黒クマとは?原因は「たるみ」だった!青クマ・茶クマとの違いと正しい見分け方

鏡を見るたびに気になる目の下の黒い影。その正体は「黒クマ」かもしれません。黒クマは、加齢や生活習慣による目の下のたるみ・くぼみが影を作ることで生じるクマの一種です。青クマや茶クマとは原因がまったく異なるため、ケアの方法も変わってきます。

この記事では、黒クマの原因やほかのクマとの違い、自宅でできる見分け方、そして医療機関での相談が必要になるケースまで、医療ライターの視点からわかりやすく解説しています。正しい知識を得ることが、悩み解消への第一歩になるでしょう。

目次

黒クマとは?目の下にできる「影グマ」の正体

黒クマとは、目の下の皮膚がたるんだりくぼんだりすることで影ができ、黒っぽく見えるタイプのクマです。色素が沈着しているわけでも、血液が透けて見えているわけでもありません。光と影の関係で暗く見える、いわば「影グマ」と呼ばれる状態です。

黒クマが「影」でできるとはどういうことか

目の周りには眼窩脂肪(がんかしぼう)と呼ばれる脂肪の層があります。この脂肪を支える組織が加齢とともに弱くなると、脂肪が前方に押し出されてふくらみを作ったり、逆にくぼみが目立つようになったりします。

そのふくらみやくぼみに光が当たると、影が落ちて目の下が暗く見えるのが黒クマの仕組みです。上を向いて鏡を見ると影が消えて薄くなる場合は、黒クマである可能性が高いでしょう。

黒クマは男女ともに30代から増えはじめる

年代黒クマの出やすさおもな背景
20代まれ皮膚のハリが保たれている
30代やや増加コラーゲン減少が始まる
40代増加眼窩脂肪の突出が目立つ
50代以降多いたるみ・くぼみが顕著に

黒クマを放置すると老けた印象が定着してしまう

黒クマは痛みやかゆみがないため、つい放置しがちです。しかし、たるみは年齢を重ねるほど進行しやすく、一度できた影は自然に消えにくい特徴があります。

「最近、疲れてる?」と周囲から指摘されるようになったら、それは黒クマが原因かもしれません。早い段階で自分のクマの種類を正しく見極めることが、適切なケアにつながります。

黒クマの原因は「たるみ」だけじゃない|加齢・眼窩脂肪・生活習慣も影響する

黒クマのおもな原因はたるみですが、実際には複数の要因が絡み合って発生します。加齢による組織の変化に加え、日常の生活習慣が黒クマの進行を加速させていることも少なくありません。

加齢でコラーゲンが減ると目の下が支えきれなくなる

皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンは、30代をピークに減少していきます。とくに目の周りの皮膚は非常に薄く、約0.5mmしかないため、わずかなハリの低下でもたるみとして表面化しやすい部位です。

コラーゲンの減少は紫外線ダメージや喫煙でも加速するため、年齢だけの問題ではないといえます。

眼窩脂肪が飛び出すとふくらみと影が同時に現れる

眼球の周囲にあるクッションのような眼窩脂肪は、加齢や遺伝的な体質によって前方にせり出すことがあります。この状態を「眼窩脂肪の突出」と呼び、目の下にぷっくりとしたふくらみを作ります。

ふくらみの下にはくぼみが生まれ、そこに影が落ちることで黒クマがより目立つようになるわけです。遺伝的に目の下がふくらみやすい方は、比較的若い年齢でも黒クマが出ることがあります。

