裏ハムラ(経結膜)|影クマのクマ取り(段差を整える)

裏ハムラは「量」ではなく“段差(前後差)”を整える

監修:芝 容平(ポノクリニック東京 院長)|院長紹介|最終更新:2026年1月27日

  • 裏ハムラが主役かどうかは、治療名ではなく「段差(前後差)/ふくらみ/皮膚の質」で決まります。
  • このページでは、脱脂との違い・向き不向き・ダウンタイムを“構造(層)”で先に整理します。
迷ったら「読む順番」だけ先に決めてください

裏ハムラが主役かどうかは、治療名ではなく “層(浅層/深層/皮膚の質)” で整理すると早いです。
まずは次の中から、今知りたい内容に近いものを1つだけ選んでください。
※診断・適応は診察で判断します。

※すでに他院治療後の凹み・段差・左右差でお悩みの方へ:他院修正・再手術相談

目の下のクマは、「色」よりも 影が生まれる“段差”で悩まれることが多い領域です。裏ハムラ(経結膜)は、皮膚を切らずに、目の下〜頬のつながりを 浅い層(浅層)の位置関係から整える考え方です。

このページでは、受診前に多い疑問である ①脱脂との違い、②向き不向き(適応)、③ダウンタイムの目安を、治療名ではなく「影がどの層から生まれているか」という構造の視点で整理します。

※本ページは一般的な情報提供を目的としています。診断・適応判断は診察により行い、効果・ダウンタイム・リスクには個人差があります。

このページで分かること(1分で要点)

裏ハムラを理解する近道は、「脂肪の量」ではなく 段差(前後差)に注目することです。脱脂と裏ハムラは、同じ“経結膜”でも狙いが異なります。

  • 脱脂=量の調整裏ハムラ=位置と段差の調整
  • 向き不向きは、影の主因が 浅層の段差かどうかで変わる
  • ダウンタイム目安:腫れ数日〜1週間、内出血は出ることがある(個人差)

※迷う場合は“治療名”より先に、原因の層を総合ガイドで確認すると判断が安定します

裏ハムラ法(経結膜)とは

裏ハムラ法(経結膜)は、目の下に生まれた影の背景にある 段差(前後差)を、皮膚切開をせずに内側(結膜側)から整える考え方です。ここでいう段差とは、単なる「へこみ」だけでなく、凹みの手前で組織が前方に出て見えることによって生じる 凹み+ふくらみの前後差を含みます。

大切なのは、脂肪を「取る/取らない」ではありません。影がどの層の、どの位置関係から生まれているかを見極め、必要な層にだけ 必要十分な範囲でアプローチすることです。

脱脂(経結膜)と裏ハムラの違い|同じ入口でも“狙い”が違う

脱脂と裏ハムラは、ともに経結膜で行われることがありますが、設計思想が異なります。

  • 脱脂:ふくらみを主に「量」として捉え、量の調整を検討する
  • 裏ハムラ:影の原因を「段差(前後差)」として捉え、位置関係と連続性を整える

段差が主因のタイプでは、量を減らすだけでは影の本体が残ることがあります。逆に、量が主因のタイプでは、連続性だけを作っても到達点に限界が出ることがあります。だからこそ当院では、まず「量の問題なのか/位置関係の問題なのか」を、層の視点で整理します。

脱脂が向く条件・失敗しやすい条件は別ページで整理しています。“量の問題か/段差の問題か”で迷う方は先に確認してください。〔脱脂(経結膜)とは〕

なぜ脱脂だけでは整いにくいクマがあるのか
“量”ではなく“段差”が主因のとき

脱脂は、ふくらみを「量」として減らす発想です。一方で、目の下の影が強く見える原因が、脂肪の量ではなく 境界で生まれる段差(前後差)にある場合、量を減らしても影の本体が残ることがあります。

とくに、境界(ティアトラフ)に沿って影が出るタイプでは、凹みそのものに加えて、その手前で組織が前方に出て見えることで、凹みとふくらみの 前後差が影として認識されやすくなります。このとき脱脂を強く行うと、ふくらみは減っても凹み(影)が相対的に目立ち、「思ったほど明るくならない」「へこんだ印象が気になる」と感じるケースがあります。

裏ハムラは、この問題を「取る/取らない」ではなく、段差がどこで生まれているかとして捉え直し、浅層の位置関係を整えて連続性を作る方向で設計します。適応は診察で評価し、必要十分な範囲で計画します。

〔ティアトラフとは|影の起点(境界)を構造で理解する〕

① 境界(動きにくい凹み)が影の起点になる

目の下には、靱帯や結合組織が骨に強く付着する「動きにくい境界」があり、ここに光が落ちることでクマの“線”が生まれます。

② 眼窩脂肪が、境界で“止まって前に出て見える”

