することが示されました。とくに75Hzの周波数で効果が大きかったと報告されています。

自宅で行う手技マッサージでは機器ほど精密な周波数制御はできませんが、指の腹でリズミカルに圧をかける動作が類似した機械的刺激を生み出すと考えられています。

筋緊張をリセットするマッサージの役割

眉の周囲をやさしくマッサージすると、皺眉筋の残存活動が有意に低下したという報告があります。筋肉の緊張がゆるむことで一時的にシワが浅く見え、繰り返すうちにクセそのものが和らぐことが期待できるでしょう。

さらに、笑顔をつくることで頬骨筋が活性化し、皺眉筋の活動が抑制されるという興味深い知見も得られています。マッサージと組み合わせて意識的に口角を上げる習慣をつけると、相乗的にシワの予防につながるかもしれません。

CT画像が示したフェイスラインの変化

2022年の研究では、2週間の自己マッサージ前後にCT撮影を行い、頬の脂肪層が薄くなると同時にSMAS(表在性筋腱膜)が引き上げられるリフトアップ効果が定量的に確認されました。

頬のたるみが改善すると顔全体の印象が変わり、眉間のシワも目立ちにくくなる傾向があります。

エビデンスの限界を理解したうえで取り組む

一方で、マッサージの効果を検証した研究の多くはサンプル数が少なく、長期的な効果を示す大規模試験はまだ十分ではありません。

現時点では「深いシワを完全に消す」というよりも、「新たなシワの形成を予防し、浅いシワを目立ちにくくする」ケアとして位置づけるのが妥当です。

眉間のシワを和らげるセルフマッサージの正しい手順

肌に負担をかけず効果を引き出すためには、清潔な手とすべりのよいオイルまたはクリーム、そして「やさしく・ゆっくり」という原則を守ることが欠かせません。

準備として手と顔を清潔にする

手指を石けんで洗い、顔もクレンジングと洗顔で汚れを落としてからマッサージに入ります。すべりが悪いまま行うと摩擦で肌を傷めるおそれがあるため、乳液やフェイスオイルをたっぷり塗布してください。

マッサージの前に蒸しタオルを30秒ほど顔に当てると、血行が促進されて筋肉がゆるみやすくなります。

眉間から額へ引き上げる基本テクニック

両手の中指と薬指の腹を眉間の中央に置き、眉頭から眉尻へ向かってゆっくり滑らせます。このとき力を入れすぎず、皮膚の表面が動く程度の圧で十分です。片方の手で眉頭を軽く固定し、もう一方の手で外側へ流すと安定しやすくなるでしょう。

次に、眉間から生え際に向かって縦方向にやさしく押し上げるようになぞります。5回を1セットとし、朝晩2セット行うと習慣化しやすいです。

眉周りのツボ押しで筋肉をピンポイントにほぐす

攅竹(さんちく)は眉頭の内側のくぼみにあるツボで、ここを親指の腹で5秒ほど押して離す動作を3回繰り返すと、皺眉筋の緊張がゆるみやすくなります。痛気持ちいい程度の圧が目安で、強く押しすぎないように注意してください。

もう一つ、魚腰(ぎょよう)と呼ばれる眉の中央にあるツボも効果的です。眉の下のくぼみに人差し指を添え、小さな円を描くように5秒間回します。

マッサージ時に避けたいNG動作

  • 皮膚を強くこする・引っ張る
  • 乾いた肌のまま摩擦をかける
  • 爪を立てて圧をかける
  • 痛みを感じるほど強く押す

これらの動作は肌のバリア機能を壊し、炎症や色素沈着の原因になることがあります。とくに目の周囲は皮膚が薄く敏感なため、力加減には細心の注意を払いましょう。

表情筋トレーニングで眉間のシワを予防する方法

マッサージが「ほぐす」ケアなら、表情筋トレーニングは「鍛える」ケアに該当します。両方を組み合わせると、筋肉のバランスを整えながらシワ予防の効果を高められます。

前頭筋を使ったおでこリフトエクササイズ

両手の指先を額に横向きに当て、眉を上げる動作に対して手で軽く抵抗をかけます。いわゆるレジスタンストレーニングの要領で、前頭筋に適度な負荷を与えるやり方です。1回5秒のキープを10回繰り返すだけで、額全体の血流が良くなるのを感じるはずです。

2018年に発表された臨床試験では、20週間にわたる表情筋エクササイズを続けた結果、頬のふっくら感が増し、外見年齢が約3歳若く評価されたと報告されています。

口角アップで皺眉筋の活動を抑える

「ニー」と口角を横に引く動作は、頬骨筋(きょうこつきん)を活性化させ、その結果として皺眉筋の活動を抑制することが研究で確認されています。意識的に笑顔を10秒キープするだけで、眉間の筋緊張がゆるみやすくなる点は見逃せません。

