眼窩脂肪の正体は3つの袋(コンパートメント)|内側・中央・外側で違う膨らみの特徴

目の下の膨らみを作る眼窩脂肪は、内側・中央・外側の3つの独立した袋に分かれています。これらが前方に押し出されることで、老け顔の原因となる段差や影が生じます。

それぞれの袋は脂肪の硬さや色が異なり、突出の仕方も個人の骨格に依存します。各部位の特徴を詳しく把握することが、明るい目元を取り戻すための第一歩です。

目次

眼窩脂肪が引き起こす目の下の膨らみと3つの袋の基本構造

目の下の膨らみは眼球を支えるクッションである眼窩脂肪が、前方に突出することで発生します。この脂肪は3つのコンパートメントという袋に分かれており、それぞれが異なる役割を担っています。

眼球を保護するクッションとしての役割

眼窩脂肪は、本来は大切な眼球を外部の衝撃から守るために存在しています。頭蓋骨の目の空洞である眼窩の中に、眼球を包み込むように配置されており、衝撃を吸収する緩衝材としての機能を果たしています。

この脂肪がなければ、眼球は直接骨に当たってしまい、深刻な損傷を受ける危険性が高まります。守るべき大切な組織が、美容的な観点からは悩みの種となるのは、その配置と支持構造に理由があります。

人間が直立歩行をする以上、重力の影響で眼球は常に下方へ沈み込もうとします。若い頃は眼輪筋や眼窩隔膜といった強固な組織が脂肪を背後に抑え込んでいますが、これらが弱まると逃げ場を失います。

抵抗の弱い目の下の皮膚方向へと突き出してくる現象が、一般的に目袋と呼ばれる膨らみの正体です。この物理的な移動は、日々の目を酷使する生活習慣によっても加速することが分かっています。

加齢による支持組織の緩み

目の下の皮膚は体の中でも最も薄く、わずか0.5mm程度の厚さしかありません。そのため、内側からの圧力変化がダイレクトに表面に現れます。加齢に伴う組織の変化は、この薄い壁を容易に突き破ります。

20代後半から30代にかけて、皮膚のコラーゲン減少や筋肉の衰えが始まると、脂肪を抑える力が低下します。特に眼窩隔膜と呼ばれる膜が薄くなることで、脂肪の袋がはっきりと表面から視認できるようになります。

頬の脂肪が下垂することも、目の下の膨らみを強調する要因となります。目の下の脂肪が前に出る一方で、その下の頬の肉が下がるため、その境界線に深い溝が生じる現象が起きてしまいます。

この段差がティアトラフ(涙の溝)を形成し、光の当たり方によって黒い影、つまり黒クマとして定着してしまいます。影の濃さは、周辺の皮膚の乾燥具合や色素沈着の状態によっても変化します。

コンパートメントという概念

美容外科において、眼窩脂肪を議論する際に欠かせないのがコンパートメントの概念です。脂肪は一つの空間に充満しているのではなく、薄い線維性の隔壁によって区切られているのが実情です。

この隔壁の存在により、例えば内側の脂肪だけが極端に突出している人や、外側だけが膨らんでいる人といった、個体差が生じます。治療を行う際も、この3つの袋をそれぞれ個別に評価する必要があります。

個別の袋を適切に処理することが、仕上がりの美しさを左右します。脂肪同士は繋がっているように見えても、それぞれ独立した血管供給を受けているため、その解剖学的境界を意識することが大切です。

解剖学的な部位の名称

呼称解剖学的名称主な位置
内側Medial Fat Pad目頭から鼻筋にかけて
中央Central Fat Pad黒目の直下付近
外側Lateral Fat Pad目尻寄りの斜め下

内側(鼻側)コンパートメントの特徴と脂肪の突出

内側のコンパートメントは、目頭に近い鼻側に位置しており、3つの袋の中で最も色が白っぽく、線維質が強い傾向にあります。この部位の突出は、目元の険しさや疲れを強く強調する要因となります。

鼻筋に近い部分の膨らみの原因

内側の膨らみは、東洋人に多い骨格的特徴と深く関わっています。鼻の付け根が低い場合、脂肪を抑える骨の堤防が低いため、わずかな脂肪量でも前方に突出しやすくなる傾向が見られます。

この部位の脂肪は、中央部や外側部とは明らかに色が異なり、白濁した外見をしています。質感もやや硬く、指で押した時の反発力が強いのが特徴です。組織間に線維成分が多く含まれているためです。