眼窩脂肪は加齢でわずかに下方向へ力を受けますが、境界の付着が強い場合は動きが制限され、境界付近で前に押し出されたように見えることがあります。
これは脂肪が「増えた」のではなく、位置(前後関係)の問題です。

③ 凹み+膨らみの“前後差”が、影を強くする

境界の凹みと、直上の膨らみが並ぶと段差が強調され、影と膨らみがセットで目立つ「段差のクマ」になります。

裏ハムラで目指すこと|「取る」より「つなげる」

裏ハムラの目的は、目の下と頬を別々に扱うのではなく、境界で生まれた段差を なだらかに連続させることです。別人のように変えることではなく、元の立体と明るさを静かに取り戻すことを重視します。

当院では、「脂肪は悪いから取る」という発想ではなく、影の原因を層で整理したうえで、必要な調整だけを行う方針です。治療を急がせることはありません。まずは原因を揃え、到達点を共有してから検討します。

裏ハムラは、同じ名称でも 設計の前提(何をどこまで整えるか) がズレると結果の印象が変わります。同じ“裏ハムラ”でも設計前提がズレると印象が変わります。診察で確認すべき質問を短くまとめました〔「名医」「専門」で迷ったときの、診察での確認ポイント〕

目の下は「皮膚が余りにくい」構造です|だからまず内部構造を整えます

目の下は、解剖学的に“皮膚が余りにくい”条件が重なっています。

  • 皮膚が薄い
  • 皮下脂肪が少ない
  • すぐ下に眼輪筋がある
  • 境界となる靱帯付着が強い

そのため、鏡で「余っている」と感じても、実際には
弾力低下や内部の段差が原因で“余って見えているだけ”のことが少なくありません。

これは、眼形成外科領域の解剖学的研究や、
下眼瞼手術の臨床報告でも示されている考え方です。

私は、まず内部構造(浅い層)を整え、
それでも本当に必要な場合にのみ、次の選択肢を検討します。
(この順番が、自然で負担の少ない結果につながると考えています。)

向いているタイプ/別の層が主因かもしれないサイン

適応は診察で判断しますが、受診前の目安として整理します。迷う場合は総合ガイドを先に読むと理解が早くなります。

向いている可能性があるサイン(浅層の段差が主因)

  • 影が 境界に沿って線状に出やすい
  • ふくらみの「量」より 段差(前後差)が気になる
  • 頬の立体は比較的保たれ、悩みの中心がクマにある

別の層の影響も疑うサイン(中間層/深層の関与)

  • 影が線ではなく “面”として広がって見える
  • クマだけでなく、顔全体の 疲れ感が先に出る
  • 頬の支え(重心)の変化が強く、段差だけで説明しづらい


この場合、裏ハムラ(浅層)だけで完結させるのではなく、中間層(骨膜上)/深層(骨膜下)を含めて選択肢を整理します。次のセクションで、当院の裏ハムラの設計(標準設計/PONO式)として位置づけを示します。

PONO式裏ハムラ|浅層から中間層まで“連続して”整える橋渡し

※裏ハムラを「浅層」、裏ミッドを「深層」とすると、PONO式裏ハムラはその 中間層(骨膜上)を扱う位置づけです。

PONO式裏ハムラは、裏ハムラ(浅層の段差を整える考え方)の枠内で、影が「線」ではなくやや「面」に広がって見えるタイプに対して、骨膜上の浅い重心(中間層)までを“連続した構造”として整理し、必要十分な範囲で整える設計です。
治療名を増やす意図ではなく、影がどの層まで関与しているかを診察で揃えるための区分として位置づけています。

次のような所見がある場合、浅層だけで完結させず、「中間層まで含めて」検討することがあります。

  • 影が境界だけでなく、やや広く見える
  • 段差に加えて、中間層の浅い重心がわずかに下がっている
  • 裏ハムラだけでは説明しきれない「疲れ感」がある

※PONO式裏ハムラは骨膜上の層を扱う設計であり、深層ユニット+支持構造(骨膜下アプローチで重心再配置が成立する領域)を扱う 裏ミッドフェイスリフトとは、主に扱う層が異なります