睡眠不足やむくみが黒クマを悪化させる

目の下のむくみは、たるみによる影をさらに濃く見せてしまいます。睡眠不足が続くと血行やリンパの流れが滞り、目の周りがむくみやすくなるため注意が必要です。

塩分の摂りすぎやアルコールの過剰摂取も、むくみを悪化させる要因となります。生活習慣の見直しは、黒クマ対策の基本といえるでしょう。

黒クマを引き起こすおもな原因

  • 加齢によるコラーゲン・エラスチンの減少
  • 眼窩脂肪の前方への突出
  • 睡眠不足や塩分過多によるむくみ
  • 遺伝的な骨格や体質の影響

青クマ・茶クマとの違い|黒クマだけが「影」で暗く見える

クマには黒クマのほかに「青クマ」と「茶クマ」があり、それぞれ原因も見た目も異なります。自分のクマがどのタイプに当てはまるかを知らないまま間違ったケアを続けると、いつまでたっても改善を実感できません。

青クマは血行不良が原因で青紫色に見える

青クマは、目の下の薄い皮膚を通して血液の色が透けて見えている状態です。睡眠不足や冷え、長時間のパソコン作業などで血行が悪くなると、血液中の酸素が減り、暗い青紫色になって皮膚の下から浮き出て見えます。

青クマは皮膚そのものには問題がないため、血行を促すケアやしっかりとした睡眠で改善が見込めるのが特徴です。

茶クマは色素沈着が原因で茶色くくすむ

クマの種類おもな原因見た目の特徴
黒クマたるみ・くぼみによる影上を向くと薄くなる
青クマ血行不良青紫色、皮膚を引っ張ると薄くなる
茶クマ色素沈着茶色い、引っ張っても変化なし

茶クマは、メラニン色素の沈着によって目の下が茶色くくすんで見える状態です。目をこする癖や紫外線によるダメージ、アトピー性皮膚炎などの炎症が原因になることが多いでしょう。

茶クマは皮膚そのものに色がついている状態なので、引っ張っても角度を変えても色が変わらないという点が、黒クマや青クマとの大きな違いです。

3種類のクマが混在する「混合型」も珍しくない

実際には、黒クマと青クマが重なっていたり、茶クマと黒クマが同時に現れていたりするケースも少なくありません。この場合、1つの対策だけではなかなか見た目の変化を感じにくいため、それぞれの原因に合わせたアプローチが求められます。

自己判断が難しいと感じたら、皮膚科や形成外科など専門の医療機関で診てもらうのがおすすめです。

自宅でできる黒クマの見分け方|鏡1つで今すぐ試せるセルフチェック

黒クマかどうかは、特別な道具がなくても鏡を使って自宅で確認できます。ポイントは「影かどうか」を見極めることに尽きます。

上を向いて鏡を見る「角度チェック」が基本

もっともシンプルな見分け方は、顔を上に向けた状態で鏡を見る方法です。上を向くと目の下のたるみやふくらみが重力で引き伸ばされ、影が消えたり薄くなったりします。

この動作でクマが明らかに薄くなれば、それは影によるもの、つまり黒クマである可能性が高いといえるでしょう。逆に変化がなければ、青クマや茶クマを疑ってみてください。

皮膚を軽く引っ張る「ストレッチチェック」も有効

目の下の皮膚を指でそっと横に引っ張ってみる方法もあります。青クマの場合は皮膚が薄く伸びることで血管の透けが軽減し、色が薄くなります。茶クマは色素が皮膚に定着しているため、引っ張っても色に変化はありません。

黒クマの場合は、皮膚を引っ張ることでたるみが一時的に緩和され、影が薄くなることがあります。ただし角度チェックほどわかりやすくない場合もあるため、両方を組み合わせて判断するのが確実です。

照明の違いで影の出方を比較すると精度が上がる

蛍光灯の下と自然光の下では、影の出方が変わります。黒クマの方は、真上から強い光が当たる環境だと影が薄くなりやすく、斜め上からの照明だと影が濃く出やすい傾向があります。

複数の照明条件で自分の目の下を観察してみると、影なのか色なのかの判別がしやすくなるでしょう。

チェック方法黒クマの反応青クマ・茶クマの反応
上を向く影が薄くなる変化が少ない
皮膚を引っ張るやや薄くなる青クマは薄くなる、茶クマは変化なし
照明を変える影の濃さが変わる色自体は変わりにくい