仕事中にふと眉間に力が入っていると感じたら、口角を軽く引き上げてみてください。たったこれだけの習慣が、シワ予防の一助になるでしょう。

エクササイズデバイスを活用する選択肢

口にくわえて振動させるタイプの表情筋トレーニング器具を1日30秒×2回、8週間使用した研究では、頬骨筋や口輪筋の厚みが超音波で測定可能なレベルで増加し、ほうれい線まわりの表面距離が縮小したと報告されています。

器具がなくても効果は得られますが、負荷を一定にかけやすい点がデバイスの利点です。

トレーニングターゲット筋目安時間
おでこリフト前頭筋5秒×10回
口角アップ頬骨筋10秒×5回
目を大きく開閉眼輪筋5秒×8回
頬ふくらまし頬筋・口輪筋5秒×6回

フェイスヨガで筋肉のこわばりを総合的にリセット

フェイスヨガは表情筋の収縮とストレッチを組み合わせた運動法で、2025年の研究では8週間のプログラムを実施した中高年女性において、皺眉筋を含む複数の表情筋の筋緊張度と弾力性が有意に改善したと報告されました。

大きく口を開けて「あ」の形をつくり5秒キープ、続けて「い」の形で口角を引いて5秒キープ。この「あ・い体操」を毎日5セット繰り返すだけでも、顔全体のこわばりが和らぎます。

マッサージ効果を高める生活習慣とスキンケアの工夫

せっかくのマッサージも、肌のコンディションが整っていなければ効果を十分に発揮できません。日々のスキンケアと生活習慣を見直すことが、シワ予防の土台になります。

保湿と紫外線対策でマッサージの下地をつくる

セラミドやヒアルロン酸を含む保湿剤で角質層の水分を保ち、日中はSPF30以上の日焼け止めを使用しましょう。紫外線A波(UVA)は窓ガラスも透過するため、室内でも油断は禁物です。

マッサージ前のスキンケアでしっかり保湿しておくと、指のすべりが良くなるうえ、美容成分の浸透も高まるとされています。

睡眠の質がシワの回復力を左右する

成長ホルモンは深い睡眠時に分泌が活発になり、肌細胞のターンオーバーを促進します。慢性的な睡眠不足はコルチゾール(ストレスホルモン)を増やし、コラーゲン分解を加速させる要因にもなりかねません。

就寝前のマッサージを入眠儀式にすると、リラクゼーション効果で寝つきが良くなるという一石二鳥のメリットもあります。

栄養バランスが肌の材料を補給する

コラーゲンの合成にはビタミンCと鉄分が必要で、抗酸化力を高めるビタミンEやポリフェノールも肌老化の予防に役立ちます。偏った食事では、いくら外側からケアしても内側からの修復が追いつかないでしょう。

眉間のシワマッサージで注意すべきリスクとやってはいけないこと

自己流のマッサージが裏目に出るケースは決して珍しくありません。安全に続けるために、あらかじめリスクを把握しておきましょう。

強すぎる圧は色素沈着や肌荒れの引き金になる

皮膚を強くこすると、その摩擦が炎症後色素沈着(PIH)を引き起こす場合があります。とくに眉間は皮膚が比較的薄いため、ゴシゴシこするような動作は厳禁です。

押す・なでるの基本を守り、痛みが出たらすぐに手を止めてください。

肌にトラブルがあるときはマッサージを控える

ニキビや湿疹、日焼け直後など肌にダメージがあるときにマッサージを行うと、症状を悪化させるおそれがあります。かゆみや赤み、ヒリつきを感じている場合は、肌が落ち着くまで待つのが鉄則です。

皮膚科で治療中の方は、マッサージの可否を主治医に確認してから始めると安心です。

即効性を期待しすぎない心構え

マッサージは即座にシワを消す魔法の手技ではなく、継続してこそ変化が現れるケアです。1〜2週間で見た目の変化がなくても、筋肉の柔軟性や血行の改善は内側で進んでいます。

最低でも4〜8週間を目安に続けると、徐々に肌のハリ感やシワの印象が変わっていくでしょう。

医療機関への相談が必要なケース

深く刻まれた静的シワ(表情を動かさなくても見えるシワ)は、セルフマッサージだけでは改善が難しいことが多いです。

ボツリヌストキシン注射やヒアルロン酸注入、レーザー治療など医療的なアプローチも選択肢に含まれます。セルフケアと専門的な治療を上手に組み合わせることが、満足のいく結果につながりやすいでしょう。