【専門的に知りたい方へ】
裏ハムラで行う「支持条件の調整」
── 段差を“戻りにくい形”で整えるための構造的考え方

【専門的に知りたい方へ】
裏ハムラにおける「ORL解除・隔膜(CPF)再配置・支持条件の再構築」

裏ハムラで行う「支持条件の調整」とは、
単一の手技を指す言葉ではありません。

ティアトラフ周囲で影や段差を生んでいる
複数の“固定条件”を解除し、
脂肪と支持構造を本来あるべき位置関係に戻す一連の構造操作
を指しています。

■ ティアトラフにおける ORL(眼輪筋支持靱帯)の解除
── とくに内側の強固な付着をどう扱うか

ティアトラフ部、特に内側では、
ORL(orbicularis retaining ligament)が骨に強く付着しており、

・影の起点
・段差が戻りやすい原因

となっていることが少なくありません。

当院の裏ハムラでは、
この内側で強固な ORL の付着を不十分なまま残すことはせず

  • ティアトラフ部の ORL
  • 特に内側で動きを制限している付着部

を、必要十分な範囲で丁寧に解除します。

これは、
脂肪を動かすためではなく、
脂肪が自然に連続できる「前提条件」を整える操作です。

■ ORLの「下」に眼窩脂肪を再配置・固定するという考え方

ORLを解除したあとに重要なのは、
その“上”で形を作ることではありません。

解除した ORL の「下」に、
眼窩脂肪を自然な位置関係で再配置・固定する
ことが本質です。

これにより、

・境界の凹みが直接皮膚表面に影として現れるのを防ぐ
・凹みと膨らみの前後差を、構造的になだらかにする

という効果が得られます。

一般に「眼輪筋オーバーラップ」と呼ばれる操作は、
本来この
ORL解除+脂肪再配置
という構造操作を指しているべきものです。

■ 隔膜タイトニング=セプタルリセット
── CPF(capsulopalpebral fascia)前葉の再配置という整理

裏ハムラにおいてもう一つ重要なのが、
眼窩脂肪を包む隔膜構造の扱いです。

隔膜タイトニング
セプタルリセット

と呼ばれる操作は、
実際には

CPF(capsulopalpebral fascia)前葉を含む隔膜構造を、
過度な緊張や前方圧がかからない位置へ再配置する操作

として整理できます。

これは、

・眼窩脂肪が前に押し出されて見える
・時間とともに段差が戻りやすい

といった状態を、
構造的に安定させるための工程です。

■ CPF前葉再配置の解剖学的背景(論文的整理)

CPF は、
下眼瞼の運動と眼窩脂肪の位置関係に深く関与する構造であり、

  • CPF前葉が隔膜・眼窩脂肪と連続していること
  • その張力や位置が、脂肪の前方突出や段差形成に影響すること

は、これまでの解剖学的研究でも示されています。

Mendelson らによる periorbital anatomy の研究や、
Rohrich、Cotofana らの報告では、

下眼瞼の形態変化は、
脂肪そのものよりも
脂肪を支持・制御する筋膜・隔膜構造の位置関係によって生じる

ことが繰り返し示されています。

そのため、
CPF前葉を含む隔膜構造を
過度に引き締めるのではなく、
自然な位置関係へ再配置する

という考え方は、解剖学的にも合理的です。

■ 当院の裏ハムラでは「局所完結」を避けます
── 頬脂肪との連続性を前提にした再構築

当院の裏ハムラでは、
眼窩脂肪や隔膜構造を局所的に留めることはしません。

  • ORLを解除し
  • 眼窩脂肪を再配置し
  • CPF前葉を含む隔膜構造の緊張を整え

そのうえで、

頬の脂肪との連続性を保った位置関係を意識して固定します。

これにより、

・ティアトラフだけが不自然にフラットになる
・目の下だけが局所的に整った印象になる

といった状態を避け、
目の下から頬にかけて自然につながる立体をつくります。

■ これらはすべて「標準術式に含まれる考え方」です

ORLの解除
眼窩脂肪の再配置
隔膜(CPF前葉)の再配置
頬脂肪との連続性の確保

これらは、

・特別な追加手技
・オプションとして選ぶ操作
・効果を誇張するための工程

ではありません。

構造を正しく見れば、
必要に応じて行うのが当然の操作
であり、
当院では裏ハムラの標準的な設計の中に含まれています。

裏ハムラは、
脂肪を取るか、足すか、という治療ではありません。

どこが固定され、
どこを解除し、
脂肪と隔膜をどう連続させるか。

その支持条件を正しく整えることで、
段差と影は
“戻りにくい形”として自然に落ち着いていきます。

これが、
当院が行っている裏ハムラの構造的な考え方です。

裏ミッドフェイスリフトとの違い|深層(骨膜下)を扱う選択肢

裏ミッドフェイスリフトは、深層(骨膜下)まで含めて、中顔面を支えるユニットと支持構造に直接アプローチする考え方です。表面を引っ張るのではなく、土台を整え直すことで、クマだけでなく顔全体の印象に向き合う選択肢になります。

裏ハムラ(浅層)/PONO式(中間層)/裏ミッド(深層)は、優劣ではなく 原因の層が違うという整理です。診察では、どの層が主因かを丁寧に評価し、必要な層にだけ最小限に計画します。