黒クマを目立たなくするセルフケア|毎日の習慣で「影」を薄くする方法

黒クマを根本的に解消するには医療的なアプローチが必要になることもありますが、日々のセルフケアで影を薄く見せたり、進行を遅らせたりすることは十分に期待できます。

保湿とハリケアで目元のたるみ進行を遅らせる

目元専用のアイクリームや保湿力の高いスキンケアを取り入れることで、皮膚の水分量を維持しやすくなります。レチノールやペプチドなど、肌のハリをサポートする成分を含む製品も注目を集めています。

ただし、目の周りの皮膚は非常にデリケートなので、塗るときは力を入れずに薬指でやさしくなじませるのがポイントです。

紫外線対策を怠ると黒クマの原因であるたるみが加速する

  • 日焼け止めを目元にもしっかり塗る
  • UVカット機能つきのサングラスを活用する
  • 帽子や日傘で直射日光を避ける
  • 曇りの日や室内でも紫外線対策を忘れない

紫外線はコラーゲンを分解し、皮膚の弾力を低下させる大きな原因です。黒クマの根本原因であるたるみは、紫外線ダメージの蓄積によって加速するため、日常的なUV対策が欠かせません。

むくみを防ぐ生活習慣が黒クマの悪化を食い止める

十分な睡眠、適度な運動、塩分控えめの食事は、目元のむくみ予防に直結します。寝る前にスマートフォンを長時間見る習慣は、目の疲れだけでなくむくみにもつながりやすいため、就寝の1時間前にはデジタル機器から離れることを心がけてみてください。

枕を少し高くして寝ると、顔に水分がたまりにくくなり、朝起きたときの目の下のふくらみが軽減されることもあります。

黒クマが消えないときは医療機関に相談すべき理由

セルフケアでは影がまったく薄くならない場合や、たるみやふくらみが明らかに目立つ場合は、医療機関への相談を検討する段階かもしれません。黒クマは構造的な問題に起因するため、スキンケアだけでは限界があるケースも実際には多くみられます。

セルフケアだけでは限界があるケースとは

眼窩脂肪の突出が顕著な場合や、加齢による皮膚のたるみが進行している場合は、外からのケアでは影を消しきれないことがほとんどです。コンシーラーで隠しても、表情の動きで影が浮き出てしまい、悩みが深くなるケースも珍しくありません。

皮膚科・形成外科ではどんな診察を受けられるのか

医療機関では、まずクマの種類を正確に診断してもらえます。視診や触診に加えて、皮膚の状態や脂肪の位置を詳しく確認したうえで、一人ひとりに合った治療方針を提案してもらえるのが大きなメリットです。

黒クマだと思っていたら実は青クマとの混合型だった、というケースもあるため、正確な診断を受けること自体に大きな価値があります。

治療法の選択肢を知っておくだけでも安心につながる

黒クマに対する治療法としては、眼窩脂肪の除去や再配置、ヒアルロン酸注入によるくぼみの補正などが一般的に知られています。どの治療が適しているかは、たるみの程度や脂肪の量、皮膚の状態によって異なります。

すぐに治療を決める必要はなく、まずは情報収集として相談するだけでも、今後の方針が見えてくるでしょう。無料カウンセリングを行っている医療機関もありますので、気軽に問い合わせてみてください。

相談先特徴向いているケース
皮膚科肌全体の状態を総合的に診断クマの種類がわからない方
形成外科構造的な治療に対応たるみ・ふくらみが目立つ方
美容皮膚科美容目的の施術が中心見た目の改善を重視する方

二度と「老け顔」で悩まない|黒クマの予防で目元の若々しさを守る生活習慣

黒クマは一度目立ちはじめると元に戻りにくいため、できるだけ早い段階から予防を意識することが大切です。日常のちょっとした工夫で、目元のたるみ進行を穏やかにできます。