また、内側コンパートメントは涙道などの重要な組織と近接しています。そのため、この部分が膨らむと、目頭周辺の凹凸が複雑になり、メイクでも隠しにくい独特の影を作り出す結果となります。

色味への影響と影の出方

内側の脂肪が突出すると、鼻の横に強い影を落とします。その影響で、鼻筋が通っていないように見えたり、顔の中央が沈んで見えたりします。この視覚的な変化は、顔の立体感を著しく損ないます。

この部位の皮膚は非常に薄いため、下にある眼輪筋の透けや、脂肪自体の色が影となって現れやすくなります。青クマと黒クマが混ざったような複雑な色味を呈することが多いのも、この部位の特徴です。

疲れが溜まった時に真っ先に目立つのがこの内側の膨らみであるケースも少なくありません。特にパソコン作業などで目を酷使すると、周囲の血流が悪化し、膨らみによる影がより一層深まって見えます。

脂肪の質と硬さの特性

内側コンパートメントの脂肪は、他の2箇所に比べて粒が小さい傾向にあります。細かい脂肪細胞が密集しており、それらを包む線維が発達しているため、塊として取り出しにくい性質を持っています。

ここを適切に処置しないと、目の下のクマは解消されたように見えても、目頭側の違和感が残ってしまいます。不自然な仕上がりを避けるためにも、内側の緻密な評価は欠かせない工程の一つです。

内側の脂肪は、いわば顔の印象のキレを左右する重要なパーツです。少しでも取り残しがあると、正面から見た際のハの字型の影が消えず、治療の満足度が低下してしまう可能性が非常に高い部位と言えます。

内側脂肪の性質まとめ

  • 色は淡い黄色や白濁色を呈しており他より明るい
  • 質感はやや硬く多くの線維質を含んでいるのが特徴
  • 目頭の下の深い溝を作る直接の原因となっている

中央(中央部)コンパートメントの膨らみが生じる背景

中央のコンパートメントは、黒目の真下に位置する最も大きな脂肪の袋です。目の下の膨らみを自覚する多くの人において、この中央部の突出がメインの原因となっており、見た目の変化も最大です。

最も目立ちやすい突出の仕組み

中央部の脂肪は、3つの袋の中で最も鮮やかな黄色をしており、質感も非常に柔らかいのが特徴です。重力や眼球の圧力を受けやすく、最も面積の広い膨らみを作ってしまう性質があります。

正面から見た時にクマがあると認識されるのは、多くの場合、この中央部が突出してその下に影ができている状態です。脂肪の可動性が高いため、視線を動かした時に膨らみが激しく変動するのも中央部です。

この柔らかい脂肪は、加齢とともに眼窩隔膜の支持を失うと、雪崩のように前方へせり出してきます。その結果、頬の高さが失われたように見え、顔全体が老けた印象にシフトしてしまうのです。

涙袋との境界線の消失

多くの人が憧れる涙袋は、眼輪筋という筋肉の収縮によってできる自然な膨らみです。しかし中央の脂肪が大きく突出してくると、筋肉を内側から押し広げ、涙袋を平坦にしてしまう弊害が生じます。

脂肪の膨らみが涙袋の高さに並んでしまう、あるいは追い越してしまうことで、両者が一体化します。こうした変化が目を小さく見せる原因となり、目元のメリハリが完全に失われてしまいます。

中央部の脂肪を適切に除去すると、隠れていた涙袋が再び表面に現れるようになります。これは脂肪による物理的な圧迫が解消され、筋肉本来の厚みが正しく視認できるようになるために起こる現象です。

垂直方向への突出の強さ

中央部の袋は、垂直方向への突き出しが非常に強い性質を持っています。横から見た時に、目の下がポッコリと突き出たシルエットが完成します。この突出は、加齢だけでなく遺伝的な要素も多分に含みます。

10代や20代であっても中央部のコンパートメントだけが発達しているケースが見受けられます。若い時期から老けて見えたり、寝不足に見えたりといった、深刻な悩みを抱える主原因となる部位です。

また、中央部の膨らみが強いと、その重みで下まぶたの縁が外側に引っ張られることもあります。これに伴い白目の露出が増えてしまい、三白眼のような印象を強めてしまうケースも少なくありません。

中央部脂肪の視覚的影響

項目特徴の詳細見た目への影響
脂肪の性質鮮やかな黄色で非常に柔らかい広範囲に及ぶポッコリ感
突出の向き前方および下方への移動涙袋が埋もれて消える
改善効果劇的な変化が得られやすい目元の清潔感が向上する

