目の下のヒアルロン酸はダウンタイムなし?腫れ・内出血の実態

「ダウンタイムなし」とうたわれる目の下のヒアルロン酸注射でも、実際には腫れや内出血がまったく出ないとは限りません。

多くの方は数日から1週間ほどで日常に戻れる軽い症状にとどまります。注入する量や使う製剤、医師の手技によって個人差は大きく、人によっては2週間ほど内出血が残るケースもみられます。

この記事では、目の下のヒアルロン酸で起こる腫れや内出血の仕組み、続く期間、和らげる過ごし方、注意したいリスクを順に整理します。施術前の不安をやわらげる材料として読み進めてください。

目次

目の下のヒアルロン酸はダウンタイムなし?知っておきたい本当のところ

ダウンタイムが「まったくない」と断言できる治療は、目の下のヒアルロン酸注射であってもほぼ存在しません。針を皮膚に刺して薬剤を入れる以上、わずかな赤みや腫れ、内出血の可能性はゼロにはなりません。

目の下のヒアルロン酸では、当日の症状の出方が大きく3つのパターンに分かれます。

当日の状態症状の目安
ほぼ気にならない方軽い赤みや小さな膨らみのみで翌日には落ち着く
中程度の方軽い腫れが2〜3日、針痕に小さな内出血が数日残る
内出血が目立つ方紫色の内出血が10〜14日かけて色を変えながら消える

どのパターンになるかは、血管の太さや皮膚の薄さといった個人差で決まるため、事前の予測には限界があります。事前に複数のパターンを想定しておくと心理的な準備がしやすくなります。

「ダウンタイムなし」は本当に成り立つのか

広告や口コミで目にする「ダウンタイムなし」は、生活に支障が出るほどの強い腫れや痛みがないという意味合いで使われることがほとんどです。完全に何も起こらないという意味ではない点を、施術前に押さえておきたいところです。

ダウンタイムなしを期待していた方が、内出血が1週間残って「話と違う」と感じてしまうこともあります。期待値のずれを防ぐためにも、ありうる症状を具体的に把握しておくことが安心につながります。

ダウンタイムの一般的な長さ

目の下のヒアルロン酸注射では、注入直後の小さなふくらみは数時間で目立たなくなることが多いです。軽い腫れは2〜3日、内出血が出た場合は1〜2週間で消えていくのが一般的な経過といえます。

複数の臨床研究によれば、腫れや内出血のいずれかが出る方の割合はおおむね10〜20%にとどまります。残りの方は当日や翌日には外見上ほぼ変化が分からなくなり、ダウンタイムなしと感じる方が一定数いるのも事実です。

ダウンタイムなしと感じやすい人の共通点

皮膚が比較的厚く、皮下の血管が透けにくい方は、内出血が出ても目立ちにくい傾向があります。注入量が少なめで、カニューレと呼ばれる先端が丸い細い管を使った場合も、針穴が小さく腫れにくい傾向です。

逆に皮膚が薄く血管が浮きやすい方、注入量が多い方、針を使った深い注入を受けた方は、ダウンタイムが長くなりやすいでしょう。同じ施術でも体質の差で経過が変わる点は意識しておきたいところです。

ヒアルロン酸注射で目の下に腫れが出る仕組みと続く期間

目の下の腫れは、約12%前後の方に出る比較的よくある反応です。多くは2〜5日でほぼ落ち着きますが、まれに数週間続くケースもあります。

目の下が腫れる主な3つの原因

腫れの原因は大きく分けて3種類あります。1つ目は注入そのものによる組織の反応で、針が通った場所が一時的にむくむ自然な変化です。

2つ目は、使ったヒアルロン酸が水分を吸って膨らむ性質です。製剤によって吸水性に差があり、含水率が高い製剤ほど数日かけてふっくらしていく傾向があります。

3つ目は遅発性のむくみで、注入から数週間後に出てくる場合があります。マラーエデマと呼ばれる目の下のむくみは、ヒアルロン酸が周辺の組織液をため込みやすい構造に関係しています。

腫れのピークと引き始める時期

腫れのピークは多くの方で注入翌日から2日目です。冷却を続けると組織の反応が落ち着き、3日目以降は徐々に引き始めます。

1週間後にはほとんどの方で見た目の変化がなくなり、もとの輪郭になじんで仕上がりが安定します。鏡で気になる時期と人前に出るタイミングが重ならないよう、予定を組んでおくと安心です。