目元の血行を促すマッサージと温冷ケア

ケア方法やり方期待できる効果
ホットタオル40度前後のタオルを目元に2〜3分あてる血行促進、リラックス
やさしいマッサージ目の周りの骨に沿って薬指で軽く押すリンパの流れを促す
温冷交互ケアホットタオルと冷たいタオルを交互にあてる血管の収縮と拡張で循環改善

食事と睡眠の質が目元のハリを左右する

ビタミンCを多く含む果物や野菜、たんぱく質が豊富な食品を積極的に摂ることで、コラーゲンの生成をサポートできます。また、睡眠のゴールデンタイムとされる入眠後の3時間に深い眠りを確保することが、肌のターンオーバーにとっても重要です。

寝る前のカフェイン摂取を避け、部屋を暗くして眠る習慣をつけると、睡眠の質は大きく変わります。

眼精疲労を溜めない工夫がたるみ予防につながる

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、目の筋肉を酷使し、目元の血行不良やむくみを引き起こします。1時間ごとに遠くを見る習慣を取り入れたり、意識的にまばたきの回数を増やしたりするだけでも、目元への負担はかなり軽減されるでしょう。

ブルーライトカットのメガネやディスプレイの明るさ調整も、眼精疲労の蓄積を防ぐ手軽な方法です。こうした小さな積み重ねが、5年後・10年後の目元に差をつけます。

よくある質問

黒クマは自力で完全に消せるのか

黒クマはたるみやくぼみによる影が原因のため、セルフケアだけで完全に消すのは難しいケースが多いといえます。保湿や生活習慣の改善でたるみの進行を遅らせたり、影を薄く見せたりすることはできますが、根本的な解消には医療機関での治療が選択肢に入ります。

まずは自分のクマが本当に黒クマかどうかをセルフチェックで確認し、改善が見られなければ専門医に相談してみてください。

黒クマと青クマが同時にできることはあるのか

黒クマと青クマが同時に存在する「混合型」のケースは珍しくありません。たるみによる影と血行不良による青紫色が重なることで、クマが一層濃く見えてしまう場合があります。

混合型の場合は、それぞれの原因に合わせた対策を同時に行う必要があるため、自己判断が難しいと感じたら皮膚科や形成外科で正確な診断を受けるのが確実です。

黒クマはコンシーラーで隠せるのか

黒クマの原因が「影」であるため、コンシーラーで色を補正しても完全には隠しきれないことが多い傾向にあります。明るいトーンのコンシーラーをくぼみ部分に塗ることで、光を反射させて影を目立ちにくくする方法はあります。

ただし、表情を動かすとふくらみの影が再び現れやすいため、コンシーラーはあくまで一時的なカバーと考えておくのが現実的でしょう。根本的に影を減らしたい場合は、スキンケアや医療的な対策と併用するのが望ましいです。

黒クマの原因であるたるみは20代でも起こるのか

一般的に黒クマの原因となるたるみは30代以降に目立ちはじめますが、骨格や遺伝的な体質によっては20代でも眼窩脂肪が突出し、影ができることがあります。

痩せ型の方や、もともと目の下の骨が奥まっている骨格の方は、若い年齢でもくぼみが目立ちやすい傾向があるでしょう。

20代で目の下の影が気になる場合は、まず生活習慣の見直しと紫外線対策を徹底し、それでも改善しなければ専門医に相談することをおすすめします。

黒クマの治療にはどのくらいの期間がかかるのか

治療法によって異なりますが、ヒアルロン酸注入であれば施術当日から効果を実感できることが多く、ダウンタイムも比較的短めです。眼窩脂肪の除去や再配置といった外科的な治療の場合は、腫れや内出血が落ち着くまでに1〜2週間程度かかるのが一般的でしょう。

いずれの治療法も、仕上がりが安定するまでには数週間から数か月を見ておくのが望ましいです。担当医とスケジュールを相談しながら、自分のライフスタイルに合った治療計画を立ててください。

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この記事を書いた人

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 Pono clinic院長

日本美容外科学会認定専門医

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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