なぜ「裏からミッド」なのか|裏ミッドフェイスリフトという発想

裏ミッドフェイスリフト®(裏ミッド)は、「裏からミッドフェイスを整える」という発想で組み立てた治療です。私がこの発想にたどり着いた理由は2つあります。目の下のクマ治療は表面(皮膚)だけでは成立しにくいこと、そしてクマを“量”ではなく「連続性」の問題として捉える方が、本質に近い説明を行いやすいと感じていることです。

執筆:芝 容平|院長紹介|最終更新:2026年3月6日

目の下は「表面を切らない」方が合理的なことが多い

まず大前提として、皮膚表面を切る治療と切らない治療では、後者の方が肉体的・精神的な負担が少ないことが多い。だからこそ、クマで悩む方に、より受け入れやすい形でクマ治療を検討いただくための選択肢としても、できるだけ表面(皮膚)を切らない設計の方が望ましいと考えています。

これは私が、患者様の顔に“傷を残したくない”という感情だけの話ではありません。目の下は、そもそも皮膚が余りにくい部位です。つまり、皮膚を切って張力で整える発想を前提にしない方が、じつは無理がなくより合理的なのです。

つまり私が「切らない」ことを重視するのは、ライトな治療を提供したいからなどではなく、皮膚表面の張力に頼らずにクマ治療を成立させたいからです。また、より根本的にクマを改善しようとするほど、実は表面ではなく内部から正しく整える必要があります。だから裏から行う、という結論になるのです。

私がクマをこう捉える理由:量ではなく「連続性」

クマは「目の下の脂肪が多い」「凹みが強い」という量だけの話ではありません。もちろん、局所の凹凸が見え方に影響することはありますが、それだけでクマを説明することはできません。

私が一貫して見ているのは、目の下から頬へ続く連続性(面のつながり)です。連続性が崩れると、境界が影として目立ち、疲れて見える。クマの“正体”はここにある。これが私の視点です。

この視点に立つと、「クマは目の下の問題」というよりも、中顔面全体を立体として捉えて整える方が合理的になります。つまり中顔面全体の条件が整えば、目の下の境界も自然に落ち着き、クマが改善する。だから私は、クマを“中顔面全体の問題”として扱います。

「目の下」だけでは結論に届きにくい

一般的なクマ治療(脱脂・注入・裏ハムラなど)は、目の下の凹みやふくらみといった“局所の問題”から考えるコンセプトになりやすい傾向があります。もちろん適応が合えば有効ですし、それらの治療で満足している患者様もたくさんいます。ただ、私の経験では、クマの中心が連続性にあるタイプでは、局所だけを整えても境界部分の問題が残ることがあります。

同じように、「裏ハムラにミッドフェイスリフトを加える」発想の治療もあります。これも一つのアプローチですが、私の重視するクマ治療の設計は、量を均すより、連続性を取り戻すことを先に置く点が違います。

だから「裏ハムラ+ミッド」ではなく「裏からミッド」を選ぶ

連続性を優先する発想に立つと、「目の下の脂肪を下へ動かす」だけでは届かないことがあります。頬のボリュームを“増やす”ことでも、連続性は十分に改善できません。必要なのは、中顔面を土台から整えて、立体としてのつながりを作り直すことです。

このコンセプトで中顔面を整えるなら、「裏ハムラにミッドフェイスリフトを加える」という形ではなく、最初から“裏からミッドフェイスを整える”発想で組み立てる方が自然です。だから私は、裏ハムラの延長としてミッドフェイスリフト(骨膜上のSOOFリフト)を行うのではなく、裏からミッドフェイスリフト(骨膜下中顔面リフト)をするというコンセプトが必要だと考えるようになりました。

まとめ:裏からミッドは、順番の結論

目の下は皮膚が余りにくいため、切除の優先度は低く、また表面を引っ張るだけでは長期経過は安定しません。加えて、クマは量ではなく、連続性(立体のつながり)の問題としてとらえることがより本質を捉えています。

この2つを前提にすると、結論は「目の下単独」ではなく「中顔面全体」。そして「表から」ではなく「裏から」になります。

裏ミッドフェイスリフト——これは、私のこだわりというより、クマをよりよく改善するための設計によって導かれた結論です。