外側(耳側)コンパートメントの広がりと形状の変化

外側のコンパートメントは目尻に近い位置にあり、3つの袋の中では最も深い位置に存在することが多い部位です。そのため、正面からは気づきにくいものの、斜めや横からの印象を大きく左右します。

目尻側のたるみを強調する要因

外側の脂肪は、こめかみや頬の骨格との兼ね合いで目立ち方が変わります。目尻の下あたりの皮膚がたるんで見える場合、それは皮膚だけでなく外側コンパートメントが外に広がっていることが原因です。

外側の脂肪は、他の2つに比べて横に長い形状をしており、眼窩の縁に沿って配置されています。加齢によって頬の張りが失われると、脂肪の重みが支えきれなくなり、目尻側の「下がり」を強調します。

この部位の突出は、笑った時に目尻のシワと混ざり合い、複雑な凹凸を作り出すことがあります。若々しい目尻のラインを維持するためには、この外側のコンパートメントの管理が非常に重要な意味を持ちます。

横顔の印象を左右する膨らみ

多くの人は鏡で自分の顔を正面から見ますが、他人はあなたの顔を斜めや横から見ています。外側コンパートメントが突出していると、横から見た時に目の下がフラットではなく、不自然なカーブを描きます。

これは疲労感を強く感じさせるだけでなく、顔全体の重心を下げてしまう要因となります。その結果、ブルドッグ顔や全体的なたるみの印象を強め、実年齢よりも老けて見られるリスクを高めてしまいます。

外側の脂肪は、いわば顔のシルエットを整える輪郭形成の役割を担っています。ここがスッキリと収まっていることで、頬のトップの位置が高く見え、小顔効果やリフトアップ効果を演出することが可能です。

脂肪除去時の注意点

外側の袋は手術の際に見落とされやすいという特徴があります。脂肪が深い位置にあり、小さな切開口からはアクセスが難しいため、経験が浅いと取り残してしまうリスクがどうしても高まってしまいます。

外側の脂肪は必要以上に取ってしまうと、目尻側が不自然に窪んでしまい、逆に老けて見える原因にもなります。他の2箇所とのバランスを見極めながら、適量を見極める高度な判断が求められる部位です。

また、外側には神経や血管が複雑に走行しているエリアもあります。安全性を確保しつつ、最大限の美容効果を引き出すためには、外側コンパートメントへのアプローチには細心の注意を払う必要があります。

外側脂肪のチェックポイント

  • 斜め45度の角度から鏡を見て膨らみを確認する
  • 目尻の下に指を添えて脂肪の広がりを確かめる
  • 笑った時の目尻の盛り上がりが不自然でないか見る

3つの袋が混ざり合うことで形成するクマの複合パターン

現実に悩みを抱えている人の多くは、どれか1つの袋だけが原因ではなく、3つの袋が複雑に重なり合ってクマを形成しています。これらが相互に影響し合うことで、個人特有のクマの個性が生まれます。

個人の骨格による突出バランスの差異

眼窩脂肪の出方は、顔の骨格、特に眼窩の大きさと深さに左右されます。眼窩が大きく、頬骨が平坦なタイプの方は、3つの袋すべてが満遍なく前に出やすくなる物理的な条件が揃っています。

一方で、頬骨が高い方は、脂肪が前に出るのを骨が堰き止めてくれるため、内側だけが突出して見えるといった偏りが生じます。脂肪の量だけでなく、器である骨格とのバランスで、見え方は千差万別です。

こうした解剖学的な差異があるため、画一的な治療プランでは満足のいく結果は得られません。個々の骨格を精密にシミュレーションし、脂肪がどの方向に逃げようとしているかを予測することが重要です。

左右差が生じる理由

人間の顔は完全な左右対称ではありません。目の大きさや骨の形、さらには寝る時の向きや表情筋の使い癖によっても、脂肪の出方には左右差が生じます。この差が、顔の歪みを感じさせる原因となります。

右側は中央部が目立ち、左側は内側と外側が繋がって見える、といったケースは珍しくありません。左右差を考慮せずに均等な処置をしてしまうと、術後にバランスが崩れるため、個別の分析が必要です。

また、利き目の違いも眼輪筋の発達に影響し、それが脂肪の抑え込み方に差を生むこともあります。片方だけクマが濃いと感じる場合は、生活習慣の中にその原因が隠れている可能性が高いと言えるでしょう。