眉間マッサージの効果を持続させるための毎日の習慣

毎日のスキンケアの流れに無理なく組み込むことが、マッサージを長続きさせる鍵になります。特別な時間をつくるのではなく、いつもの習慣にプラスするかたちを意識してみてください。

朝の洗顔後に1分間の眉間マッサージ

朝の洗顔後、化粧水や乳液を塗るタイミングでそのまま眉間マッサージに移ると、新しい習慣として定着しやすくなります。中指と薬指の腹で眉間からこめかみへ5回、眉間から生え際へ5回なぞるだけで所要時間は約1分。忙しい朝でも負担になりません。

夜の入浴後に表情筋リラックスタイム

入浴で温まった筋肉はほぐれやすいため、夜のマッサージには効果を感じやすいタイミングです。スキンケアのあとにツボ押しと軽い表情筋エクササイズを加え、最後に深呼吸を3回。リラックスした状態で眠りにつくことで、成長ホルモンの分泌も促せます。

日中のこまめなリセットが差を生む

デスクワーク中に1〜2時間おきに画面から目を離し、眉間を指先で軽くほぐす「ミニマッサージ」を習慣にしましょう。わずか10秒でも筋緊張の蓄積を防ぐ効果があります。

同時に口角を上げて笑顔を5秒キープすれば、皺眉筋と頬骨筋の拮抗作用で眉間の力みが抜けやすくなります。こうした「気づいたらリセット」を繰り返すことで、無意識のしかめ面をコントロールできるようになるはずです。

  • 朝:洗顔後のスキンケア時に眉間マッサージ(1分)
  • 日中:1〜2時間ごとにミニマッサージ+笑顔キープ(10〜15秒)
  • 夜:入浴後にツボ押し+表情筋エクササイズ+深呼吸(3〜5分)

よくある質問

眉間のシワを和らげるマッサージは1日何回行うのが効果的ですか?

朝と夜の1日2回を目安にするのがおすすめです。1回あたり1〜3分程度で十分な刺激が得られますので、スキンケアの流れに組み込むと無理なく続けやすくなります。

回数を増やしすぎると摩擦による肌への負担が大きくなるため、多くても3回程度にとどめてください。短い時間でも毎日続けることが、効果を実感するための近道といえるでしょう。

眉間のシワ向けマッサージでオイルやクリームは必要ですか?

はい、マッサージの際にはオイルやクリームの使用をおすすめします。すべりのない状態で肌をこすると摩擦が生じ、炎症や色素沈着の原因になることがあるためです。

保湿成分を含むフェイスクリームや植物性のオイルを使えば、マッサージのすべりを良くしながら同時にスキンケアもできます。敏感肌の方はパッチテストを行ったうえで、低刺激の製品を選ぶと安心です。

眉間のシワに対する表情筋マッサージの効果はどのくらいで実感できますか?

個人差はありますが、4〜8週間ほど継続すると肌のハリ感や眉間まわりの柔軟性に変化を感じる方が多いです。臨床研究でも、表情筋エクササイズを20週間続けた参加者の外見年齢が約3歳若く評価されたという結果が報告されています。

深く刻まれたシワを完全に消すことは難しいものの、浅いシワの進行を抑えたり、新しいシワの形成を予防したりする効果は期待できます。即効性を求めるよりも、日々の積み重ねとして取り組む姿勢が大切です。

眉間のシワマッサージを行う際に避けるべき動作はありますか?

皮膚を強く引っ張ったり、爪を立てて圧をかけたりする動作は避けてください。眉間周辺は皮膚が薄くデリケートなため、過度な摩擦は炎症後色素沈着やバリア機能の低下を招きます。

力加減は「皮膚の表面がわずかに動く程度」が基準です。また、ニキビや湿疹がある場合、日焼け直後で肌が赤くなっている場合はマッサージを控え、肌の状態が回復してから再開するようにしましょう。

眉間のシワが深い場合でもマッサージだけで改善できますか?

深く刻まれた静的シワ(表情を動かしていなくても見える溝)に対しては、セルフマッサージだけで完全に改善するのは難しいのが現状です。マッサージは予防やシワの進行を抑えるケアとしてはとても有用ですが、すでに定着したシワには医療的なアプローチが効果的な場合があります。

ボツリヌストキシン注射やヒアルロン酸注入などの施術も選択肢として存在しますので、気になる方は皮膚科や美容皮膚科へ相談されることをおすすめします。セルフケアと専門治療を組み合わせることで、より満足度の高い結果が得られやすいでしょう。

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この記事を書いた人

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 Pono clinic院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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