製剤の種類と腫れやすさの関係

ヒアルロン酸製剤は粒子の大きさや架橋の強さによって性質が異なります。粒子が大きく硬めの製剤は形を保ちやすい反面、目の下のような薄い皮膚では膨らみが目立ちやすい性質があります。

目の下専用に開発された含水率の低い製剤は、注入後のむくみが出にくいことが知られています。クリニックでどの製剤を使うかは事前に確認しておきたいポイントです。

目の下の腫れの主な種類と続く期間の目安

腫れの種類一般的な期間主な要因
注入直後のふくらみ数時間〜1日麻酔と注入量
軽度のむくみ2〜5日組織の反応・水分吸収
遅発性のむくみ数週間〜数か月製剤の吸水性・体質

腫れの種類が分かると、自分の経過がどのパターンに当てはまるか判断しやすくなります。気になる症状が出ても、種類と期間の目安を知っておけば落ち着いて対応できます。

目の下のヒアルロン酸でできる内出血の原因と消えるまでの目安

診察の現場で内出血の相談を受けるのは、目の下のヒアルロン酸では避けられない場面の一つです。約2割の方に出る正常な反応であり、特別なトラブルではない点を最初に押さえておきたいところです。

内出血ができる仕組み

目の下の皮膚は0.5mm前後と非常に薄く、すぐ下を細い静脈や毛細血管が網目のように走っています。針がこれらの血管を傷つけると血液がにじみ出て皮膚の下にたまり、青紫色の点や面として見えるようになります。

カニューレを使った注入では針先が丸いため血管を押しよけて進みやすく、内出血の頻度が下がります。それでも完全には防げないため、出る前提で予定を立てておくのが現実的です。

色の変化はどう進む?治り方の目安

内出血は時間とともに色が変わっていきます。直後は赤、1〜2日で青紫、4〜5日で緑から黄色、その後肌色に近づいて消えていくのが一般的な経過です。

完全に消えるまでには7〜14日かかります。10日目あたりで黄色っぽさが残っている時期は、ファンデーションでカバーできる程度まで色が薄くなっていることがほとんどです。

内出血が出やすい方の傾向

体質や生活習慣によって、内出血の出やすさには差があります。下に挙げる項目に当てはまる方は、施術前にクリニックへ相談しておくとよいでしょう。

内出血が出やすい方の主な特徴

  • 抗凝固薬や抗血小板薬を服用している方
  • ビタミンE・魚油・ニンニクなどのサプリを大量摂取している方
  • 飲酒の頻度が高い方
  • 皮膚が薄く血管が透けて見えやすい方
  • 過去の注射で内出血が出やすかった方

これらに該当する場合でも、医師が血管の走行を意識して注入することで、内出血の範囲を小さく抑えやすくなります。事前の問診で正直に体質を伝えておくことが安全な施術への第一歩です。

ダウンタイムを最小限に抑える施術前後の過ごし方

ダウンタイムを軽く抑えたいのであれば、施術前後2週間の過ごし方が大きな鍵を握ります。少しの工夫で腫れや内出血の出方は明らかに変わってきます。

施術前に控えたい薬・サプリメント・食品

血液をサラサラにする働きのある成分は、内出血を強める可能性があります。痛み止めの一部やビタミンE、青魚に多いEPAなどは、施術1週間前から控えるのが安心です。

ただし持病で薬を服用している方は、自己判断での中止は避けてください。クリニックの問診票に正直に書き、医師と相談しながら継続か中止かを決めるのが安全な進め方です。

当日のメイクとアフターケアのコツ

当日は厚塗りメイクを避け、すっぴんかごく薄い化粧で来院するとスムーズです。施術後は注入部位を冷やすと腫れと内出血が軽くなり、5〜10分の冷却を当日に数回繰り返すと効果的でしょう。

施術後のメイクは2〜3時間あけてから可能ですが、注入直後はあまり強くこすらないでください。コンシーラーで内出血を隠す場合は、軽くトントンと乗せる感覚で十分です。

仕事や予定の調整のしかた

ダウンタイムをきれいに乗り切るには、人前に出る予定との兼ね合いが大切です。大切な予定の少なくとも2週間前には施術を済ませておくと、内出血が出ても落ち着く時間を確保できます。

写真撮影や結婚式などの重要なイベントが控えている場合は、3週間以上の余裕を見ておくのがおすすめです。リハーサルが必要な予定は前倒しで施術日を設定すると安心でしょう。