皮膚が薄い・透ける・小ジワが気になる場合(皮膚=“質”の別軸)

目の下はもともと皮膚が薄い部位です。段差(位置関係)を整えても、透け感や小ジワが主な悩みとして残る場合は、構造(層)に加えて 皮膚そのものの変化(質)が関与していることがあります。

その場合は、診察で「主因が位置か、質か」を整理したうえで、必要に応じて皮膚側の治療(皮膚再生療法など)も検討します。適応や回数は診察で評価します。

ダウンタイム・経過の目安(裏ハムラ・Pono式裏ハムラ)

ダウンタイムは個人差があります。以下は一般的な目安としてご覧ください。生活条件(仕事・撮影・出張など)に合わせて、診察で具体的な見通しを共有します。

  • 腫れ:数日〜1週間程度(個人差)
  • 内出血:出ることがある(程度は個人差)
  • 痛み:強くないことが多いが、違和感が残ることがある
  • 仕上がり:創傷治癒の観点から6か月が目安

※経過には個人差があります。診察時に、ご希望の方にはより詳しくご説明します。

リスク・注意点

私はメリットだけでなく、リスクや限界も正直にお伝えしています。

  • 腫れ・内出血
  • 左右差、仕上がりの個人差
  • 期待値とのズレ(到達点の限界)
  • 感染、出血などの一般的な外科リスク(頻度は高くないがゼロではない)
  • 既往や他院治療歴により選択肢が制限されることがある

不安が残る状態で治療を急ぐ必要はありません。
まずは構造を一緒に確認し、判断材料を整理しましょう。

症例|“やりすぎない変化”という選択

変化の幅と到達点は、文章よりも症例で確認するのが確実です。治療を急がず、まずは「どこまで自然に整うのか」を把握してください。

よくある質問(FAQ)|裏ハムラ(経結膜)

※一般的な情報提供です。適応判断は診察で行います。

Q1. 裏ハムラと「クマ取り(経結膜脱脂)」はどう違いますか?

脱脂は脂肪の「量」を調整する考え方、裏ハムラは脂肪と境界の「位置関係(段差・前後差)」を整える考え方として整理できます。どちらが適するかは、段差の主因が「量」か「位置」かを診察で評価して判断します。
関連:〔脱脂(経結膜)とは〕

Q2. 裏ハムラが向いているのはどんなタイプですか?

目安として、影が境界に沿って出やすい/ふくらみが「量」より「前に出て見える位置」で目立つ場合は浅層要因の可能性があります。適応は診察で判断します。

Q3. 影が“面”に広がって見えます。裏ハムラだけで足りますか?

影が線ではなく面として広がる場合は、中間層(骨膜上)や深層(骨膜下)の影響が関与していることがあります。診察で「主因がどの層か」を整理し、必要な層にだけ最小限に計画します。

Q4. PONO式裏ハムラと裏ミッドフェイスリフトの違いは?

扱う層の整理が異なります。PONO式裏ハムラは中間層(骨膜上)までを連続して捉える設計、裏ミッドは深層(骨膜下)を扱う設計です。優劣ではなく、原因の層で適応が変わります。
関連:〔裏ミッドフェイスリフトの詳細〕

Q5. ダウンタイムはどれくらいですか?仕事はいつから?

腫れは数日〜1週間程度、内出血が出る方もいます(個人差)。お仕事復帰は仕事内容(接客・撮影・出張等)で調整が必要なため、診察時に目安を共有します。

Q6. 洗顔・メイク・コンタクトはいつから可能ですか?

目安はありますが、腫れや結膜の状態により調整します。安全性を優先して、診察時に個別にご案内します。

Q7. 皮膚が余っているように見えます。切除が必要ですか?

目の下は構造上、皮膚が“余りやすい部位”ではありません。余って見えても、弾力低下や内部の段差が関与していることがあります。当院ではまず切らずに内部構造(段差)を整え、それでも必要性がある場合に限って次の選択肢を検討します。

Q8. 他院治療後に凹み・悪化・治らないと感じる場合も相談できますか?

相談は可能です。ただし状態により選択肢や到達点は異なります。まず原因(層)と制約条件を整理し、現実的な改善目標を確認したうえで検討します。
関連:〔他院治療後のご相談(修正)〕

カウンセリングのご案内
治療を前提としない、「構造」を知るための時間です

カウンセリングは契約の場ではありません。
まずは目の下と中顔面の構造を一緒に確認し、

  • 今の状態で治療が必要かどうか
  • どの層に原因がありそうか
  • 浅層だけで足りるのか、中間層・深層まで考えるべきか
    を整理します。

「今はまだ治療をせずに様子を見る」という結論になることもあります。
迷っている段階でも、どうぞ安心してご相談ください。


※診察の結果、治療をおすすめしない判断になることもあります。