ベビーコラーゲンとは?ヒューマラジェンの効果・持続期間・リスク
ベビーコラーゲンとは、赤ちゃんの肌に多く含まれるIII型コラーゲンを主成分としたヒト由来の注入剤です。製品名「ヒューマラジェン」として知られ、I型とIII型のコラーゲンを同比率で配合しています。
目の下のクマやたるみの治療において、肌質そのものの衰えにアプローチできる選択肢として注目を集めています。ヒト由来のためアレルギーが起こりにくく、繊細な目元に適した柔軟性も備えた製剤です。
この記事では、ベビーコラーゲンの基礎知識からヒューマラジェンの効果・持続期間・リスクまで、治療を検討する方が判断材料にできる情報をお伝えします。
ベビーコラーゲンは赤ちゃんの肌に豊富なIII型コラーゲンの注入剤
ベビーコラーゲンとは、肌のやわらかさや弾力に深く関わるIII型コラーゲンを主役にした注入用の製剤です。赤ちゃんの肌が触れるとふっくらと押し返すような感触を持つのは、このIII型コラーゲンが豊富に存在しているためです。
III型コラーゲンが肌のハリとやわらかさを支えている
コラーゲンは人体のたんぱく質のおよそ30%を占め、皮膚の真皮層(表皮の下にある厚い層)を構成する主要な成分です。なかでもIII型コラーゲンは、コラーゲン線維を細く均一に束ねる働きがあり、肌のしなやかさと弾力を生み出しています。
研究によれば、新生児の皮膚ではIII型コラーゲンが全コラーゲンの約50%を占めるとされています。一方、成人の皮膚では10%前後まで低下し、加齢に伴い比率はさらに減る傾向があります。
肌が「赤ちゃん肌」と表現されるときのみずみずしさは、III型コラーゲンの含有量と密接に結びついているといえるでしょう。
30代を過ぎるとIII型コラーゲンは減る一方
III型コラーゲンの産生量は20代後半から徐々に低下し始めます。30代後半以降はその減少速度が加速し、I型コラーゲンとの比率が大きく偏っていきます。
I型コラーゲンは強度をもたらす太い線維を形成しますが、III型が減ることで線維が太く粗くなり、肌の柔軟性やきめ細かさが失われていきます。目の下のハリが低下してくぼみやたるみが目立ち始めるのも、この変化が一因です。
| 項目 | I型コラーゲン | III型コラーゲン |
|---|---|---|
| 主な役割 | 肌の強度・骨格 | 肌の弾力・柔軟性 |
| 新生児の比率 | 約50% | 約50% |
| 成人の比率 | 約85〜90% | 約8〜11% |
上の数値からもわかるとおり、年齢を重ねるほどIII型コラーゲンの比率は急激に下がります。この減少が、目元を含む顔全体のエイジングサインにつながっています。
ベビーコラーゲン製剤はI型とIII型を同じ比率で含む
ベビーコラーゲンとして流通している製剤は、I型コラーゲンとIII型コラーゲンをおよそ50対50で含んでいます。従来のウシ由来やブタ由来のコラーゲン製剤はI型が95%以上を占めていたため、III型を高い割合で含む点が大きな違いです。
III型コラーゲンを豊富に補うことで、単なるボリューム補充だけでなく、組織の再生を促す作用も期待されています。注入した箇所の線維芽細胞が活性化され、自分自身のコラーゲンを新たに生成する流れが生まれるという報告もあります。
ヒューマラジェンはヒト由来だからアレルギーが起こりにくい
「アレルギーが心配で注入治療に踏み切れない」という声は少なくありません。ヒューマラジェンはヒトの組織から抽出されたコラーゲン製剤であり、動物由来のフィラーに比べて拒絶反応が格段に起こりにくいとされています。
ヒト胎盤由来のアテロコラーゲンを使用
ヒューマラジェンの原料はヒト胎盤です。抗原性(アレルギーを引き起こす部分)を除去する「アテロコラーゲン処理」が施されており、免疫系が異物として認識しにくい状態に加工されています。
ヒト由来のたんぱく質であるため、ウシやブタ由来のコラーゲンで問題となるBSE(牛海綿状脳症)やアレルギー反応のリスクが大幅に軽減されています。体に吸収される過程も穏やかで、異物残留への不安が少ない製剤です。
動物由来フィラーとの違いはどこにある?