施術1週間前から控えたいものの目安

種類主な例
アスピリン・痛み止めの一部
サプリメントビタミンE・EPA/DHA・ニンニクエキス
飲食多量のアルコール・大量の青魚

定期的に飲んでいるものほど見落としがちなので、施術1週間前に一度リストアップしておくことをおすすめします。

目の下のヒアルロン酸ダウンタイム中に避けたい行動

「ダウンタイムなしの治療だから何をしてもよい」と考えるのは誤解です。注入直後の組織は不安定で、生活の中の小さな刺激が腫れや内出血を悪化させることがあります。

注入後しばらくの間、特に意識して避けたいのは次のような行動です。

  • 当日の入浴は短時間のシャワーだけにする
  • サウナ・岩盤浴・激しい運動は3〜4日避ける
  • 目の周りをこすったり強く押したりしない
  • 飲酒は最低48時間控える
  • うつぶせ寝で枕に顔を押し付けない

いずれも血流を急に上げる行動や、注入部に圧をかける行動です。ダウンタイムを短く済ませたい場合は、特に最初の3日間を意識して避けてみてください。

入浴・サウナ・激しい運動を控えたい理由

体温が上がると血管が広がり、注入部位の腫れや内出血が広がりやすくなります。施術当日は湯船を避け、シャワーも短めにすませるのが安心です。

サウナや岩盤浴は3〜4日、ジョギングや筋トレなど心拍数を強く上げる運動は3〜4日空けてください。軽い散歩程度であれば翌日から問題ありません。

触る・揉む・うつぶせ寝が招くトラブル

注入されたヒアルロン酸は、最初の1週間ほどは形が安定していません。強く揉んだり押したりすると、せっかく整えた輪郭が崩れたり、注入剤が不均一に広がってしこりの原因になります。

うつぶせ寝も同じく圧を加える行動なので、最初の3〜4日はあおむけで眠るよう心がけてください。クレンジングや洗顔時も、力を入れずに優しく扱う意識が大切です。

アルコールと血流促進が腫れを悪化させる

アルコールは血管を広げ、注入部の腫れや内出血を強める働きを持ちます。施術当日と翌日は完全に控え、2〜3日たってからも適量を心がけたいところです。

辛い食べ物やカフェインの大量摂取も似た作用で、腫れを長引かせる場合があります。ダウンタイム中は薄味と十分な水分補給を意識すると、回復がスムーズに進むでしょう。

腫れや内出血以外に知っておきたいヒアルロン酸のリスク

目の下のヒアルロン酸では、腫れや内出血以外にも知っておきたいリスクがいくつかあります。頻度は高くないものの、起こった場合には対処が必要なものばかりです。

青く透けるチンダル現象

チンダル現象は、ヒアルロン酸が皮膚の浅い層に入ることで青みがかって透けて見える現象です。目の下の薄い皮膚では特に出やすく、注入から数日〜数週間後に気づくこともあります。

光の散乱で起こるため、製剤の種類と注入の深さを工夫すれば多くは予防できます。出てしまった場合はヒアルロニダーゼと呼ばれる溶解剤で改善が可能です。

しこりや凹凸ができる原因と対処

一度に注入する量が多すぎたり、一カ所に集中して入れたりすると、しこりや凹凸が触れる形で残ることがあります。多くは数週間でなじみますが、目立つしこりはマッサージや溶解剤で対処します。

注入直後に小さなふくらみを感じても、組織が落ち着くと自然になじむケースがほとんどです。1か月たっても気になる場合はクリニックに相談してください。

まれに起こる重大な血管閉塞のリスク

非常にまれですが、ヒアルロン酸が血管の中に入ってしまうと、血流が遮られて皮膚が壊死したり、視力に影響が出る重大な合併症が起こりえます。

世界の症例報告では数万件に1件以下とごくまれな頻度ですが、起こった場合は数時間以内の対応が結果を大きく左右します。溶解剤を備えた経験豊富な医師のもとで施術を受けることが、最大の予防策といえるでしょう。

腫れ・内出血以外で押さえておきたいリスク

リスクおおよその頻度対処の方向性
チンダル現象まれ〜時々溶解剤での改善
しこり・凹凸時々マッサージや溶解剤
血管閉塞非常にまれ速やかな溶解処置

いずれもクリニック側の備えと対応力で結果が変わるリスクです。施術前に対処の流れを確認しておくと安心して臨めます。

ダウンタイムを左右するクリニックと医師選びのコツ

同じヒアルロン酸を使えば、誰でも同じ仕上がりになるのでしょうか。実際には医師の経験や施設の体制で、ダウンタイムの長さも仕上がりも大きく変わります。

カウンセリングで確認したい項目

良いクリニックのカウンセリングでは、希望のイメージだけでなくリスクと限界も丁寧に説明します。腫れや内出血が出る可能性、起こりうる合併症、ダウンタイムの目安が具体的に語られるかを見てください。