複数の袋を同時に処置する必要性

中央の脂肪だけを取ればクマが治ると考える方もいますが、実際には内側や外側も関与しています。中央だけを取り除くと、目立たなかった内側や外側の膨らみが、相対的に強調されてしまうことがあります。これをドーナツ化現象と呼ぶこともあります。

全体として滑らかで自然なカーブを作るためには、3つの袋の状態を俯瞰し、それぞれからミリ単位で調整を行いながら、連続性のある平滑な面に仕上げます。

一つの袋を処置すると隣接する袋の圧力が変化し、位置が微妙に動くこともあります。すべてのコンパートメントを同時に、かつバランス良く整えることが、持続性の高い美しい仕上がりへの近道です。

骨格と脂肪の相関図

骨格タイプ脂肪の傾向見た目の特徴
眼窩が深い脂肪が奥に収まりやすい影ができにくい
頬骨が低い脂肪が前方へ流れやすい若いうちからクマが目立つ
中顔面が短い脂肪が密集して膨らむ目袋が強調されやすい

セルフチェックでわかる自分のクマの原因と脂肪の位置

専門的な診断を受ける前に、自分で鏡を見ながらある程度の予測を立てることが可能です。眼窩脂肪による膨らみは、光の当たり方や表情によってその表情を変えるため、いくつかのポイントを確認しましょう。

鏡を使った膨らみの確認方法

まず、明るい部屋で正面から鏡を見ます。次に、顎を少し引いて上目遣いをしてみてください。この時、目の下の膨らみが強調されるようなら、それは眼窩脂肪が物理的に移動してきている証拠です。

逆に、上を向いた時に膨らみが消えたり、目立たなくなったりする場合は、皮膚のたるみや筋肉の透けが主な原因である可能性が高いです。眼窩脂肪は眼球の動きに連動して移動するため、正体を特定できます。

もし視線を動かしても常に同じ場所に強い影があるなら、それは色素沈着による茶クマの疑いも出てきます。脂肪による膨らみは、影の位置が光の角度によって微妙に変化するのが最大の見分け方です。

上を向いた時の変化で判断する

上を向くと眼球が眼窩の奥に移動し、それに伴って脂肪も奥へ引き込まれます。この時、内側だけが残るのか、あるいは外側まで均等に引っこむのかを注意深く観察してみてください。

もし上を向いても残る膨らみがあるなら、それは脂肪ではなく、長年の重みによって伸び切ってしまった皮膚の余りであると推測できます。脂肪による膨らみと他の要因を見分けることは、正しい処置のために重要です。

皮膚の余りが強い場合は脂肪除去だけでは不十分で、皮膚のタイトニング治療が必要になることもあります。セルフチェックで「何が残るか」を見ることは、自分の課題を整理する上で非常に役立つプロセスです。

触診による弾力性の違い

清潔な指で、目の下の膨らんでいる部分を軽く押してみるのも有効です。眼窩脂肪の膨らみは眼球を上から軽く押さえた時に、連動して押し出されてくるという性質を持っています。

特に中央コンパートメントは、眼球の圧力に敏感に反応します。一方で、内側の脂肪は押してもあまり動かず、少し硬いしこりのように感じることもあります。質感からも脂肪の分布状況を知る手がかりが得られます。

また、押した時に痛みを伴う場合は、炎症や他の要因が隠れている可能性があるため注意が必要です。あくまで優しく、脂肪の動きを確認する程度の力加減でチェックを行うことが大切です。

自己診断のステップ

  • 正面の鏡を見て影の位置を指でなぞってみる
  • 視線を上下左右に動かして脂肪の移動を確認する
  • 指で軽く押して脂肪の跳ね返り具合を確かめる

3つの脂肪コンパートメントを適切に処置する治療法

突出した眼窩脂肪に対する根本的な解決策は外科的なアプローチによる脂肪の再配置、あるいは除去です。現在の主流は、皮膚を傷つけずにアプローチする方法であり、緻密な操作が行われています。

経結膜脱脂術によるアプローチ

まぶたの裏側の粘膜を数ミリ切開し、そこから3つのコンパートメントにアクセスする方法が一般的です。表面に傷跡が残らず、抜糸の必要もないため、多忙な現代人にとって非常に普及している手法です。

この手術の成否を分けるのは、3つの袋からそれぞれどれだけの量を引き出すかというバランス感覚です。術後に眼球が少し沈むことを計算に入れ、取りすぎによる窪みを防ぎつつ、十分な量を確保します。