動物由来のコラーゲンフィラーは、1981年にウシ由来製品がFDAに承認されて以来、長く使われてきました。しかし、ウシ由来ではI型コラーゲンが95%を占め、III型はわずか5%程度にとどまります。
加えて、動物由来コラーゲンでは注入前に2回のアレルギーテスト(パッチテスト)が必要となるケースが多く、実際の治療までに数週間の待機期間が発生していました。ヒューマラジェンではその工程が原則として省略でき、施術までの流れがスムーズに進む点もメリットといえます。
事前のアレルギーテストが原則不要
ヒト由来コラーゲン製剤の場合、動物由来製品のような皮膚テストは通常求められません。これは、ヒトのたんぱく質構造が患者自身の組織と極めて近いためです。
- ウシ由来コラーゲン:2回のパッチテスト必須、待機期間あり
- ブタ由来コラーゲン:アレルギー報告はウシ由来より少ないが、テスト推奨
- ヒト由来コラーゲン(ヒューマラジェン):原則テスト不要
ただし、過去にコラーゲン製品で何らかの反応が出た経験がある方や、自己免疫疾患をお持ちの方は、事前に担当医へ申し出ることが大切です。
目の下のクマ改善にベビーコラーゲンが選ばれている背景
目の下のクマ治療にベビーコラーゲンが選ばれるのは、目元特有の皮膚の薄さと繊細さに適した特性を持つためです。ヒアルロン酸フィラーとは異なるアプローチで、肌そのものの質感を改善に導きます。
目元の薄い皮膚にもなじみやすい柔軟な製剤
目の下の皮膚は顔のなかでも特に薄く、厚さはわずか0.5mm程度です。この部位に硬いフィラーを注入すると、凹凸が透けて見える「ティンダル現象」が起こりやすくなります。
ベビーコラーゲンはゲルの粘度が低く、組織になじみやすい柔軟な質感を持っています。目元のような薄い皮膚の下に注入しても、不自然な膨らみやしこりが出にくいのが利点です。
茶クマ・青クマ・影クマそれぞれへの対応
目の下のクマは原因によって大きく3タイプに分かれます。ベビーコラーゲンはそれぞれのタイプに対して異なる角度から効果を発揮する可能性があります。
| クマのタイプ | 原因 | ベビーコラーゲンの狙い |
|---|---|---|
| 茶クマ | 色素沈着・メラニン | 皮膚の厚みとハリ向上で色味を軽減 |
| 青クマ | 血行不良・皮膚の菲薄化 | 薄い皮膚を内側から補強して透け感を抑える |
| 影クマ | たるみ・くぼみ | くぼんだ部位のボリュームを自然に回復 |
影クマ(黒クマ)に対してはボリューム補充の効果が直接的に発揮されやすく、もっとも手応えを感じやすいタイプといえます。茶クマは色素沈着そのものへの治療も併用することで、より満足度の高い結果が見込めるでしょう。
ヒアルロン酸フィラーでは解決しにくいケース
ヒアルロン酸は目の下のくぼみ治療で広く使われていますが、すべてのケースに万能というわけではありません。ヒアルロン酸は水分を引き込む性質が強いため、注入後にむくみやすい体質の方では、目の下がかえって腫れぼったくなることがあります。
ベビーコラーゲンはヒアルロン酸と異なり水分吸収が穏やかなため、むくみのリスクが比較的低めです。さらに、単にくぼみを埋めるだけでなく、皮膚自体の弾力やきめの改善が期待できる点で、ヒアルロン酸とは補い合う関係にあるといえるでしょう。
ヒューマラジェンの効果は注入直後と数週間後の二段階で現れる
ヒューマラジェンの効果は、注入した瞬間から感じられる即時的な変化と、数週間をかけて組織が再生する段階的な変化の二つに分けられます。「打った直後にすぐわかるけれど、本当の仕上がりは数か月先」というイメージが近いかもしれません。
施術当日のボリュームアップ効果
注入直後から、くぼみや凹みがふっくらと持ち上がる変化を実感できます。コラーゲンそのものが物理的に組織を支えることで、影や段差が目立たなくなるためです。
ただし、注入当日は軽い腫れが加わるため、翌日以降にやや落ち着いた印象になることもあります。最終的な仕上がりの判断は、腫れが引いた1〜2週間後が適切なタイミングです。
数週間かけて組織再生がもたらす肌質の変化