質問への答えがあいまいだったり、デメリットを語らずメリットばかり強調するクリニックは、相性が合わない可能性があります。納得できない場合は契約を急がず一度持ち帰る勇気が大切です。

注入手技と使用するヒアルロン酸の確認

針かカニューレかの選択や、使用する製剤の名前と量は、必ず事前に確認しておきたいところです。目の下用に設計された含水率の低い製剤を選ぶクリニックは、ダウンタイムへの配慮が見られる目印になります。

医師の経験年数と症例数も、可能であれば聞いてみてください。経験を重ねた医師ほど血管の走行を踏まえて注入位置を決め、内出血を少なく抑える傾向があります。

クリニックを選ぶときに確認したい点

確認項目望ましい姿勢
製剤の説明名前・量・部位を具体的に提示
注入器具針かカニューレかを選べる
トラブル対応24時間連絡先と溶解剤の常備

トラブル発生時の対応体制を聞いておく

万が一の合併症が出たときに、どこへ連絡すればよいかを契約前に確認してください。24時間つながる連絡先があるか、クリニックが溶解剤を常備しているかは、安全面を判断する大切なポイントです。

緊急時の対応マニュアルが整っているクリニックは、職員の教育にも力を入れていることが多いです。表面的な料金だけでなく、こうした見えにくい部分にも目を向けることをおすすめします。

価格だけで決めない判断軸

極端に安いキャンペーン価格には、注入量が少ない、経験の浅い医師が担当するといった背景が隠れていることがあります。価格と安全のバランスを冷静に見比べる視点が大切です。

複数のクリニックでカウンセリングを受け、説明の丁寧さと費用の妥当性を比較してから決めるのが、結果的に満足度の高い選択につながります。

よくある質問

目の下のヒアルロン酸の腫れは何日くらいで引きますか?

目の下のヒアルロン酸による腫れは、多くの方で2〜5日のうちに目立たないレベルまで落ち着きます。注入量が多めの方やもともとむくみやすい体質の方は、1週間ほど軽い腫れが残ることもありえます。

ピーク時には冷却が効果的で、5〜10分の冷却を当日に数回行うと回復が早まります。1週間たっても明らかな腫れが残る場合は、施術を受けたクリニックへ相談してください。

目の下のヒアルロン酸の内出血を早く治す方法はありますか?

目の下のヒアルロン酸でできた内出血そのものを、劇的に早く消す方法はありません。ただし皮下出血用の塗り薬や経口のビタミンKなどがある程度の助けになり、市販の青タン用クリームを試す方も少なくありません。

色が緑から黄色に変わってきた段階であれば、コンシーラーで上手にカバーできます。温めると吸収が早まる時期もあるため、医師の指示に従って対処してください。

目の下のヒアルロン酸を入れた当日に仕事へ行けますか?

目の下のヒアルロン酸を入れた当日でも、軽いデスクワークであればそのまま復帰している方がほとんどです。ただし内出血や腫れが出る可能性はゼロではないため、人前に出る機会が多い職種では翌日以降に休みを入れる方が安心でしょう。

接客業や撮影が伴うお仕事の場合は、施術日を週末や連休前に設定し、最低でも2〜3日のバッファを持っておくとよいでしょう。スケジュールに余裕を持つことが心の余裕にもつながります。

目の下のヒアルロン酸でダウンタイムをほぼゼロにする方法はありますか?

目の下のヒアルロン酸で、ダウンタイムを完全にゼロにする方法はありません。ただしダウンタイムを最小限に近づける工夫はあり、カニューレでの注入、含水率の低い製剤の選択、経験豊富な医師の手技がそろうと症状はかなり軽く済みます。

あわせて施術前1週間の血液サラサラ系成分の制限、当日と翌日の冷却、48時間の禁酒を守ると、腫れや内出血の出方を抑えやすくなります。完全な予防ではなく、可能性を下げる発想で取り組んでみてください。

目の下のヒアルロン酸の効果はどのくらい持続しますか?

個人差はありますが、目の下のヒアルロン酸に使う一般的な製剤は9〜12か月ほど効果が続きます。代謝の早い若い方ではやや短く、代謝のゆるやかな方では長持ちする傾向があります。

繰り返し注入するうちに組織が安定して、効果がやや長く感じられるケースもあります。維持を希望する場合は、効果が薄れる前のタイミングで追加を検討してください。

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この症例の担当医・監修医

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 ポノクリニック東京 院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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