このような背景から、事前の精密なデザインが不可欠となります。どの袋がどれくらい原因となっているかを正確に見極めることが失敗しないための唯一の道であり、医師の経験値が問われる瞬間でもあります。

取り残しを防ぐためのポイント

手術中に患者様に視線を動かしてもらったり、眼球を軽く圧迫したりすることで、隠れている脂肪を誘い出します。特に外側や内側の脂肪は、リラックスした状態では奥に隠れていることが多いためです。

すべての袋を万遍なくチェックし、段差が残らないように丁寧に平滑化していく作業は高い精度が求められます。

取り残しがあると数ヶ月後に腫れが引いた際、そこだけポコッと浮き出て見えてしまいます。こうした事態を避けるため、術中には何度も確認を重ねます。

一度脂肪を出すと隣のポケットの脂肪が押し出されることもあるため、3つのコンパートメントを往復しながら調整する粘り強い作業が必要です。

脱脂後の凹み対策としての脂肪注入

脂肪を除去すると、その部分が平らになる一方で、もともと脂肪がなかった下の部分との間に、新しい窪みが目立ってしまうことがあります。これを防ぐために、微細な脂肪を注入する方法が併用されます。

眼窩脂肪という不要な膨らみを取り除き、できた必要な窪みを埋める。この一連の立体的な再構築が、クマ治療の完成形と言えます。注入する脂肪の量も、ミリ単位での調整が仕上がりを左右する要素です。

最近では自分の血液から抽出した成長因子を混ぜるなど、定着率を高めるための工夫も行われています。単なる「除去」から「再構築」へ。美容医療の進化によって、より自然で長期的な効果が期待できるようになっています。

治療のフローと期待される効果

ステップ主な内容メリット
マーキング3つの袋の位置を正確に特定左右差のない仕上がり
低侵襲な抽出結膜側から必要最小限に除去傷跡が全く残らない
組織の平滑化脂肪注入等で表面を整える滑らかな若々しい目元

よくある質問

脂肪を取るだけでクマは完全に消えますか?

眼窩脂肪の突出による黒クマに対しては脂肪除去は非常に効果的であり、劇的な改善が見込めます。

しかし、クマの原因が皮膚の色素沈着である場合、脂肪を取るだけでは色は消えないのが実情です。

多くの場合は複数の原因が混ざっているため、脂肪処置に加えて、皮膚の質の改善を組み合わせることで解消に近づきます。カウンセリングで、自分のクマがどのタイプかを正しく知ることが重要です。

処置後に脂肪が再発することはありますか?

一度除去した脂肪細胞が再び増えることは基本的にないため、効果は長期間持続します。

ただし、人間はその後も老化し続けます。加齢によって眼球がさらに下がり、奥の脂肪が出る可能性は否定できません。

それでも処置をしていない場合と比較すれば、格段に若々しい状態を保てます。早期に脂肪を抑えておくことは、将来的な皮膚の伸びを防止する観点からも、非常に大きな意義があると言えるでしょう。

3つの袋のうち1つだけ取ることは可能ですか?

技術的には可能ですが、推奨されるケースは稀です。中央部だけが極端に出ているように見えても、実際には内側や外側も連動して突出していることがほとんどであるため、全体的な調整が必要になります。

1箇所だけを処置すると隣接する脂肪との間に不自然な段差ができたり、残った脂肪が強調されたりする結果を招きます。バランスを見ながら3箇所すべてを調整するのが、最も美しい仕上がりへの近道です。

手術後のダウンタイムはどのくらいですか?

経結膜脱脂術の場合、強い腫れのピークは術後2日から3日程度です。その後、1週間ほどで大きな腫れは引き、見た目にはかなり落ち着きます。日常生活への復帰が非常に早いのがこの治療の長所です。

内出血が出た場合は、黄色っぽいアザが1週間から2週間ほど続くことがありますが、翌日からメイクが可能なので隠すことができます。

完全に組織が馴染むまでには、およそ3ヶ月程度の期間を要します。

若い人でも3つの袋が目立つことはありますか?

はい、十分にあり得ます。眼窩脂肪の突出は加齢だけでなく、遺伝的な骨格の形に強く依存するためです。眼窩が浅い骨格を持つ方は、10代や20代前半から脂肪が目立つ傾向にあります。

放置して皮膚が伸びてしまう前に処置を行うことで、将来的なシワの予防にも繋がります。

若いうちの悩みは適切な早期アプローチで解決できることが多いため、まずは専門医への相談をお勧めします。

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この記事を書いた人

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 Pono clinic院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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