III型コラーゲンには組織再生を促す働きがあるとされ、注入後に周囲の線維芽細胞が活性化し、新しいコラーゲンやエラスチンの産生を後押しします。この二次的な効果は注入から2〜4週間ほどで徐々に現れ始め、肌のキメや色味にも好影響が及ぶことがあります。
ヒアルロン酸フィラーが主にボリュームの「補充」にとどまるのに対し、ベビーコラーゲンは肌そのものの「再構築」まで期待できる点が際立った違いです。
| 時期 | 変化の内容 |
|---|---|
| 注入直後〜1日 | くぼみの改善・軽い腫れ |
| 1〜2週間後 | 腫れが落ち着き自然な仕上がり |
| 1〜3か月後 | 組織再生による肌質の改善 |
上記の経過はあくまで一般的な目安であり、年齢や肌の状態、注入量によって個人差が生じます。経過中に気になることがあれば、早めに施術を行った医療機関へ相談しましょう。
効果が出やすい人と出にくい人の傾向
ベビーコラーゲンの効果は、元々のコラーゲン産生力やクマの原因によって差があります。影クマ(くぼみ型)が主原因の方は、ボリューム補充と組織再生の両面で変化を感じやすい傾向です。
一方で、色素沈着が主因の茶クマの場合は、注入だけでは十分な改善が難しいこともあります。レーザー治療やトラネキサム酸の内服といった別のアプローチを組み合わせることで、総合的な改善を目指すのが一般的でしょう。
ベビーコラーゲンの持続期間と再注入のタイミング
初回注入の持続期間はおおむね6か月から12か月とされています。ただし、注入回数を重ねるごとに持続期間が延びていく傾向があり、2回目以降では1年以上効果が続くケースも報告されています。
初回注入は6か月から12か月が持続の目安
ベビーコラーゲンは体内で徐々に吸収される生体吸収性の製剤です。初回の注入では、おおよそ6か月から12か月程度で効果が薄れ始めることが多いとされています。
ヒアルロン酸フィラーの目元での持続が3〜6か月程度であることと比較すると、初回からやや長めの持続が期待できるといえます。ただし、生活習慣や代謝の違いにより個人差があるため、一律には断定できません。
回数を重ねるほど効果が長続きしやすい
臨床の報告によると、ベビーコラーゲンは注入を重ねるごとに持続期間が伸びる傾向がみられます。初回で9か月前後だった持続が、2回目では12か月、3回目では18か月以上続いたという報告もあります。
| 注入回数 | 持続期間の目安 |
|---|---|
| 1回目 | 6〜12か月 |
| 2回目 | 8〜12か月 |
| 3回目以降 | 12〜18か月以上 |
この持続期間の延長は、III型コラーゲンが周囲の組織に働きかけてコラーゲンの自己産生を促す作用によるものと考えられています。回数を重ねるごとに土台となるコラーゲンの層が厚くなり、製剤が吸収されたあとも組織が自力で状態を維持しやすくなるという見方です。
再注入の間隔は目元の状態で判断する
再注入のタイミングは、効果が完全に消失してからではなく、やや薄れてきたと感じた段階が望ましいとされています。残存しているコラーゲンの上に新たな層を積み重ねるほうが、仕上がりの自然さと持続性の両面で有利に働くためです。
定期的な経過観察を行い、担当医と相談のうえで次の注入時期を決めることをおすすめします。自己判断で間隔を詰めすぎると過剰注入につながるおそれがありますので、焦らず経過を見守ることも治療の一部です。
ベビーコラーゲン注入で気をつけたいリスクと副作用
どのような注入治療にもリスクはゼロではありません。ベビーコラーゲンは安全性の高い製剤とされていますが、いくつかの副作用や注意点を事前に把握しておくことが大切です。
腫れ・赤み・内出血など一時的な反応
注入直後に起こりうる反応としては、腫れ・赤み・内出血(あざ)が代表的です。目の下は皮膚が薄く毛細血管が密集しているため、注射針による内出血が他の部位よりやや目立ちやすい傾向があります。
これらの症状は通常1週間から10日程度で自然に治まります。施術後にアイスパックで冷やすことで、腫れや内出血の広がりを抑えることが可能です。
ビタミンEやアスピリンなど血液を固まりにくくする薬剤やサプリメントは、施術の5日前から控えるよう指示されることが一般的でしょう。
まれに生じる遅発性の副作用としこりへの対処
頻度は低いものの、注入後しばらく経ってからしこり(結節)や硬さを感じることがあります。浅い層に製剤が入りすぎた場合や、局所的に製剤が偏って注入された場合に起こりやすい症状です。
ヒアルロン酸フィラーであれば「ヒアルロニダーゼ」という分解酵素で溶解が可能ですが、コラーゲン製剤にはそうした分解酵素が存在しません。
そのため、体内で自然に吸収されるのを待つか、軽いマッサージで改善を図ることになります。万が一、異常な腫れや痛みが続く場合は速やかに医療機関を受診してください。
施術前に医師へ伝えるべき体質と既往歴
安全に施術を受けるために、以下の項目に該当する方は事前に担当医へ必ず申告してください。
- 自己免疫疾患(膠原病、関節リウマチなど)の治療中
- 過去にコラーゲン製品やフィラー注入でアレルギー反応が出たことがある
- ケロイド体質と診断されたことがある
- 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用中
- 注入予定部位に活動性の皮膚感染症がある
妊娠中・授乳中の方は安全性のデータが十分でないため、施術を見送るのが一般的です。持病や服用中の薬が施術に影響するかどうかは、診察時に医師と丁寧に確認しましょう。
よくある質問
- ベビーコラーゲン(ヒューマラジェン)の注入は痛みがありますか?
-
注入時には細い針やカニューレ(先端が丸い管状の器具)を用いるため、強い痛みを感じる方は多くありません。施術前に局所麻酔クリームを塗布したり、製剤にリドカイン(麻酔成分)を混合したりすることで、痛みをさらに軽減できます。
痛みの感じ方には個人差がありますので、不安が大きい場合は事前にカウンセリングでご相談ください。
- ヒューマラジェンの注入後、日常生活にどのような制限がありますか?
-
施術後は注入部位を強くこすったりマッサージしたりすることを、少なくとも1週間は控えるよう案内されるのが一般的です。激しい運動やサウナ、長時間の入浴も、腫れや内出血を悪化させるおそれがあるため、施術当日から数日間は避けたほうがよいでしょう。
メイクは施術翌日から可能なケースが多いですが、注入部位に直接強い圧力をかけないよう注意が必要です。通常の洗顔や軽いスキンケアは当日から行っても問題ないと案内される場合がほとんどです。
- ベビーコラーゲンとヒアルロン酸フィラーは同時に注入できますか?
-
ベビーコラーゲンとヒアルロン酸フィラーを組み合わせて使用することは可能です。たとえば、目の下のくぼみにはベビーコラーゲンを、頬のボリューム補充にはヒアルロン酸を使うといった使い分けが行われることがあります。
ただし、同じ部位に異なる種類のフィラーを同時に注入することは、予期しない反応を招くリスクがあるため、通常は避けられます。複数の製剤を使う場合の計画は、必ず担当医の判断に委ねてください。
- ヒューマラジェンは目の下以外の部位にも使えますか?
-
ヒューマラジェンは目の下だけでなく、額のしわ、ほうれい線、口元の小じわ、手の甲の皮膚の若返りなど、さまざまな部位の治療に用いられています。とりわけ皮膚が薄い部位や、繊細な仕上がりが求められる部位で高い適性を発揮します。
ただし、顔全体のボリュームを大幅に補いたい場合には、ヒアルロン酸フィラーやほかの製剤のほうが適している場合もあります。治療の目的や部位に応じて、どの製剤が合っているかを医師と一緒に検討しましょう。
- ベビーコラーゲンの効果が物足りない場合、追加注入はいつからできますか?
-
初回注入の仕上がりを評価するのに適した時期は、施術から2〜4週間後です。腫れが落ち着き、製剤がなじんだ状態で判断することで、過剰注入を避けられます。物足りなさを感じた場合は、この時点で追加注入(タッチアップ)を行うケースが多いです。
効果が薄れてきた段階での再注入は、初回から6か月以降を目安に検討するのが一般的です。早すぎる再注入はかえって仕上がりを損なうこともあるため、担当医の診察を受けたうえでスケジュールを立てましょう。
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